読書感想文「児童文学書 戦争って…」 | アカ猫「わたしはわたし」のブログ

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記録用に、読んだ本やお話会のことを書いてます(^o^)v 「みんなと違う色だけど、わたしはわたし。そのままの自分がすき。」
「わたしはあかねこ」 サトシン より!

「ふしぎな オロロン」
財団法人 児童憲章愛の会 ・発行


この本は、全国の小・中学校に在職されている職員の方々が書いた、児童文学をまとめたものです。
かれこれ、30年以上経っていると思います。
ご紹介したいのは、表題ではなく、中に書かれている
「涙の十字架」 池 速夫・文
です。

長崎の原爆で被爆した、一人の男が、町にやって来ます。顔や手足は、真っ黒く焼けただれ、ろう細工のように形が崩れています。棒を杖代わりにして、足を引きづりながら、歩いています。
四年生になる、治子はその男のことが、気味悪いのですが、気になって、声を掛けます。

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「おじさん ピカドン(原爆)に やられたの?」

「おじさんだなんて、僕はまだ青年だよ」

………青年?顔のかわが剥け、ひきつり、年齢がわからなくなるなんて……

この日から、男は町に住み、町の人から、食べ物を分けてもらい生活していました。

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体がひきつり、十分に動くことが出来ず、また倦怠感が強く働けないのです。
不自由な手で、草笛を口にあてて吹く男を、治子は従兄弟の「しん兄さん」に重ねて見ていました。


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ある日、男は治子にステンレスで作った十字架を渡し、去っていきます。

三日後、軒下で亡くなりました。
治子に手紙を遺していました。

「治子ちゃんへ…

僕は、しん兄さんです。こんな姿になり、どうしても言えませんでした。

市外の工場でピカドンの光を体一杯 受けてしまいました。
段々、体が黒くなり、動かなくなってきました。この頃は息が苦しくなり、もう生きられないと思います。

戦争って 嫌ですね。

どうして 殺しあいを はじめたのだろう

どうして 大人は 反対しなかったのだろう

どうして よその国を ぶんどったとき、自分はよろこんだのだろう

今度 生まれ変わって来るときは、戦争のない 世の中に 生まれたいと 思います。

治子ちゃん、元気でね。僕の分も 長生きしてください。ご両親に よろしく お伝えください。

さようなら」

治子は十字架を取りだし、見つめました。
……………

ただただ、涙がこぼれます。
何を書いたら良いのかも、悩みます。