“おはよ”代わりに“パブジョ!” かよ -200ページ目

本当の夏の話

実は私、夏の間体調を崩しており、検査や何やを含め、


病院を行き来する日々を過ごしていた





仕事も休み、貯金もそろそろ底をつき、


不調は一向に改善へ向かわない、、、と





病院にずっとずっと行かなくてはならなくなったそのときは、


Yと付き合いだしてまだ数ヶ月の頃





Y氏を信用していないというわけではなかった


でも、留学に来て、現地の働く姉ちゃんと付き合ったなら、


そりゃあ生活ももろもろも楽になるだとか、


そんな目論見くらい少なからずあっただろう、と踏んでいた私は、


あー、わたしがこんなになってしまったら


彼はそろそろ逃げ出すんでないか、


と、日々病院の待合室で憂いていた





頻繁にかかっていたのは、


鴨川沿いの大きな病院だ





精算を待つだけでも、ひどい日は一時間くらいかかる





その日も、朝から来たというのにもう2時過ぎだった





鴨川に出て、一服


あーぁ、今頃Yは授業が終わって自習室でお勉強


うち、姉ちゃんやのに美味しいもののひとつもあげられんくなったなぁ、


職場は朝番と夜番の引継ぎの時間帯かな


こんな状態続いたら、いつ首になってもおかしくないな、


あーぁ、早く働きたい


元気になりたい





鬱々としなからもくもくと吐き出して、


あ、むしろこの煙草も不調を助長していやしないか、


あぁ、なんだかなー、、


と立ち上がった








すると、上流からビニール袋を持った細長い人が走ってくる


長い手足がバラバラになりそうなスピード


どうみても、ジョギング中の市民には見えない





Y“イメ~~~”





出た、、、Y氏!!!???








わたし“えーーーーーーーーーー!!!


     家から走ってきた!?”








できないことはないけれど、


まさか、あんな格好で走ってくるような距離でない








Y“うんん、バス


  やっとみちゅかったー”





わたし“どんぐらい探してた??電話しいやー”








Y“だって、イメ電話止まってるで”








わたし“、、、、、、、、、、、、!!??”








そう、そのときの私はすでに、


携帯の料金すらも払えないだめ人間になっていた


携帯が繋がらないのに、


この病院内で出会おうと思ったらきっと大変な確立になるだろう





Y“何科か聞いてなかったからどこがどこがわからんくて、


  産婦人科も行ったで”





わたし“身に覚えあるんかい!”





そらあるわな、、、





Y“ミニ?なんや?いちゅも生理ときめちゃ痛そうやし、、、、”





身に覚え、とかは伝わってなかったらしい





わたし“学校終わった?”





Y“うん”





ぶら下げていたビニールから、


むちゃくちゃにまるめられたテストの答案用紙を出す





開くと、おにぎりが包まれていた





わたし“作って来たん?”





キムチチャーハン的な、、、テスト用紙に汁染み出しすぎ


他に包むもんなかったんかい、


そうか、うち、ついにはサランラップまで買うの惜しんだ!?


いやまさか、、、、





Y“イメ、朝から来てたらなにも食べてないやろ


  せっかく来たし、みちゅかってよかったな


  食べて元気出して”





昼飯を届けに来たらしい








わたし“電話繋がらんかったらどう見つけんねん、


     会えへんかったらどうしよ思ってたん”





Y“でも、会えたから~


  これでイメが俺のことをもっと好きになったと思う”





そして、ひとりでイヒヒヒヒヒ~と笑っている





確かにね、


めっちゃ好きになった


また好きになった








病は結局、夏の間続き、秋が来てゆるやかに快方へ向かい始めた








薬を常用しながらも、


今、私は元気だ


Y氏にも、どうやら逃げられなかったようだ





それどころか彼は、働けない私の代わりに自分がバイトを増やして、


治療費と家計を助けてくれていた





春からもここに住むために、勉強も頑張りながら








ある晴れた夏日の鴨川、この日のY氏登場場面は、


私の中にひっそりと存在する、人生キラキラ場面集のひとこま




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