キャリーケースを取りに実家に帰った
部屋の段ボールの中になぜだかマキシマムザホルモンのCDがあった
どこの家庭でも同じかもしれないけれども
帰ったらまず聞くのは父の悪口である
月のタバコ代の話
居間に寝転がるとその場所がクサい
冷蔵庫から美味しいものばっかり持っていく
父の寝室に入る時は消臭スプレーをふりまきながら部屋に侵入するらしい
居間の床の隅の方にかわいらしいキティ―ちゃんの消臭剤がそれとなく置いてあった
なんとあそこはいつも父が頭を向けて寝ている場所ではないか
帰ってきた父は何の疑問も抱かずにまたそこに寝る
私はナス炒めを作った
なぜだか分からないけど
バナナを入れたくなった
細かく刻んだバナナを入れる
カレーの隠し味でバナナを入れると聞いたことがある
とろみがあるのでコクとして混ざるのではないかと思った
サバ缶もいれているので
見た目からは全く分からない
父に食べさせる
なにか甘い、砂糖を入れただろうと言われた
母に食べさせる
顔をしかめながら、最後にふんわりバナナの味がして最高にまずいと言われた
翌日誰もナス炒めの残りを食べようとしなかった
父のやさしさに感謝しながら
ナス炒めは捨てられたのだろうかと思いながら
アパートへ帰った