そんな暗い高校生活にとどめを刺したのはきみちゃんだった。


高校でもきみちゃんとつるんでいた。


きみちゃんとは学科が違ったけど、昼ご飯を一緒の教室で食べたりしていた。


お互いイラストを書くのが好きでたまに手紙交換もしていた。


でも私はゲーム、きみちゃんはアニメ・漫画中心で微妙に趣味が違い、部活も私はパソコン部(という名の帰宅部)、きみちゃんは文芸部といういわゆるオタクが集まって漫画とかを書いている部活に出入りしていた。


きみちゃんは社交的なこともあり、同人活動で同人誌を発行して、友達がいっぱいいるようだった。


年末が近づいたある日、きみちゃんに郵便局の年賀状バイトに一緒にいかないかと誘われて行くことになった。


バイトの説明会に二人で参加して、帰ろうとした時だった。


きみちゃんが会場にいたちょっと可愛らしい知らない女の子と話しはじめて、


「今からこの子と遊びにいくから、じゃあね」と急にさよならしてきたのだ。


私は「う、うん。バイバイ」と言うしかなかった。



その後はなんとも言えない気持ちで帰宅した。


確かに説明会の後に遊びに行くとか何か約束していた訳じゃなかったけど、なぜかモヤモヤする。



それからもきみちゃんはそういうことが多かった。



いつも高校の昼ご飯中に携帯をポチポチしているきみちゃん。


私がメールを送っても返事がない。


いつも携帯を見てるのに。


2日後ぐらいに聞いてみた。


「きみちゃん、メール見てくれた?」


そしたら、「え?え?あ、ごめん。返事するの忘れてた」と。



他にも、「わたし親友がいるんだ。高校は違うけど気が合うんだ」と。


どうやら説明会の時の子らしい。


それわざわざ私に向かってなんで言うんだろう。とモヤモヤした。


私っていつもこうだな。


誰かの一番になることができない。


何がいけないのか。


気付いたら自分の知らない所で人と距離ができている。


気付いたら人に嫌われている。


もうどうしたらいいのか分からない。


ダークサイドに堕ちていく音が聞こえた。