卒業〜就職


わたしにとって

学生生活と寮生活は

切り離せない両翼でした。


学業が振るわない時は

生活も乱れがちになり

寮生活がトラブル続きの時は

勉強にも身が入りませんでした。


大学時代を

〝あっという間でした〟

とは決して言えません。

学業も生活も身も心も

上がったり下がったり

目まぐるしい6年間でした。


6年の間には

途中で退寮して

アパート住まいをする友も

少なくありませんでしたが

わたしは卒業まで

寮で暮らしました。


寮生活が合っていたのだと

思います。


大学で学んだことは

仕事のスキルを支え

寮生活で学んだことは

この社会を円滑に渡っていく力を

授けてくれました。


6年間の学生生活を終え

医師免許を取得したわたしは

地元へ戻り

東京の病院に就職しました。


職場である病院は

港区にありました。

実家から通勤可能な距離でしたが

研修医は

病院から徒歩圏内に居住する

というのが規定でした。


わたしは早速

独り住まいのための部屋を

病院近くで探しました。


が、、、。

さすがは港区。

その当時から

桁違いの家賃でした。


わたしにしては

かなり粘った方でしたが

研修医の給料で払える部屋を

見つけることは不可能でした。


結論から言うと

病院の独身寮に入ることに

なった訳ですが

それには

かなり抵抗がありました。


なぜなら

寮とは名ばかりで

そこは

ほとんど病院だったからです。


職場の上司や先輩と

私生活で度々顔を合わせることを

想像してみてください。

気が休まらないこと

甚だしいですよね。


その上にです!

病院で人手が必要になると

秒で呼び出され

明け方まで帰れないことも

ザラでした。


輸血要員として

待機させられることもありました。


それでも翌朝8時には

当然のように仕事が始まるのです。


その上独身寮は

とても奇妙な構造でした。

学生寮と異なり

さすがに相部屋では

ありませんが

完全なプライベートルームでも

ありませんでした。


当時

社員寮の建設費や経費の削減のため

その構造は

珍しくなかったらしいのですが

今考えると

かなり変わっていました。


そして

この奇妙な構造が

わたしとある方との

不思議な出会いのきっかけに

なったのです。