独り書

実は、毛先赤くしてみたんです。



“夕方まで寝てた”という理由でご飯抜きをくらった私は、数少ないフレンドと某イタリアンレストランでドリアをいただくはこびとなりました。
フレンドの車は父親のそれと違いキツイどっかの香水の匂いも、大音量で垂れ流された音楽もなく、途切れ途切れの会話と、その間を縫うクリープの声に鼓膜を刺し殺されて(るような気分)たいそう心地よく、こんまま死んでもめっちゃオッケーって思ってしまった。(フレンドごめんな)


逃げ込んだ親戚のお家で「家出したんやろ」と問われた。
“家出”ってめちゃくちゃ大人の都合言葉。
子供がムカついて悲しくてどうしようもなくなって家から逃げることを、たった3文字で片付けられる。
“家”を飛び“出”すから“家出”なんかな。“家逃”とは言わんのかな。子供は家から逃げられへんからかな。
何にせよ私は家出ではないのです。外食してただけです。


例の日本庭園ツアーが終わる頃、「謝るから、帰ってこい」とLINEが来た。
母称・家出女の帰宅後、発せられたのは、「ご飯置いてるから」。
2日前の焼き鯖と、唐揚げを咀嚼しながら先刻の「謝るから」が接続助詞でなく謝罪の意だったのだと気づく19の春。


トヨトミの 匂い残るや 大坂城
先行く時も 梅のみぞ知る
(それっぽい句)