通常６～８か月後ぐらいに審査結果がでます。長いですよね。
早期審査を受ければ，２か月程度で結果が分かります。
しかしながら，早期審査を受けられる対象は限定されています。
昨日から早期審査を受けることができる対象が２つ追加されました。
（１）マドリッド協定議定書に基づく国際登録の基礎出願
多数の国で登録を受けるため国際登録の制度を利用する場合があります。
利用するには、日本で出願しているか登録を受けていること，が条件です。
その出願を「基礎出願」（登録については基礎登録）といいます。
この「基礎出願」が、新たに対象になりました。
日本と同じ商標で海外にも事業を展開したいとします。
その場合，まず日本の審査結果が早く分かればありがたいですね。
（２）例示されている表現で商品・役務を指定した出願
早期審査を受けるには権利化の緊急性、又は、指定した全ての商品・役務について使用している（又は使用準備を進めている）必要がありました。
今回，代表的な商品・役務として例示されている表現を使えば権利化の緊急性がない、又は全ての商品等について使用していない場合でも、対象となります。
なお，「指定した商品等のうち少なくとも一つの商品・役務に出願商標を使用している又は使用の準備を相当程度進めている」必要があります。（（１）と（２）両方とのこと）
例えば，現在「美容」役務（サービス）を提供しており，その店名にマーク・ロゴを使用しているとします。
そして，今後，「化粧品」にもそのマーク・ロゴを使って日本又は海外で商売をしたいとします。
そのマーク・ロゴの商標出願について早期審査を受ける際に，店名に使用をしていることを示せば「美容」だけでなく「化粧品」も早期審査の対象となります。
現在扱っているサービス，商品のマーク・ロゴで他のサービス等にも事業を展開するかもしれない，そんな場合に早期に審査結果を得られれば事業の準備に入る前に事業展開の方向を決めることができますね。
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所長 小林克行