柿子が入社してから半年くらい経ち、彼女もだいぶ職場に慣れてきている感じだった。
慣れないことばかりで大変そうな感じだが、そこは経験と持ち前の気の強さで何なくこなしているように見えた。
私との接点は日々の業務ではほとんどなく、たまに会議で顔を合わせたりする程度。
そんな日々の状況だから、特段彼女のことを気にすることも無かった。
この日は、部署全体の決起会の日だ。
うちの部署はそんなに飲み会は多くない。
おのおのが自由に好きな社員とプライベートで飲みに行くことが多く、全員が集まるのは年に1回あるかないかの頻度である。
良くも悪くも飲み会だけは皆自由にはしゃぐ。
先輩も後輩もないし、女性も男性も関係ない。
そのくらい全員で盛り上がるのが特徴だ。
だいぶお酒も回り、みんなが良い感じに出来上がってきた。
そうなると、最初の席順なんてなんのその、フラフラしながら好き勝手に席替えを始める。
私は動くのが面倒臭いから、石の上にも三年とばかりに定位置から一歩も動かなかったが、ふと隣に柿子が座ってきた。
「お疲れ様です!飲んでますか?」
あの面談の時に感じた威圧感は全くなく、とてもキュートな笑顔で話し掛けてきた。
私も酔った勢いでテンション高々に「飲もう飲もう!」と盃を交わした。
「私、前原さんと色々話したいですよー」
と、嫌味なく前のめりな感じで話してくるところは、さすが経験値を持った人間だとわかる。
「えー、その大学なんですか!?私もです!」
大学が同じだったことがわかった。
そして、年齢もほぼ一緒。
「強がっているけど、本当は弱いんです」
なんて話をしながら、いかにも自分との共通点が多い子だということがわかった。
そこから一気に親近感が湧いてきたことは言うまでもないだろう。