記憶しやすくなるよう、こないだこういうものを作ってみました


201604001


すべてじゃないけどそれぞれの前置詞を表す基本位置に基づいて上のような図示を作りました。


ドイツ語やロシア語などを勉強した経験がある方ならきっと知っていると思いますが、前置詞にはそれぞれの格を支配していること。格支配とは、その前置詞とともに使った名詞がどんな格を使うのかを決めているものです。たとえば、上図の真ん中の前置詞である“en”(いつも愚痴したいんですがアメーバはデーバナーガリーまでもキレイに表示してくれるもののギリシャ語のアルファベットになるとどこか整っていない感じ、たとえば、ἕνを入力すると二番目の文字のν“太り過ぎ”のせいで全体的な外観が整っていない(;^_^A)は、中にいる/あるという意味を表してもっぱら予格(日本語の“に”に相当したもの)の名詞とともに使われている。というわけで前置詞enは予格支配の前置詞と言うのです。

古典ギリシャ語の前置詞は、enのように1つの格しか支配していないものもあれば、左上のdiaのように2つの格を支配しているものもあるし、enの周りに位置付けられるepi,hypo, paraのように3つの格を支配しているものもある。どの前置詞がいくつの格を支配するのかを記憶することは大変面倒くさい作業なので上の図示は役立っていると思う(自画自賛中m(_ _)m)

真ん中に位置付けられるenは1つ
もっぱら上から離れるを意味するapo, ekも1つ
もっぱらら中へ向かうを意味するeisもやはり1つ
その周りのepi, hypo, para, periは3つ
hypo, para, enのそれぞれの方位をターゲットするkata, pros, diaは2つ


という感じで覚えている(^_^)v


簡単に言えばそれぞれの格は次のような位置的な意味を表している

属格:離れる場所
予格:存在する場所
対格:向かう場所

でも、これはあくまでも大まかな言い方にすぎなくてすべての場合にもこういう使い分けをするとは限りません。たとえば、図に入れない前置詞のmetaは属格と予格と対格を支配するものですが属格とともに使うと、“一緒に”を意味しているのに対して対格ととも使うと、“(時間的な)後、次“という意味を表しているのです。これはおそらく、印欧祖語の8つの格を5つに濃縮する結果だと思うけどたとえば、古典ギリシャ語の属格は、印欧祖語の奪格の機能を吸収している。ラテン語は奪格を保ってその奪格で共同格(comitative)を表している。metaの属格で共同を表すのもこれに由来するのかな?


ここまでずっと格支配を言ってきましたがもともとは前置詞をどちらかの格を支配するのではなく、逆に、それぞれの格がどちらかの前置詞を支配している話です!本来、位置関係を表すのにもっばら素の格を使って済む話なんですけど、どんどんそれぞれの格に多すぎる意味機能を掛けてしまうので意味をはっきりさせるために前置詞の添付によって明記している。

つまり、enという前置詞が予格を支配するというよりもむしろ、ここの予格は動詞の対象を表すのではなく存在する意味を表しているのでenという記号を付け加えてその意味をはっきりさせているという話になる!

意外と面白い話ですね(^∇^)というかそう思ったのはやっぱり私だけみたいm(_ _)m