働いても生活できない。格差、ワーキングプアは何故生まれるのか。それは、市場経済だからだと言う、新自由主義経済のせいだと言う。また、グローバリズムのせいだと言う。悪いのは資本主義ではないと。元々資本主義は健全なのに強欲主義が資本主義を狂わせたと。果たして本当にそうなのか。
答えは「NO」である。その本質は、資本主義そのものにある。
では、資本主義とは、何なのだろうか。経済用語として用いられ、社会主義、共産主義に対峙する概念とされている。そして資本主義は「市場」と密接な関係にあるとされている。
しかし、本当にそうなのだろうか。
結論から言うと、資本主義は決して経済的な概念ではない。
資本主義とは、資本を持つ人が、資本を使って無制限な私有財産を築きあげることを正当化するイデオロギーである。
あたかも、公正・公平性があるかのように「市場」というものを理論づけ、需要と供給で動く市場原理こそが資本主義であると思わせた。そして、今多くの人が、そう思い込まされている。市場は、何百年、何千年前からあった。ローマ時代にもあった。だから市場は不変なものであると。
しかし、資本主義は、様々な歴史的背景によって近代に生まれたものである。「市場」も「需要」も「供給」も後から資本主義を正当化するため編み出されたものである。
資本主義は、どのような背景によって生まれ、その原理は何なのか。そして様々な資本主義システムが一部の者に富を集中させ、それが結果として必然的に私たちの生存を否定していることを明らかにし、私たちの生存を守るため、いま何が必要かを考える。
目次
国民国家とは何か
国民国家が誕生した
国民とは何か
資本主義とは何か
そして資本主義経済が生まれた
資本主義とは何か
資本主義経済とは何か
国民国家から資本制国家へ
国民国家と資本主義
資本制国家の誕生
資本制国家とは何か
ナショナリズムを煽り立てる
国際機関を使った富の収奪
グローバリズムと雇用・企業そして軍隊
資本制国家・日本
アメリカに従属し続ける国・日本
生存権を奪いかえすために
無制限な私有財産を認めない
資本主義経済を見直す
後の世代への負債をなく
資本制国家を市民国家へ
最後に