午前3時の死亡遊戯
あれは確か中2の秋だった
当時の俺といえば、ウルフカットとちんかめをこよなく愛する少年だった
これは、そんな少年がはじめて人間の生死と向き合う純粋な物語である
俺はいつものようにくだらない期末テストの勉強をしていた
いつものように一夜漬け
いつものようにWWE
いつものようにミステリオは華麗に宙を舞っている
試験勉強を徹夜でのり切ろうとする諸君はおわかりだろうが、このWWEというものはとてつもない破壊力を持っている
(強いて言うならば、日曜の深夜にやってるF1と同等・もしくはそれ以上のフォースを帯びている)
これに負けてしまうと、今度は待ってましたと言わんばかりにたまらないくらいの鬱君たちが襲来してくる
『もう無理だ』
『時間がねぇ』
『くだらねぇ』
『めんどくせぇ』
さらに、俺が今回さばかなければならないお魚ちゃんは
家庭科
無理無理 (笑)
俄然やる気をなくす俺
そんな俺にチェックメイトをかけるのは、決まって睡魔くん
『なぁ、何真面目ぶってんだよ。ぶっちゃけお前繊維とかに興味ないだろ。そんなことよりおじさんと気持ちEことしようぜ ☆』
『ダメだ !! 家庭科は中間テストがない分期末の配点が高いんだ !! それに俺は無類の繊維マニアだ !! ポリエステルの素材の写真を見たときなんてどんだけ興奮……あへあへzzz』
……!!
危ない危ない、睡魔君にチンコ握られてたわ
しかし眠い
悪魔的に眠い
このままじゃ睡魔死しちゃう…
ん ?
睡魔死 ?
『そうだ 臨死体験をすればいいんだ !!』
「死」に直面するほどの体験をすれば睡魔なんて軽くぶっ飛ぶであろう
さらに、この体験を通じて俺は今一度「生」を取り戻すことができるであろう
さっそく俺は死ぬ方法(正確には死の直前まで逝ける方法)を考えた
答えは2秒で出た
そう、“息止め”である
自分の呼吸を限界まで止めてれば確実に「生」を奪還できる…!!
眠ってなんかいられないねぇ…!!
俄然テンションが上がった俺は早速実行に移した
(1,2,3,4,5,6…)
刻一刻と迫ってくる決着の時、
(59,60,61,62…)
俺は確実に奴をしとめる為に90秒は息を止めると誓っていた
(80,81,82,83…)
もうすぐ !! あと少しだ !! あと少しでこの争いにピリオドが打てる !!
頑張れ俺 !!
負けんな俺 !!
わっしょい俺 !!
(87,89,…………90 !!!!!!!)
ぷはぁーーー !!
ハァ…!! ハァ…!!
生きてる…!!
俺は生きてる…!!!!
『ざまぁみやがれ糞野郎 !! 俺の勝ちだ !! 俺が答えだ !! 俺が正義だ !!』
次の瞬間だった
『さぁこれでやっと家庭科の勉強が………』
『あれ ?』
『何このマックロクロスケみたいなの』
『つか視界がどんどん狭まっテクル……』
ダウゥーーーン !!
人間偏差値選手ここにきてまさかの立ちくらみ !!(笑)
まさかのキャパオーバー !!
動けません !!
打倒 !! 打倒 !!
しかも若干気持ち悪がってる !! (笑)
さらに瞼を閉じた瞬間、1度殺したはずの奴が地獄の淵から甦ってきた
奴は死んじゃいなかった
最後の一矢を報いるために息をひそめてこの期を待っていたんだ…!!
『たたたたたたたたた頼む !! カネはいくらでもやるから今夜だけは、今夜だけは勘弁してくれぇ !!』
『ギャー !!!!!!!!!!』
…………
その後、この少年が睡魔君に残虐非道なわいせつ行為をされ続けたことは言うまでもない