へデン会長のAKB小説ブログ

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AKBメンバーを登場させた創作小説を少しずつ書いていきます(・∀・)現在は部活青春モノ(バスケ)を書いてます!
このブログに掲載されている作品はもちろんフィクションです!笑

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テスト明け初の練習を始める東高バスケ部。
睡眠不足やテスト疲れの影響もあって、体は重そうではあるが、秋葉原西高との練習試合を振り返りながらの練習は充実したものであった。
1人1人が試合でダメだった部分を修正することで、チームとしての形は向上していく。
あっという間に2時間が経ち、部員たちは練習を終えた。
体育館にモップをかけ、ボールを倉庫へと戻すと、皆トコトコと更衣室へ戻る。




「あぁーもうダメ!早く家のベッドに飛び込みたい~」


目の下を黒ずませた萌が、フラフラになりながらタオルで汗を拭く。


「大会はちょうど2週間後だからな。体調管理もしっかりしていかないと」


水道の水で顔を洗いながら島田が呟く。


「あ、あ、あと2週間で私は上手くなれるのだろうか…」


「2か月でこれだけ上手くなったんだから大丈夫だよ!沙穂もね!」


相変わらずのネガティブ祐利奈に彩希が答える。


「私も大場さんみたいに必殺技作りた~い♪ウフフ」


着替えがいつも遅い沙穂が、今日もゆっくりと着替えのTシャツをバッグから取り出しながら言っている。


「私明日から毎日練習くるから。なんか久しぶりに燃えてる」


「ホンマに!?ぱるるに何があったんや…」


体の弱さから週に2、3回しか練習に参加していなかったぱるるの言葉に、由依が驚く。
秋葉原西高との練習試合を経たぱるるは、人生の中でも最上級に燃えていた。心に眠っていた負けず嫌いが、ここにきて呼び起されたのだろう。



「あっ!そういやみんなこれ見てへんやろ!?」


由依は突然何かを思い出し、バッグから一冊の雑誌を取り出す。


「『月刊高校バスケットボール改』の5月号!」


「あ!そういやテストに気を取られてて『月バス改』買ってなかった!」


島田が興奮気味に由依に近づく。他の部員たちもぞろぞろと由依の周りに集まった。
毎月末に発売されるということで、大会前最後の重要な情報源となる。
由依はペラペラと東京都のページを探す。


「私もとうとう神8デビューかぁ…」

「萌が入るわけないでしょー」

「んだと彩希~!!」


「おっ!あったで!」


いつもの茶番を背に、由依が東京都のページを開いた。



・・・



―【5月】東京都 神8――

 名前  学年 高校名 
 
渡辺麻友 三年 秋葉原中央高校

加藤玲奈 二年 秋葉原中央高校

小嶋真子 一年 秋葉原中央高校

永尾まりや 三年 秋葉原北高校

入山杏奈 三年 秋葉原北高校

岡田奈々 一年 秋葉原北高校

田野優花 二年 秋葉原南高校

木崎ゆりあ 二年 虹空女学院




・・・


「まーた入ってるよ小嶋真子」


「奈々ちゃんもやっぱり入ってきたね…」


萌と彩希は真っ先に1年生を見た。


「4月と3人入れ替わってるで。大場ちゃんも入ってへんやん」


「しかもとうとうAKBゾーン以外の高校から入ってきたな。ウチらが2年前から見始めて以来初じゃね?」


由依と島田がしみじみと語る。


「この“虹空女学院”って一体?」


1年生たちが不思議そうに由依と島田に聞く。


「昨年冬の大会で西高を倒したところや」

「あ!ここに大会前の前評が載ってるから読んでみな!」


大会前ということで、それぞれの学校が☆1~☆5までにランク分けされ、各学校の評価が書かれていた。

・・・

・【虹空女学院】 ☆4
 虹空女学院は、四年前に建てられたばかりの新設校で、バスケ部は創部二年目。創部一年目である昨年度のウィンターカップ都予選では、秋葉原西高校を破り見事ベスト4の成績を残した。AKBゾーン以外の高校がベスト4以上に入ったのはなんと六年ぶり。しかも部員全員が1年生での快挙。
 特徴としては、全国からさまざまな優秀選手を集めている。キャプテンの木崎ゆりあ(二年)は、愛知県の栄中出身で、中学3年時に全国ベスト4、そしてU-15日本代表にも選ばれていた全国トップクラスの選手だ。
 秋葉原西を破ったメンバーが全員2年生になり、今年も全国から優秀な新1年生を集めたということで、今大会も大波乱を起こすダークホースになるであろう。

 
・・・


「AKBゾーン以外にもこんな強敵がいるのか…」

萌は西高と戦って以来、中学と高校ではレベルが違うことを認識していた。
だからこそ、上にあがるためには、まだまだ強敵がいるという事実に唖然としていた。


「東高の評価も載っているんですか~?♪」

沙穂が、唖然としている萌を尻目に由依たちに聞いた。


「そういや・・・あっ!載ってんで!」


・・・


【秋葉原東高校】 ☆2.5
 秋葉原東高校バスケ部は、創部21年目。以前までは、秋葉原東と言えばAKBゾーンの強豪校という印象だったが、部員の減少を受けて近年は休部となっていた。しかし今年度ついに復活を果たした古豪に注目が集まる。
 特徴としては、今年度入学してきたルーキーである村山彩希(一年)と相笠萌(一年)がキーとなるであろう。二人は才光中出身で、中学3年時には全国ベスト8の成績を残している。さらに、秋星学園出身の島崎遥香(三年)が再入部したということで楽しみではあるが、ブランクがネックとなりそうだ。
 総部員が7人で、そのうち3人が高校からバスケを始めたということで、いろいろ不安要素が多い。目指せベスト16といったところか…。


・・・


「私がキーだって~!やったね!」

「バカ!私も入ってるだろうが!」

「萌はついでだよついで!!」

「んだと彩希ぃ!!!!」


「うちらは不安要素なんだ・・・」

「目指せベスト16♪ウフフ」


1年生たちが各々の反応をしている。


「ブランクがネック、か・・・」


ぱるるはムスッとした顔で呟く。


「目指せベスト16!?ウチらってそんなもんなの!?」


島田は、優勝を目指している手前、この評価に深く心をえぐられた。


「当たり前。実戦1回の高校に良い評価なんて付けてくれるわけないやん。ただ…」


由依はひと呼吸置いて、


「ここから這い上がろうで!大会終わった時に☆が5つになってたらええやん!」


そう言うと、さっさと雑誌をカバンに戻し、みんなに着替えを促した。
このチームには無限の可能性がある、そう信じている由依には、今の評価よりも未来の結果だけが楽しみでしかたなかった。
部員全員が制服に着替え終えると、更衣室を後にし、薄暗くなった初夏の帰路へついた。