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しばらく間があいてしまいましたが、2日目に受講したバイオシンセシスのワークショップの体験談を書きたいと思います。バイオシンセシスについて私の説明ではわかりにくいと思うので、JBI日本バランシング協会のHPの説明を引用させていただきます。


バイオシンセシスは生命を統合させる目的で『ライヒの思想の発展』の著者として名高い英国の教育者デイビッド・ボアデラによりボディーサイコセラピーの一手法として開発されたものです。それは、精神医学と心理学の中に「からだ」という考えを導入したウイルヘルム・ライヒによる自律神経療法(ベジェト・セラピー)と胎生学のアプローチに基づいています。バイオシンセシスでは、基本的な心身再統合手法である、呼吸の解放と感情のセンタリング、筋肉の再調整と姿勢のグラウンディング、アイ・コンタクトと声のコミュニケーションによるフェイシングによって、心身両面における治癒的統合のワークを行っていきます。その結果、私たちが本来もっている有機体としての統一性と生命エネルギーの自由な流れを取り戻し、心身ともに生き生きと感じられるようになるのです。

自分を見つめたとき、「自分には価値がない」「自信が持てない」「自分を変えたい」「人と会うのが怖い」「人と話をするのがイヤ」「誰も私を助けてくれない」「いつも一人ぼっち」「苦手なタイプの人がいる」などといった気持ちを感じる時、幼い頃の些細な出来事が原因(トラウマ)の場合があります。知らず知らずのうちに過去の出来事に囚われ、いま現在を過去というフィルターを通して見ているのです。しかし、自らの体の奥底に閉じこめてしまった心の傷を感じることで、その心の傷は癒されていきます。体のシグナル(緊張、痛み、不快感)に意識を向けたり、時には夢や日常の出来事を扱いながら、ゆっくりと自分の心に触れていくのがいいようです。


実際に私が受けたボディサイコセラピーであるバイオシンセシスの体験談をご紹介します。まず、二人でペアになり、いろいろなワークをやりました。例えば、向かい合って立ち、お互いが相手の目をじっと見つめながら、一方が『いいじゃないか』と言いながら押してくるのを、『嫌だ!』と声を出して押し返すといったものでした。1日目のディープ・ブレスで、無意識の感情が出やすくなっていたことと自分自身の準備が出来ていたこともあってか、私自身は何の抵抗もなくスムーズに取り組むことが出来ました。相手の目を見て『No』と拒絶することも、反対に拒絶する相手の懐に飛び込んでいくといったことも平気でした。チャクラで例えるならば、感情感覚のチャクである2チャクラと、自己表現(喉)のチャクラである5チャクラの働き(回転)が活発になっているような気がしました。


しかしながら、「嫌だ!」と声を出しながら相手を拒絶するワークにおいて、一般的には「NO」が言えない人が多いらしいです。頭では理解しているので、「嫌だ!」「あっちに行って!」と声を出しながらペアを組んだ相手のことを押しのけようとするのですが、どうしても力が入らない・・・大きな声が出ない・・・ということが起きます。それは、頭レベル(顕在意識)は命令を出すものの、無意識レベル(潜在意識)では、「そんなことをしたら人間関係が悪くなるぞ」「嫌われてしまうぞ」と感じてしまっているのです。それにより、自分にとって嫌な相手であっても、その介入を許してしまっているのです。こうしたワークを経験したことで、いかに日々の生活において、無意識で自分の心とは裏腹な言動を取っているのかということに気付かされました。このような生活をしていると、体も心もたまったものではありませんね。自分の心に正直に、あるがままに生きるということが、いかに難しいかということを改めて感じました。


2日目のワークで最も印象に残ったものが、午後からやった“死と再生のプロセス”の体験でした。人(魂)は誰でも、死と再生のプログラムを繰り返しています。勿論、魂が宿る私たち肉体も、実は毎日死と再生を繰り返しています。死と再生のプログラムは、誕生から死という寿命だけではなく、実は、日常再三起こっているのです。自分の中にあるコアの部分は、死ぬことをも恐れず受け入れ、生まれ変わろうとしています。ここでいう死とは、肉体の死を表すのではなく、「これまでの自分でなくなること」であり、生まれ変わるとは、「新しい自分に変わること」と解釈できます。


ワークは、グラウンディングから始まります。グラウンディングとは、しっかりと地に足がついた状態で、地球(大地)からのエネルギーと繋がっていることが出来ているかどうかです。目を瞑って、ただ立っているだけなのですが、いかにそれが難しいかがわかります。ペアになった人に矯正してもらうことで、真っ直ぐに立っていると思っていた自分の姿勢が、実は歪んでいたことを自覚できます。本当は、立っているために必要な筋肉だけに力が入っていることが理想的なのですが、実際には、関係のない筋肉にまで力が入っていることがわかります。こうした不要の力のことを、“筋防衛”というのだそうです。全身の筋肉を緊張させることで、意識的に不愉快な感情(エネルギー)が流れないようにしているらしいです。 肩の力をぬくということの大切さを感じました。


無駄な緊張が抜けてくると、いよいよ死へと向かっていきます。講師の誘導により、ゆっくりと体を前に傾けていくのです。時間にして5分後にばったりと倒れるように指示されましたが、それまでは時間をかけて少しずつ少しずつ引力に従って前にそして下のほうに体を傾けていくのです。そして、ばったりと倒れると同時に死を迎えます。大地と平行になってしばらくすると、地球のエネルギーに自分が溶け込んでいくような錯覚を感じました。意識が覚醒したような(ただ眠っていただけかもしれませんが)状態でした。子宮の中にいた時を再体験したという方もいますが、私はただ安らいだ感覚でした。どれくらい経ったでしょうか。講師の声が聞こえてきます。ゆっくりと、少しずつ起き上がっていってください・・・・・・。声に反応して体が少しずつ動き出します。全身の神経に意識が宿り、力が漲ってくるのを感じます。これこそが、子宮から誕生した瞬間の気持ちなのかなと思いました。そこには不安はありませんでした。苦しさもありませんでした。この経験を通して、私自身しっかりとした目的を持って生まれてきているのだということを感じました。


私が受講したディープ・ブレス・バランシングとバイオシンセシスというセッションについての詳しい説明が、JBI日本バランシング協会のHPのホームページに書かれてあるので、興味のある方は以下をご参照ください。


★ディープ・ブレス・バランシング

 http://www.j-b-i.org/dbreath.html

★バイオシンセシス

 http://www.j-b-i.org/biotoha.html