自分の好きな色彩群と自分の感覚的能力との間には相関関係があるらしいと知ってｗ

http://www.toyoink1050plus.com/color-solution/chromatics/application/004.php

あまり洗練されてない原色のグループ

この色彩、どこかで見おぼえがあるなと思ったのは、社会の教科書に載っていた江戸時代の歌舞伎の舞台衣装や幕の色。衣装はむしろこれに全タイプ加えた色とりどりなグループを包括していたと思うけど、どうしてこれに黒を加えて幕の色にしたのかと言えば、どっちつかずの原色はまとまりがつかなくて、どれも自己主張が強くて、さりとて個性的と言えるほど何かに特化された色ではない。というか江戸時代以降、ファッション関係でトンとお目にかからぬ色グループだねえ。

派手でクリアな色彩群もシンプルでクールな色彩群も、現在に至るまで、何度も繰り返し流行に用いられ、様々なフェイズでお目にかかる色である。

つまり、強い原色でありながら複雑で何となく淀んだ、どっちつかずのこの色彩群は、伝統色と言えば聞こえはいいが、今流行っている色、市場で買うために手に取ってみたい魅力的な色とはいえない色、と言う事になる。

伝統色と言えば、黒・紺・グレー等、クールでハードな色彩群、古来からある藍染めの着物の色やインテリアに使われてきた調度家具の色などは同じ伝統色であるが、どの時代・どの場面でも常に使われていたレギュラーカラーである。

そしてこれらの色彩を好む層は感覚よりも知性重視であるから、淀んだ原色を好む層を見れば「頭が悪い」と言う印象を抱くかもしれない。

また、明るくクリアな色彩群を好む層からみれば「ありえないセンス」と思われるかもしれないし、「スッキリシンプルなクールカラー」を好む層からみたら「いつの時代からやって来たんだよ」と言う事になるかもしれないし、私のように渋めパステル系カラーを好む層から見たら

「ヤバッ　不味そう…」「触るとなんか感染りそうだな…」

となるかもしれない。

言いすぎたかもしれないが、何を言いたいかと言えば、愛される色になるには、ニュアンスのプラス１が欲しいなと言う話である。

自然界を見れば、お花畑の色合いだって、思ったよりもずっと落ち着いたシックな色彩である。

ではシックではないニュアンスに欠けた原色は？

それはまるで蛍光灯に照らされた野菜。

カボチャやミカン、カキに青菜　やや鮮度の落ちた肉や魚。何となく雑味を感じさせるウォームな原色だ。身に着けたいほどおしゃれでも大人っぽくもないけど食欲をそそる、イエローベースの暖色。ビタミンカラーだ。

結局のところ現代でも食品関係に使われている色彩群だ。これは人類が食物を狩猟採取してまかなっていたころから色彩は変わってない。文化が生まれる以前から愛されてきたプリミティブな色彩群だ。

実際の食品の色彩はこんなにカラフルではない、淡いベージュやオレンジ系の薄い色だ。

しかし調理することによって、肉や魚には焼き色が付き、調味料やスパイスによってもっと食欲をそそる濃色やヴィヴィッドな色の料理を我々は楽しんできた。

だからこれらの色は究極的にナチュラルな色で　私たちの原始の記憶に残っている色なのだ。

大地から贈られたこのままの色を愛すもよし、灰汁や雑味を取ってより純粋な色を抽出するもよし！

色彩と五感