メキシカンって好きなんですが、正直なところ、よく分からんのです。
これだけ世界各国の料理が味わえる東京においてさえも、なかなか本場のメキシカンを再現している美味しい店はない、とアメリカ生活の長い方は仰いますね。
残念ながら私は、アメリカへの渡航というと、前職と今の勤務先での出張で1回ずつだけ。それもほんの短期で、いずれもお客さんのアテンドだったため、自由時間はほぼ皆無。
なので、都内で食べるメキシカンについて、アメリカやメキシコでの本場の味と比べてどうかというのは一切分からず、ただ自分が好きかどうかの物差ししか持ち合わせておりません、悪しからず。
さて、先日六本木で夜のいい時間になり、さほどお腹が空きまくっているわけではないけど、ファストフードも何だか、という気分のとき、ミッドタウンの「ラ・コリナ(La Colina)」へ。
入り口から何ともオシャレですね。
ここって、そう言えばわが国の皇太子妃殿下が、「療養の一環」としてお忍びでいらっしゃったレストランの一つ、と言われてましたっけ。
あくまでお忍びでのご来店といいつつ、普通に人だらけの商業施設の1階だからねえ、さぞ店側も気を遣って、大変だったであろう。この時、妃殿下は大層満足されて長時間のご滞在であったと巷間伝えられておりますが。
こうしたご経験が、ご病状の改善にどれだけ奏功したかは知るべくもございませんが、ともかく好きな時に好きなものを食べ歩ける庶民の身であることに感謝。
さて、複数名いればあれこれ頼んで楽しみたいですが、この日は一人で軽く済ませたいので、タコスメインで。
タコスは、チキン、フィッシュ、ビーフ、ポーク、シュリンプ、野菜の6種。いずれも2ピースで、980円か1,080円。
あと、寒い夜なので、スープも欲しいな。
これはどれも1,080円均一で、アホ・スープ、トリッパ・スープ、そして野菜のピリ辛スープであるカルド・トラルペーニョの3種。
タコスは、フィッシュのにしたんですが、スープより大分先に来ちゃいました。
お魚はキスのフライ、サッパリしたグリーントマトのソースとよくあいます。
これだけだとちょっと単調ですが、添えられているハラペーニョと、酢漬けのオニオンも挟んで食べれば、辛味と酸味、メリハリのある味が楽しめます。
ここのは、コーントルティーヤですね。
コーンは扱いが手間なのか、メキシカンレストランでも一般にフラワートルティーヤが出てくることが多い気がするのですが。
確かにフラワーの方が、小麦粉だから食べなれた味、万人受けしそうですが、コーンはコーンでまた独特の味がありますね。
ちょっと粗い感じと、それでいてもっちりした食感。この素朴な風合い、私は割りと好きです。
そして、スープはカルドトラルペーニョにしました。
あんまり何の予備知識もないままのチョイスでしたが、これ、かなり好みのツボでした。
ほのかな酸味と辛味が同居したクリアなスープに、チキンやアボカド、ひよこ豆、お米がたっぷり。
具はわりとお腹にたまりそうな感じですが、スープそのものの爽やかさでするりと、いくらでも頂けてしまいそう。
店内は、陽気なギターの弾き語り(メキシコではなく、キューバのご出身らしい)が、順次テーブルを回って、色んな曲を演奏してくれました。
ラテンポップスだけじゃなく、ディズニーの曲も演奏されていて、個室の方からは例のレリゴーも聞こえてきました。
曲目はお客さんのリクエストに応じてくれるようですが、どれくらい幅広く対応してくれるんだろう。ちょっと無体な要求してくりゃ良かったかも(後悔)。
ここ、いわゆるラテンアメリカ系料理のレストランにたまにある、ハイテンションすぎるノリにはついていけない~っていう人にもいいんじゃないですかね。
勿論、スタッフの方は明るくフレンドリーですが、必要以上に干渉してくるわけではないです。
お料理も、ありがちなジャンクな感じのファストフード風メキシカンとは違って、洗練されていて美味しいですし。
価格も、場所が六本木+皇室御用達(違うかw)ということを考えれば、全然悪くはないでしょう。
ごちそうさまでした!