朝晩冷え込む日々が続き、
秋の日が深まってきている毎日ですね。

これからしばらくは、
全米No.1ヒットシリーズも含め、
しっとりした秋の日にふさわしい曲が続くことになるかと思います。

相変わらず、なかなか記事がアップできてないですが、
今月はがんばって、いくつか紹介していきたいので、
よろしくお願いします。


1986年の全米No.1ヒットシリーズ。

前回、1986年10月11日と18日付の2週間No.1だった、
ジャネット・ジャクソン「あなたを想うとき」に代わり、
1986年10月25日と11月1日付でNo.1となった曲は、


シンディ・ローパー「トゥルー・カラーズ」


ここ数年、毎年のように日本でもライブで来日し、
変わらぬ元気な姿をみせてくれている彼女。

ブログでは、
タイム・アフター・タイム(Time After Time)」(2011.6.9)
(この曲については、2009.11.17のブログでも紹介しています。)
そして、2012年のBunkamuraオーチャードホールでの来日ライブレポートとして書いた、
チェンジ・オブ・ハート(Change Of Heart)」(2012.3.11)
に登場しています。

1983年のファーストアルバム、
「シーズ・ソー・アンユージュアル(NYダンステリア)(She's So Unusual)」で
衝撃的な登場とともに、
多くの大ヒットシングルを生み出した彼女が、

1986年にリリースしたセカンドアルバムからの
タイトル曲でファーストシングルとなったこの曲。


心にしみわたるメロディ、やさしく包み込む彼女のボーカル、
そして、落ち込み気力を無くしている恋人への暖かな励ましを記した歌詞。

ボクの見た2012年のライブでもアンコールラストナンバーとして歌われた、
人を包み込み愛に満ち溢れた名曲です。


①当時は彼女らしい世界観で作られているなと思いながら、
 その不思議な情景に結構難解な作品だなとも感じられたPV




②2011年3月、東日本大震災当日に来日し、
 周囲の反対を押し切って、ツアーを決行し、
 震災にとまどい、沈む日本の人たちを励まし続けた彼女。
 その大阪での最終公演でのライブステージから。



☆Cyndi Lauper "True Colors" from the album "True Colors"
 1986年Billboard Hot100 最高位1位(10/25,11/1付の2週間)


You with the sad eyes
Don't be discouraged
Oh I realize
It's hard to take courage
In a world full of people
You can lose sight of it all
And the darkness inside you
Can make you feel so small

>> 悲しい瞳をしたあなた
>> 落ち込まないで
>> ああ、私にはわかるわ
>> 勇気を持つのがどれほど大変かと
>> 世界にはこんなに人々で溢れているのに
>> 今のあなたはそんな彼らの姿さえ見失うほど
>> 心の奥底の暗闇に支配されて
>> 心がすっかり縮こまってるみたいな

But I see your true colors
Shining through
I see your true colors
And that's why I love you
So don't be afraid to let them show
Your true colors
True colors are beautiful
Like a rainbow

>> でも私にはあなたの本当の姿がわかるの
>> ずっと輝き続けているあなたの姿が
>> あなたの本当の色が見えているわ
>> それこそが私があなたを愛している理由
>> だから自分自身をさらけ出すことを恐れないで
>> あなた自身の本当の姿を
>> 本当の色はとても美しいもの
>> まるで虹のようにね

Show me a smile then
Don't be unhappy, can't remember
When I last saw you laughing
If this world makes you crazy
And you've taken all you can bear
You call me up
Because you know I'll be there

>> 笑顔を見せてほしいの、そうしたら
>> 不幸になんてならないわ、もう思い出せないのよ
>> あなたが最後に微笑みかけてくれた時のことを
>> もしこの世界があなたを狂わせて
>> 全てが耐えられないようなことになったなら
>> 私を呼んでちょうだい
>> だって私がそばにいるってわかるのだから

And I'll see your true colors
Shining through
I see your true colors
And that's why I love you
So don't be afraid to let them show
Your true colors
True colors are beautiful
Like a rainbow

>> そう私にはあなたの本当の姿がわかるの
>> ずっと輝き続けているあなたの姿が
>> あなたの本当の色が見えているわ
>> それこそが私があなたを愛している理由
>> だから自分自身をさらけ出すことを恐れないで
>> あなた自身の本当の姿を
>> 本当の色はとても美しいもの
>> まるで虹のようにね

(When I last saw you laughing)
If this world makes you crazy
And you've taken all you can bear
You call me up
Because you know I'll be there

>> (あなたが最後に微笑みかけてくれた時のことを)
>> もしこの世界があなたを狂わせて
>> 全てが耐えられないようなことになったなら
>> 私を呼んでちょうだい
>> だって私がそばにいるってわかるのだから

And I'll see your true colors
Shining through
I see your true colors
And that's why I love you
So don't be afraid to let them show
Your true colors
True colors
True colors
Shining through

>> そう私にはあなたの本当の姿がわかるの
>> ずっと輝き続けているあなたの姿が
>> あなたの本当の色が見えているわ
>> それこそが私があなたを愛している理由
>> だから自分自身をさらけ出すことを恐れないで
>> あなた自身の本当の姿を
>> 本当の色を
>> あなた自身の姿を
>> 輝き続けているあなたの姿を

I see your true colors
And that's why I love you
So don't be afraid to let them show
Your true colors
True colors are beautiful,
Like a rainbow

>> あなたの本当の色が見えているわ
>> それこそが私があなたを愛している理由
>> だから自分自身をさらけ出すことを恐れないで
>> あなた自身の本当の姿を
>> 本当の色はとても美しいもの
>> まるで虹のようにね



もちろん、そういう事態を予測して作られた曲ではないけれど、
ここに綴られた詞が、まさに震災によって、
その方向性とか、生きていく勇気とか、復興への迷いとか、
とまどう日本の人たちへ向けられたメッセージとなりました。

セカンドアルバム「トゥルー・カラーズ」は、
2曲のカバー曲(「アイコ・アイコ(Iko Iko)」と、
「ホワッツ・ゴーイン・オン(What's Goin' On)」)を除き、
全てのソングライティングにシンディがかかわっています。

その中で、ファーストシングルであるこのタイトル曲だけは、
当初、マドンナの「ライク・ア・ヴァージン(Like A Virgin)」などの
ヒット曲で知られるトム・ケリーとビリー・スタインバーグによって書かれ、
アン・マレーに提供される予定の曲でした。

もともと、ビリー・スタインバーグが彼の母親に向けて書いた曲を、
トム・ケリーが歌詞を一部書き直したり、
当初のデモテープも、もっとゴスペル調な感じだったりと、
作り込むのに苦労した曲のようです。

そのデモテープがシンディの元に渡り、
この曲を歌ってみたいと思った彼女が、
さらに一部の歌詞を書き直してレコーディングされたのが、
この曲だったということです。

そうして生まれたこの曲は、
使われている楽器が少ない割に音色が複雑で、
メロディもなかなか普通では思いつかないメロディライン。

にもかかわらずトータルで聴いていると、
すっとその世界に入っていけるシンプルな魅力のある不思議な曲で、
リリース当初は、PVの不思議さもあって、
意外と難解な印象も持っていた曲でした。

歌詞を改めて読んでみると、

怖れることはない、落ち込むことはない、
今笑顔を見せることは辛いことかもしれないけど、
それこそが本当の姿だから、
ずっとその姿でいてほしいという、

今の辛い状況をわかってくれる人の存在を感じさせてくれる、
優しい母親のような歌であり、

この優しさこそが、シンディ自体の「トゥルー・カラーズ」であり、
彼女自身をイメージできるものなんだなって思います。

多くのシンガーによってカバーバージョンがレコーディングされていますが、
やはりだれのバージョンよりも、この曲が彼女自身だと思わせてくれる曲ですね。

2011年3月の震災後のコンサートツアー、
そして、翌2012年の3月のコンサートツアーでも、
大好きな日本の人たちに向けて、
この曲が歌われました。

今年8月には、SUMMER SONICでまたまた来日し、
こちらは大観衆の大阪と幕張の会場で歌ったことと思います。

また来年も来てくれるでしょうか。
本当に印象に残る2012年のコンサートを見ているだけに、
またあの暖かさに触れたい気分です。



さて、1986年の全米No.1ヒットシリーズ。
次回は、11月8日と15日付でNo.1となったナンバーが登場。

ついにボク自身も待ちわびていたバンドを紹介できます。

今年の大リーグワールドシリーズチャンピオンとして、
上原浩治投手や田沢純一投手の活躍も記憶に新しい、
あの大リーグチームの本拠地と同じ名前をバンド名に持つ彼ら。

70年代から、その緻密な音作りで、
アメリカンプログレッシブの雄として、
すでに多くのロックファンを持っていた彼らにとって、
シングルとしては初の全米No.1となった、
ドラマチックなロックナンバーです。



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