9月もラストとなりました。
なうにも書いたのですが、
ちょっと今週前半昨日まで多忙でして、
(そのわりに、ピグライフのお庭で遊んでんじゃんってのはナイショね^^;)
実は、昨日29日にアップを予定していた、「'84 US No.1」の曲の記事が、
まだあまり手をつけられてないんです。
まあ、これまで2回サントラから曲を紹介している殿下の曲だし、
そんなにあれこれと書くことはないのだけど、
ただ、タイミングがちょうど9月の最終日となってしまい、
もともとこの日のために用意してあった曲とどっちを先にしようかと悩んだ挙句、
殿下にはもう1回待っていただくということで、
お待ちいただいてた方には申し訳ありませんが、
早めにアップの予定なので、もう1回お待ちください。
それと、これもなうに書いたのですが、
その昨日、とあるバンドを約23年ぶりに見てきましたので、
そのライブレポートも近々にアップしたいと思います。
2周年も近いし、結構詰まってます(苦笑)
さて、先日9月11日のブログで、
2001年の911から10年が経ったのと、
東日本大震災から半年が経ったということを書いて、
CSN&Yの「ティーチ・ユア・チルドレン」を紹介しました。
今回の曲は、9月に起こったショックな出来事を通して、
人の心の変化や、トラウマに対しての戦い、
そして大きくは戦争そのものへの反抗をテーマにした、
ロックアンセムです。
グリーン・デイ「ウェイク・ミー・アップ・ホエン・セプテンバー・エンズ」
1987年にカリフォルニア州バークレーで結成された、
3人組のパンクバンド。
90年代初めにデビュー以来、ポップで勢いのあるパンクから、
メッセージ性の高いナンバー、さらにオペラやミュージカル形式での作品と、
多彩な曲とオーディエンスを引き付けるライブで、
現在まで高い人気を誇っています。
ブログでは、昨年2月に、グラミー賞のステージに登場して、
「21ガンズ(21 Guns)」を披露した時のことを書いたことはありますが、
曲として紹介するのは今回が初めてです。
2004年に発売された、7枚目のアルバム、
「アメリカン・イディオット(American Idiot)」からの4枚目のシングルで、
自らの幼少期の体験をベースにしながら、
2001年9月11日の悲劇と結びつけ、
つらい出来事を期に変わっていく人の心を描いた、
バラードナンバーです。
①この曲の持つメッセージをイメージにした、
ショートストーリーでつづられた名作PV。
前後のセリフも含めたその内容は後述します。
②アコースティックギターをメインにしたライブステージから。
☆Green Day "Wake Me Up When September Ends"
from the album "American Idiot"
2005年Billboard Hot100 最高位6位
Summer has come and passed
The innocent can never last
Wake me up
When September ends
>> 夏がやってきては過ぎ去っていくけれど
>> 純粋な気持ちは続くものではないんだ
>> だから起こさないでほしい
>> 9月が終わるまでは
Like my father's come to pass
Seven years has gone so fast
Wake me up
When September ends
>> 親父が死んだときみたいに
>> 7年というのはあっという間に過ぎていった
>> だから起こさないでくれ
>> 9月が終わるまでは
Here comes the rain again
Falling from the stars
Drenched in my pain again
Becoming who we are
>> また雨が降ってきた
>> あの星空から降ってくるんだ
>> オレの傷口にどんどん染み込んで
>> 自分が誰だかわからなくなるくらいに
As my memory rests
But never forgets what I lost
Wake me up
When September ends
>> 記憶を消そうとしたって
>> オレが失ったものを忘れるなんてできない
>> だから起こさないでくれ
>> 9月が終わるまでは
Summer has come and passed
The innocent can never last
Wake me up
When September ends
>> 夏がやってきては過ぎ去っていくけれど
>> 純粋な気持ちは続くものではないんだ
>> だから起こさないでほしい
>> 9月が終わるまでは
Ring out the bells again
Like we did when spring began
Wake me up
When September ends
>> またあの鐘を鳴らそう
>> 春に鳴らしたようなあの鐘を
>> だから起こさないでくれ
>> 9月が終わるまでは
Here comes the rain again
Falling from the stars
Drenched in my pain again
Becoming who we are
>> また雨が降ってきた
>> あの星空から降ってくるんだ
>> オレの傷口にどんどん染み込んで
>> 自分が誰だかわからなくなるくらいに
As my memory rest
But never forgets what I lost
Wake me up
When September ends
>> 記憶を消そうとしたって
>> オレが失ったものを忘れるなんてできない
>> だから起こさないでくれ
>> 9月が終わるまでは
Summer has come and passed
The innocent can never last
Wake me up
When September ends
>> 夏がやってきては過ぎ去っていくけれど
>> 純粋な気持ちは続くものではないんだ
>> だから起こさないでほしい
>> 9月が終わるまでは
Like my father's come to pass
Twenty years has gone so fast
Wake me up
When September ends
Wake me up
When September ends
Wake me up
When September ends....
>> 親父が死んだときみたいに
>> この20年なんてあっという間のことだった
>> だから起こさないでくれ
>> 9月が終わるまでは
>> だから起こさないでくれ
>> 9月が終わるまでは
>> 起こさないでほしい
>> 9月が終わるまでは・・・
この①のPVでのショートストーリーなのですが、
見ていただければ、おおよその内容というのは検討がつくかと思いますが、
曲の始まる前、
田舎町に暮らす二人の平凡なカップル。
たがいに魅かれあい、いつまでも一緒にいると誓い合うふたり。
男の子の方は貧しくて、いつも女の子の方からおごってもらいながら、
楽しく過ごしていくことにあせりを感じ、
なんとか、お金を稼いで彼女を安心させたいという思いが、
彼を志願兵に駆り立てます。
なぜなら、田舎では就職口が少ないのと、
志願兵は手っ取り早く稼ぐのにちょうどよい手段である上、
国のために戦うという口実もできて、
周囲からも認められるからというのが理由でした。
しかし、永遠を誓ったはずの彼が志願兵で行ってしまうことに
我慢ならない彼女が泣き叫んで反対するものの、
どうしようもないのだと振り切って、
兵士になって戦場に出ていく彼。
実際、最後に二人がどうなったかはわからないものの、
彼女がいつまでも彼を信じて待ち続けている姿が描かれています。
この戦争というのが、まさに2001年9月11日の同時多発テロを受け、
多くの志願兵が、イラン戦争に駆り出されていったことを示しており、
9月に起きた大きな悲しみが、
やがて人々の心に、純粋でいられない戸惑いを芽生えさせ、
戦争へと駆り立てていってしまったという、
そんなイメージが描かれているのです。
ただし、この曲に関して言うと、
もともとボーカルでソングライターである、
ビリー・ジョー・アームストロングの父親が、
まだ彼が10歳だった、1982年の9月10日に、
がんのために亡くなったことと、
その頃に感じた気持ちを歌にしたというのが、
この曲が書かれたきっかけだということなのです。
実際に、10歳のビリー少年にとって、
ジャズミュージシャンでトラックドライバーだったという、
彼の父親がどんな存在であったかはわからないのですが、
子供心に深く傷つき、
それが今の彼の心の一部に今も刻まれているのだと思います。
グリーン・デイは、1987年にバークレーで友人同士であった、
ボーカル、ギターのビリー・ジョー・アームストロング、
ベースのマイク・ダーント、
ドラムスのジョン・キフメイヤーの3人で結成され、
当時はSweet Childrenと名乗っていました。
1989年に現在のグリーン・デイに改名し、
1990年にマイナーレーベルからアルバムデビューします。
しかし、音楽の方向性の違いから、ドラムスのジョンが脱退し、
変わって現在のドラマーである、トレ・クールが加入。
1992年にリプリーズレコードに移籍し、
初のメジャー作品となる3枚目のアルバム、
「ドゥーキー(Dookie)」を発表します。
このアルバムが、カレッジを中心に若者に大変な話題を呼び、
翌年にかけて全米だけで1000万枚を越すセールスを記録します。
シングルCDとしてのリリースはなかったものの、
このアルバムに収録されている、
「ロングビュー(Longview)」や、
「バスケット・ケース(Basket Case)」は、
オルタナティブロックチャートで1位となり、
日本を含め、世界的にもラジオで高い人気を誇るナンバーとして
知られるようになります。
いわゆるスリーコードのパンクスタイルながら、
非常にポップなわかりやすいメロディーと、下世話な感じの詞で、
当初は、ポップなリスナーたちからは歓迎される一方、
70年代にパンクの洗礼を受けたパンクリスナーには、
軽すぎると批判も浴びていました。
その後も1995年の「インソムニアック(Insomniac)」、
1997年の「ニムロッド(Nimrod)」
2000年の「ウォーニング(Warning)」とヒットアルバムを連発し、
「グッド・リダンス(Good Riddance (Time Of Your Life)」、
「マイノリティ(Minority)」といった、
ヒットナンバーも数多く発表されていく中、
徐々にそのスタイルが、ポップなパンクから、
より歌詞に重点を置いた、ロックンロールスタイルに
変化していきます。
ライブアルバムやベストアルバムのリリースをはさんで、
本来2003年にリリースする予定だった、
「シガレット・アンド・バレンタイン(Cigarette And Valentine)」
という作品が、リリース目前に何者かにマスターテープごと盗まれ、
完全に最初から作り直しというはめになってしまいます。
その作品をベースに、2004年にリリースされたのが、
7枚目のオリジナルアルバムになる「アメリカン・イディオット」。
このアルバムは、いくつかの楽曲に短い楽曲をたくさん繋いで、
オペラという形式をとったコンセプトアルバムで、
田舎町を出て夢を見る若者「ジーザス・オブ・サバービア」と、
彼のもう一人の人格である「セイント・ジミー」の葛藤を描きながら、
「反戦」をテーマに、イラン戦争を引き起こした、
当時のブッシュ・アメリカ大統領と、
アメリカ国民への怒りと失望を歌にしたアルバムです。
一つの悲劇をきっかけに、人が自己破滅していくのか、
倫理に従って前を向いて反戦を貫くのかという重いテーマで、
当然保守派からは煙たがられたものの、
それを上回るアメリカ人たちの支持を受け、
アルバムが、彼らにとって初めての全米No.1ヒットとなります。
タイトル曲でファーストシングルの「アメリカン・イディオット」の
ヒット{最高位61位}に続き、
2005年早々にリリースされたセカンドシングル、
「ブールヴァード・オブ・ブロークン・ドリームス(Boulevard Of Broken Dreams)」が、
ラジオでロングヒットとなり、
Billboard Hot100で、最高位2位という彼らにとっての最大のヒットとなり、
この曲で2006年のグラミー賞最優秀レコードを受賞します。
いわゆるパンクバンドのこの部門の受賞は史上初めてでした。
このあと、3枚目の「ホリデイ(Holiday)」(最高位19位)のヒットを挟んで、
4枚目のシングルとしてリリースされたのが、今回の曲です。
人の心に潜む悲しみと純粋さが変わっていくのを恐れて、
9月という自分にとって悪夢の月が過ぎるまで、
自分の心を目覚めさせないでほしい。
そうしないと、悪魔に心を奪われてしまうという、
そんなメッセージがこの曲に込められていると思います。
悪魔とは、「戦争」に置き換えられるわけですよね。
わけもなく、ただ前向きにだけ進むことを求める歌と異なり、
かといって、ネガティブ志向の歌とも異なる、
人の心を正しい方向に導くのに、
まず自分を冷静な立場で見ていくべきだという、
そんなメッセージが込められていると思います。
このアルバムの曲と、続く2009年リリースの8枚目のアルバム、
「21世紀のブレイク・ダウン(21st Century Breakdown)」からの
「21ガンズ(21 Guns)」などのナンバーが、
同じ年にニューヨークのブロードウェイで、
「アメリカン・イディオット」と同じタイトルのミュージカルとして上演され、
そのステージキャストが、グリーン・デイと共演したのが、
2010年のグラミー賞でのステージでした。
2011年はライブアルバム「最強ライブ(Awesome Of Fuck)」をリリースし、
DVDには、さいたまスーパーアリーナでのライブ映像が収録されたり、
盗難後に見つかった「シガレッツ・アンド・ヴァレンタインズ」の音源も、
収録されています。
オリジナルアルバムのリリースペースは徐々に長くなっていますが、
また近いうちに新しい作品が届けられることでしょう。
ということで、9月はあまりブログアップできませんでしたが、
10月には、色々とまたやりたいことも考えています。
10月上旬には、2周年として何かやろうかとも考えております。
アメリカン・イディオット/グリーン・デイ
¥2,520
Amazon.co.jp
なうにも書いたのですが、
ちょっと今週前半昨日まで多忙でして、
(そのわりに、ピグライフのお庭で遊んでんじゃんってのはナイショね^^;)
実は、昨日29日にアップを予定していた、「'84 US No.1」の曲の記事が、
まだあまり手をつけられてないんです。
まあ、これまで2回サントラから曲を紹介している殿下の曲だし、
そんなにあれこれと書くことはないのだけど、
ただ、タイミングがちょうど9月の最終日となってしまい、
もともとこの日のために用意してあった曲とどっちを先にしようかと悩んだ挙句、
殿下にはもう1回待っていただくということで、
お待ちいただいてた方には申し訳ありませんが、
早めにアップの予定なので、もう1回お待ちください。
それと、これもなうに書いたのですが、
その昨日、とあるバンドを約23年ぶりに見てきましたので、
そのライブレポートも近々にアップしたいと思います。
2周年も近いし、結構詰まってます(苦笑)
さて、先日9月11日のブログで、
2001年の911から10年が経ったのと、
東日本大震災から半年が経ったということを書いて、
CSN&Yの「ティーチ・ユア・チルドレン」を紹介しました。
今回の曲は、9月に起こったショックな出来事を通して、
人の心の変化や、トラウマに対しての戦い、
そして大きくは戦争そのものへの反抗をテーマにした、
ロックアンセムです。
グリーン・デイ「ウェイク・ミー・アップ・ホエン・セプテンバー・エンズ」
1987年にカリフォルニア州バークレーで結成された、
3人組のパンクバンド。
90年代初めにデビュー以来、ポップで勢いのあるパンクから、
メッセージ性の高いナンバー、さらにオペラやミュージカル形式での作品と、
多彩な曲とオーディエンスを引き付けるライブで、
現在まで高い人気を誇っています。
ブログでは、昨年2月に、グラミー賞のステージに登場して、
「21ガンズ(21 Guns)」を披露した時のことを書いたことはありますが、
曲として紹介するのは今回が初めてです。
2004年に発売された、7枚目のアルバム、
「アメリカン・イディオット(American Idiot)」からの4枚目のシングルで、
自らの幼少期の体験をベースにしながら、
2001年9月11日の悲劇と結びつけ、
つらい出来事を期に変わっていく人の心を描いた、
バラードナンバーです。
①この曲の持つメッセージをイメージにした、
ショートストーリーでつづられた名作PV。
前後のセリフも含めたその内容は後述します。
②アコースティックギターをメインにしたライブステージから。
☆Green Day "Wake Me Up When September Ends"
from the album "American Idiot"
2005年Billboard Hot100 最高位6位
Summer has come and passed
The innocent can never last
Wake me up
When September ends
>> 夏がやってきては過ぎ去っていくけれど
>> 純粋な気持ちは続くものではないんだ
>> だから起こさないでほしい
>> 9月が終わるまでは
Like my father's come to pass
Seven years has gone so fast
Wake me up
When September ends
>> 親父が死んだときみたいに
>> 7年というのはあっという間に過ぎていった
>> だから起こさないでくれ
>> 9月が終わるまでは
Here comes the rain again
Falling from the stars
Drenched in my pain again
Becoming who we are
>> また雨が降ってきた
>> あの星空から降ってくるんだ
>> オレの傷口にどんどん染み込んで
>> 自分が誰だかわからなくなるくらいに
As my memory rests
But never forgets what I lost
Wake me up
When September ends
>> 記憶を消そうとしたって
>> オレが失ったものを忘れるなんてできない
>> だから起こさないでくれ
>> 9月が終わるまでは
Summer has come and passed
The innocent can never last
Wake me up
When September ends
>> 夏がやってきては過ぎ去っていくけれど
>> 純粋な気持ちは続くものではないんだ
>> だから起こさないでほしい
>> 9月が終わるまでは
Ring out the bells again
Like we did when spring began
Wake me up
When September ends
>> またあの鐘を鳴らそう
>> 春に鳴らしたようなあの鐘を
>> だから起こさないでくれ
>> 9月が終わるまでは
Here comes the rain again
Falling from the stars
Drenched in my pain again
Becoming who we are
>> また雨が降ってきた
>> あの星空から降ってくるんだ
>> オレの傷口にどんどん染み込んで
>> 自分が誰だかわからなくなるくらいに
As my memory rest
But never forgets what I lost
Wake me up
When September ends
>> 記憶を消そうとしたって
>> オレが失ったものを忘れるなんてできない
>> だから起こさないでくれ
>> 9月が終わるまでは
Summer has come and passed
The innocent can never last
Wake me up
When September ends
>> 夏がやってきては過ぎ去っていくけれど
>> 純粋な気持ちは続くものではないんだ
>> だから起こさないでほしい
>> 9月が終わるまでは
Like my father's come to pass
Twenty years has gone so fast
Wake me up
When September ends
Wake me up
When September ends
Wake me up
When September ends....
>> 親父が死んだときみたいに
>> この20年なんてあっという間のことだった
>> だから起こさないでくれ
>> 9月が終わるまでは
>> だから起こさないでくれ
>> 9月が終わるまでは
>> 起こさないでほしい
>> 9月が終わるまでは・・・
この①のPVでのショートストーリーなのですが、
見ていただければ、おおよその内容というのは検討がつくかと思いますが、
曲の始まる前、
田舎町に暮らす二人の平凡なカップル。
たがいに魅かれあい、いつまでも一緒にいると誓い合うふたり。
男の子の方は貧しくて、いつも女の子の方からおごってもらいながら、
楽しく過ごしていくことにあせりを感じ、
なんとか、お金を稼いで彼女を安心させたいという思いが、
彼を志願兵に駆り立てます。
なぜなら、田舎では就職口が少ないのと、
志願兵は手っ取り早く稼ぐのにちょうどよい手段である上、
国のために戦うという口実もできて、
周囲からも認められるからというのが理由でした。
しかし、永遠を誓ったはずの彼が志願兵で行ってしまうことに
我慢ならない彼女が泣き叫んで反対するものの、
どうしようもないのだと振り切って、
兵士になって戦場に出ていく彼。
実際、最後に二人がどうなったかはわからないものの、
彼女がいつまでも彼を信じて待ち続けている姿が描かれています。
この戦争というのが、まさに2001年9月11日の同時多発テロを受け、
多くの志願兵が、イラン戦争に駆り出されていったことを示しており、
9月に起きた大きな悲しみが、
やがて人々の心に、純粋でいられない戸惑いを芽生えさせ、
戦争へと駆り立てていってしまったという、
そんなイメージが描かれているのです。
ただし、この曲に関して言うと、
もともとボーカルでソングライターである、
ビリー・ジョー・アームストロングの父親が、
まだ彼が10歳だった、1982年の9月10日に、
がんのために亡くなったことと、
その頃に感じた気持ちを歌にしたというのが、
この曲が書かれたきっかけだということなのです。
実際に、10歳のビリー少年にとって、
ジャズミュージシャンでトラックドライバーだったという、
彼の父親がどんな存在であったかはわからないのですが、
子供心に深く傷つき、
それが今の彼の心の一部に今も刻まれているのだと思います。
グリーン・デイは、1987年にバークレーで友人同士であった、
ボーカル、ギターのビリー・ジョー・アームストロング、
ベースのマイク・ダーント、
ドラムスのジョン・キフメイヤーの3人で結成され、
当時はSweet Childrenと名乗っていました。
1989年に現在のグリーン・デイに改名し、
1990年にマイナーレーベルからアルバムデビューします。
しかし、音楽の方向性の違いから、ドラムスのジョンが脱退し、
変わって現在のドラマーである、トレ・クールが加入。
1992年にリプリーズレコードに移籍し、
初のメジャー作品となる3枚目のアルバム、
「ドゥーキー(Dookie)」を発表します。
このアルバムが、カレッジを中心に若者に大変な話題を呼び、
翌年にかけて全米だけで1000万枚を越すセールスを記録します。
シングルCDとしてのリリースはなかったものの、
このアルバムに収録されている、
「ロングビュー(Longview)」や、
「バスケット・ケース(Basket Case)」は、
オルタナティブロックチャートで1位となり、
日本を含め、世界的にもラジオで高い人気を誇るナンバーとして
知られるようになります。
いわゆるスリーコードのパンクスタイルながら、
非常にポップなわかりやすいメロディーと、下世話な感じの詞で、
当初は、ポップなリスナーたちからは歓迎される一方、
70年代にパンクの洗礼を受けたパンクリスナーには、
軽すぎると批判も浴びていました。
その後も1995年の「インソムニアック(Insomniac)」、
1997年の「ニムロッド(Nimrod)」
2000年の「ウォーニング(Warning)」とヒットアルバムを連発し、
「グッド・リダンス(Good Riddance (Time Of Your Life)」、
「マイノリティ(Minority)」といった、
ヒットナンバーも数多く発表されていく中、
徐々にそのスタイルが、ポップなパンクから、
より歌詞に重点を置いた、ロックンロールスタイルに
変化していきます。
ライブアルバムやベストアルバムのリリースをはさんで、
本来2003年にリリースする予定だった、
「シガレット・アンド・バレンタイン(Cigarette And Valentine)」
という作品が、リリース目前に何者かにマスターテープごと盗まれ、
完全に最初から作り直しというはめになってしまいます。
その作品をベースに、2004年にリリースされたのが、
7枚目のオリジナルアルバムになる「アメリカン・イディオット」。
このアルバムは、いくつかの楽曲に短い楽曲をたくさん繋いで、
オペラという形式をとったコンセプトアルバムで、
田舎町を出て夢を見る若者「ジーザス・オブ・サバービア」と、
彼のもう一人の人格である「セイント・ジミー」の葛藤を描きながら、
「反戦」をテーマに、イラン戦争を引き起こした、
当時のブッシュ・アメリカ大統領と、
アメリカ国民への怒りと失望を歌にしたアルバムです。
一つの悲劇をきっかけに、人が自己破滅していくのか、
倫理に従って前を向いて反戦を貫くのかという重いテーマで、
当然保守派からは煙たがられたものの、
それを上回るアメリカ人たちの支持を受け、
アルバムが、彼らにとって初めての全米No.1ヒットとなります。
タイトル曲でファーストシングルの「アメリカン・イディオット」の
ヒット{最高位61位}に続き、
2005年早々にリリースされたセカンドシングル、
「ブールヴァード・オブ・ブロークン・ドリームス(Boulevard Of Broken Dreams)」が、
ラジオでロングヒットとなり、
Billboard Hot100で、最高位2位という彼らにとっての最大のヒットとなり、
この曲で2006年のグラミー賞最優秀レコードを受賞します。
いわゆるパンクバンドのこの部門の受賞は史上初めてでした。
このあと、3枚目の「ホリデイ(Holiday)」(最高位19位)のヒットを挟んで、
4枚目のシングルとしてリリースされたのが、今回の曲です。
人の心に潜む悲しみと純粋さが変わっていくのを恐れて、
9月という自分にとって悪夢の月が過ぎるまで、
自分の心を目覚めさせないでほしい。
そうしないと、悪魔に心を奪われてしまうという、
そんなメッセージがこの曲に込められていると思います。
悪魔とは、「戦争」に置き換えられるわけですよね。
わけもなく、ただ前向きにだけ進むことを求める歌と異なり、
かといって、ネガティブ志向の歌とも異なる、
人の心を正しい方向に導くのに、
まず自分を冷静な立場で見ていくべきだという、
そんなメッセージが込められていると思います。
このアルバムの曲と、続く2009年リリースの8枚目のアルバム、
「21世紀のブレイク・ダウン(21st Century Breakdown)」からの
「21ガンズ(21 Guns)」などのナンバーが、
同じ年にニューヨークのブロードウェイで、
「アメリカン・イディオット」と同じタイトルのミュージカルとして上演され、
そのステージキャストが、グリーン・デイと共演したのが、
2010年のグラミー賞でのステージでした。
2011年はライブアルバム「最強ライブ(Awesome Of Fuck)」をリリースし、
DVDには、さいたまスーパーアリーナでのライブ映像が収録されたり、
盗難後に見つかった「シガレッツ・アンド・ヴァレンタインズ」の音源も、
収録されています。
オリジナルアルバムのリリースペースは徐々に長くなっていますが、
また近いうちに新しい作品が届けられることでしょう。
ということで、9月はあまりブログアップできませんでしたが、
10月には、色々とまたやりたいことも考えています。
10月上旬には、2周年として何かやろうかとも考えております。
アメリカン・イディオット/グリーン・デイ
¥2,520
Amazon.co.jp