夏に聴きたい曲の中に、ボサノヴァなんて話を、前回しましたが、

そのきっかけというのが、先日、街のショッピングセンターや地下街、
CDショップなどで、続けて小野リサの曲が流れていて、

体がクールダウンしていく感じが心地よくて、
ついついベスト盤のCDを購入したからなんです。

で、このアルバムを聴いていて、2枚組のラストに入っていた、
彼女の曲の中でもオンエア率の高かったのが、
ジャズのスタンダードナンバーである、


「ムーンライト・セレナーデ(Moonlight Serenade)」


この曲は、自分の中学くらいの時代から、ずっと聴いてきた、
大切な一曲でもあるんです。


この曲のオリジナル作曲者である、
トロンボーン奏者で、バンドマスターの、
グレン・ミラー(Glenn Miller)のバージョンは、

ジャズ好き、特にスイング、ビッグバンドジャズの好きだった父と、
よく見た映画「グレン・ミラー物語」の中で、テーマ曲的に流れていた曲でした。

自ら立ち上げたオーケストラのバンドリーダーとして、多くの人に愛されながら、
第二次世界大戦の戦火に散った彼の生涯を描いた映画。


もちろん、ここでは音声のみで。



後に彼の名前をついで、ニューグレンミラーバンドとしての演奏ももちろんあるのですが、
やはり、このトロンボーンの響きにはどうしても追いつけない印象なんです。


グレン・ミラーによって作曲され、その後あちこちのバンドで演奏される中、
ミッチェル・パリッシュの詞が新たにつき、歌入りの曲としても、
いろいろなアーティストに歌われました。


比較的当時に近い時代ものとしては、ネルソン・リドルオーケストラのアレンジで、
フランク・シナトラが歌ったバージョン。




歌が入る場合は、このアレンジのように、歌をたたせるために、
少し抑えた品のいいアレンジの方が、歌いやすくもあるんでしょうね。


歌ものとしては、その後も、リヴィエラスやボビー・ビントンのバージョンは、
Billboard Hot100入りしていますし、
バリー・マニロウや、カーリー・サイモンがレコーディングしたものもありますが、


このビッグバンドなアレンジをいかしつつも、オリジナルのブラス、ホーンが、
巧みにアレンジされた、いわゆるブラスロックものとして、
1995年にシカゴがレコーディングし、ライブでも演奏されたのが、
こちらのバージョン。



歌は、キーボードのビル・チャンプリンと、ベーシストのジェイソン・シェフが、
歌詞の順番をかなり変えたり、ユニゾンで歌ったりしてますが、
このアレンジに関しては、やはり歌は二の次なのかな。
天海祐希主演のドラマ「シングルス」の主題歌にもなっていました。


そして、ボサノヴァアレンジされた、小野リサのバージョン。
こちらは、バックの音とのバランスが絶妙だなという気がします。




I stand at your gate
And the song that I sing is of moonlight
I stand and I wait
For the touch of your hand in the June night
The roses are sighing a Moonlight Serenade

>> あなたの家の門の前に立ち
>> 歌うのは月影の歌
>> 私はずっと待っている
>> 6月の夜、あなたの手に触れるために
>> 薔薇たちもため息をついている、この月影のセレナーデに

The stars are aglow
And tonight how their light sets me dreaming.
My love, do you know
That your eyes are like stars brightly beaming?
I bring you and sing you a Moonlight Serenade

>> 星々が瞬き
>> 今夜、この光はどんな夢を見させてくれるのだろう
>> 私の愛に、気づいているでしょう
>> あなたの瞳はまるで連なる星の輝きのよう
>> あなたを連れ出し、歌うのは月影のセレナーデ

Let us stray till break of day
In love's valley of dreams
Just you and I, a summer sky
A heavenly breeze kissing the trees.

>> 夜が明けるまであちこち彷徨おう
>> 夢の中の愛の谷間で
>> ただあなたと私だけ、夏空の下
>> 空の風に吹かれ、木々に口付けしよう

So don't let me wait
Come to me tenderly in the June night
I stand at your gate
And I sing you a song in the moonlight
A love song, my darling, a Moonlight Serenade

>> だから私を待たせないでほしい
>> 6月の夜、そっと私の元に来てほしい
>> 私はあなたの家の門の前に立ち
>> そして私はあなたのために月影の歌を歌う
>> 愛の歌を、愛しい人よ、月影のセレナーデ


この詞は、そのミッチェル・パリッシュによるオリジナルの歌詞で、
シナトラと小野リサは、この詞のまま歌ってます。
シカゴのバージョンはかなり歌詞の順が変わったりしています。


この詞に歌われた二人が夢見た6月の夜と、夏空の下。

決して夏を強調して作られた曲ではないのですが、
どの季節に聴くのがいいかと聞かれると、
やはりこの夏の夜に聴くのがいいんじゃないかって気持ちです。



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