夫が留守の間、古くからの友人を家に招いた。


今までのことを、洗いざらい話した。

自分に言い聞かせるために。
覚悟を決めるために。
背中を押してもらうために。


「やっぱりおかしいよね」
「そうだよね」


私は何度も聞き返してしまった。

自分の感じている違和感が、

本当に間違っていないのか。
確かめたかったんだと思う。


最後は、こんな結論になった。


「これは、夫にとっても生まれ変わるチャンスになるんじゃない?
むしろウィン・ウィンでしょ」


私達は、明るくそう話した。


その晩、私は引越し屋の手配をした。
父にも、家を出る決意をしたことを連絡した。 

覚悟が決まった日だった。


友人と話している間、息子はずっと無邪気に遊んでいた。


私に甘えたり、友人にじゃれついたりしながら。

何も知らない顔で。


そして次の日。


息子は、信じられないくらい夫に甘えていた。

この年頃の子には珍しくないくらい、
典型的な「パパはいや、ママがいい」タイプなのに。

その日は違った。

ずっと夫のそばにいて、甘えていた。


「今日はすごいな。半年分くらい甘えてくれてる」

夫は嬉しそうに言っていた。


息子は、分かったのかな。

もうすぐ、パパと離れるってことが。