ヒッチハイク記2 静岡県 | 心理コンサルタント&セラピスト 国本裕美

心理コンサルタント&セラピスト 国本裕美

「”物理学的”心理学」を習得し、数々の悩みを素早く解決し、多くの人生を劇的に良い方向へと導いてきた心理のプロフェッショナル。

2月1日 ヒッチハイク2日目


ハンガーの会社の社長さんに、東京駅に連れてってもらい、そこから電車で静岡県熱海駅へ。


午後14時に到着。


熱海といえば温泉!どっかで温泉に入ろうと思った。


熱海駅に隣接している観光案内所へ。

話を聞いても特に行きたいと思う場所はなかったから、どっかの安い大衆浴場でお風呂に入ってすぐに伊豆に移動しようと思った。


駅前にある足湯につかって、これからどうしようか考えていた。

1万円という制限があるので、足湯につかったあと、タオルで足をふきたかったけど我慢してティッシュでふいた。


温泉も旅館のは1000円位するので300円位の温泉に入れる大衆浴場に決め、足湯のおばちゃんに道を聞いて熱海駅を出発した。


道の途中で、「日帰り入浴400円」と書かれた古めの旅館を発見!!


「安っっ!!」


目的の大衆浴場は300円やけど、距離がまだあったので、急遽その400円温泉に入ることにした。

入ってみると、木造づくりの古い校舎みたいな場所で、おばけが出てもおかしくないくらい時代を感じさせるところでした。


「まだこんな建物もあるんやぁー!!!」


と思いながら大浴場に移動するとこれまたビックリ!


天井が少々落ちている!!


一応お湯は入ってはいるけど、体を洗うシャワーは2台。

ぼろくてちゃんとお湯が出るんかなぁ?っていう見た目。


こんな銭湯初めてやぞ!!!


そこに一人のおばあさんが入浴していたので話しかけてみた。


「この銭湯っていつできたんですかねぇ??」


「さぁー・・・私が生まれる前だからねぇ・・・」


「おばあさん、何歳ですか?」


「70歳よ。」


「・・・・」


戦争を経験している銭湯でした。笑


お湯だけつかって、そのあとそこの近くにある熱海サンビーチを見学。

昨日の社長に買ってもらった弁当を食べ、伊豆に行くことに。


近くのコンビニでお手洗いを借りて、駐車場に止まっていた車に

「伊豆に行きたいんですけど、どっちですか?」


「伊豆ですか?伊豆のどこですか?」


「よくわからないんですよー。トイレの神様で有名な明徳寺って所に行きたいんです」


「乗ってきますか?」


「えー!?!?ありがとうございます!!」


乗せてくれた方は26歳の建設会社の現場監督をしている、横須賀在住のお兄さん。

今日はたまたま現場が早く終わって、帰ろうとしていたらしい。

時間があったので、わざわざ私のために明徳寺まで送ってくれた。


熱海からはたぶん1、2時間位かかったと思う。


横須賀と全く逆方向なのに、山道を越えて連れてってくださいました。


結婚していて、娘さんが1人いらっしゃるとのこと。

さわやかで照れ屋の素敵なお兄さんでした。


明徳寺には、ヒッチハイクで日本1周した女の子が書いた『ヒッチハイク女子』という本で、

行ってみたほうが良い寺ベスト10に上がっていたので行ってみることにしたけど・・・・


着いたら人はがらがらで誰もいない・・・・


めっちゃ小さいお寺でおそらく5分もあれば全部見れるお寺。


乗せてくれたお兄さんも帰ってしまった。


想像していた京都の八坂神社みたいな大きなお寺とは全くかけ離れていて、期待を裏切られてチーン・・・


とりあえず写真撮影して、移動することにした。

(写真はフェイスブックにアップしてます。)


今日実は泊まるところがない。

早く探さないと!


東京で仲良い友達が居て、その子の実家が静岡県三島にあると聞いていた。

だからそれをあてにしてとりあえず三島に行くことにした。


「三島」と書いて道路に立っていると、すぐにトラックが止まった。

行き先は三島とは方向が違うにも関わらず、私のために急遽三島に行ってくれることに。


車検をとってあげる会社らしく、1台の車を運んでいる途中であった。

社長さんが運転し、私が真ん中に座り、もう一人社員のおじさんが座った。


2人とも見た目5、60歳位でした。

二人とも気さくな方で息子さんや娘さんの話をしてくれました。

息子さんたちは私と似た歳とのこと。


三島の駅で降ろしてもらう時に、社員のおじさん(浅野さん)が

「泊る所見つからなかったら連絡してきな」

って連絡先を教えてくれました。


観光案内所で三島の観光所を聞いて、明日時間があれば何箇所か行ってみようと思った。


そのあと問題の宿探しへ。

駅前と近くのコンビニで人に声をかけてみた。


「すみません。私ヒッチハイクで旅してるんですけど、今日泊る所がなくて、泊めてくれませんか?」


10人くらいに声をかけたけど、「子供が風邪で」とか「ちょっと厳しいです」と断られ続け、

三島が実家の友達にすがる思いで電話してみた。


「今日泊る所がなくて・・・実家に泊れないかお願いしてもらえない?」


「えー・・・・!?!?一度も会ったことないのに??しかも今日??」

って言いながらも連絡を取ってくれたけど、あっさり断られ、ピンチに!!!


ホテル・旅館には泊らないルールなので、最悪警察に保護されるか、近くのお寺に泊れないか聞いてみようと思っていた。


「実家はだめだったから高校時代の友達10人に聞いてみたけど繋がらなくて、返事待ちなんだけど・・・」


この会話の時点で19時を回っていたので、高校時代の友達の返事を待つか、トラックのおじさんに連絡してみるか、早く決断すべきだと思った。


「わかった。おじさんに電話してみる」


トラックの浅野おじさんに電話してみると・・・


「ほーらやっぱり電話かかってくると思ったー最初から素直に言えば良かったのに。笑」


おじさんの家は富士駅にあったので、三島駅から電車で移動して富士駅まで向かった。

私がちゃんと宿を探せたのか、気がかりやったらしい。携帯電話を頻繁に確認して、私から連絡がないか気にかけてくれていた。


富士駅で、車で待ってくれていました。

家には泊められないので、おじさんが働いている工場まで車で向かって、そこの待合室の畳の部屋で寝かせてもらいました。


生活費に困っているにも関わらず、銭湯に連れてって下さり、次の日の朝も紅茶と唐揚げをコンビニで買って下さいました。


おじさんは実は元やくざで30年その道にいたらしいです。

体にめっちゃ墨が入ってました笑


やくざでの話をたくさん語ってくれました。


自分は仕事をいろんなところからとってきて、月に1000万円の売り上げを出していたのに、10万円しかくれず、残りは上の人が持って行ってしまうこと


めちゃくちゃ好きだった自分の彼女を兄貴分に取られてしまったこと


ぜんそくもちで発作が起きて2回死にかけたこと


などなど夜中の3時まで2人で熱く語っていました。


今もどれだけお金に困っているのかという話を聞いた分、朝ご飯を買ってくれた時は、涙が出ました。


元やくざだけど、自分よりも困っている人がいたら助けてしまう底なしに優しいおじさんでした。

自分が同じ立場だったらできるだろうかと考えさせられました。