☆本日のポイント
 薬で口が渇いてるかもしれない

唾液の分泌は加齢によっても減少してきますが、70歳未満の場合、加齢以外の原因が関与していることが多いです。

口腔内が乾燥していると、咀嚼しにくくなったり、口腔内が不潔になります。

咀嚼をすることで、消化管に食べ物が送り込まれる指令となったり、食べ物と唾液が混ざり合うことで消化吸収しやすくなったりしますので、口腔内が乾燥していることは、よくありません。

食事の時に、唾液がたっぷり出て、歯で噛み砕くことが、糖尿病を持つ人も持たない人も、どなたにも大切なことです。

この唾液の分泌を抑えてしまう薬があります。

唾液分泌低下は抗コリン作用を持ち合わせている薬にみられます。この作用を持っている薬は多数あり、日常的に処方されいる薬も多いです。。

強い抗コリン作用を持つ薬剤としては
・抗コリン薬 トリヘキシフェンジル(アーテン)
・排尿障害治療薬 フラボキサート(ブラダロン)
・三環系抗うつ薬 アミトリプチリン、クロミプラミン、イミプラミン、ノルトリプチリン、トリミプラミン
・定型抗精神病薬 クロルプロマジン(ウインタミン)、レボメプロマジン(ヒルナミン)
・非定型抗精神病薬 クロザピン(クロザリル)
・筋弛緩薬 チザニジン(テルネリン)

弱い抗コリン作用をもつ薬剤は非常に多数あり、カテゴリー的には抗ヒスタミン薬や抗うつ薬、ベンゾジアゼピン系薬剤、抗不整脈薬、オピオイド(麻薬)など多数あります。

口腔内乾燥に寄与している可能性があるなら、他剤への変更、減量、中止を検討しましょう。
 

唾液分泌が減ると、むせやすくなり、口腔機能・嚥下機能が低下します。また、味も感じにくくなり、食を楽しむことが難しくなります。

糖尿病であっても、なくても、食事は美味しく楽しいものであることが望ましいので、口腔内の環境を整えていくことも、糖尿病治療においては重要なことです。


参考文献
https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1j37.pdf

 


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