季節は巡る。
歩いていたら出会った。
この紫が好き。
緑との組み合わせがたまらなく好き。
好きに出会うと自分の中が満たされる。
自分の内に、自分がくつろぐ。
この辺りは、昔の勤め先近く。
あの頃は通勤のときに見る紫陽花の植え込みに慰められ、並木道の緑に励まされ、街の空気にその日の仕事をやり抜く力をもらってて。
本当に激務で、神経も体力もギリギリまで追い込まれてて。
自分で自分を追い込む方法しかしらなかった。
辛かったこと、頑張りすぎて苦しかったこと。
そんなことが思い出される。
でも、もう苦しくなくて、過去形。
今はただ懐かしくて、切ないような、懐かしいようなそんな思い出。
無理しなくても、無理しても、同じように時間は過ぎて、生傷が古傷になって。
完治することもあるし、しないこともあって。
何があっても開け渡さず、自分と向き合って、向き合えないときは、その傷をも抱きしめて。
それもハートの豊かさだな、と思う。