かなり昔のことになりますが、
交通事故の後遺症で二十数年続く首の痛みをはじめとした
全身に症状が出ている方がお見えになりました。
身体を見せていただいた感じも
画像診断およびドクターと相談の結果でも
首の関節の間にあるクッション、
いわゆる軟骨というものが減っているのが
痛みや全身症状の原因では、と言うことになりました。
そこで、軟骨を再生することに集中したヒーリングをしましたところ
痛みも、数日して他の症状も無くなられた、とのことで一安心。
ところが、後日、結果を確認するための画像を見ましたら
肝心の軟骨にはあまり変化はなく
その代わりに首周りの筋肉が、
ドクター曰く、
『まるでF1ドライバーの首のように』
突如、発達してしまっているとのこと。
痛みが消えたのは、その強い筋肉で
首周りの骨を支えられるようになったからでしょう、と。
私も仕事柄、こういう画像は何枚も見てきましたが
普通の方の4倍はあろうかと言う筋肉の厚さです。
この方は、60代後半の女性。
ほんの数か月前の画像では、ごく一般的な筋肉量でしたから
特に生まれつきそうであったわけでは、ありません。
痛みのために数か月ごとにされていた前の画像診断と今回の間に
なにか特殊な訓練をしたとか
首周りの筋肉を特殊に発達させる薬を飲んだ
(そんなお薬は知りませんが 笑)
と言うことも、ありませんでした。
なんとも不思議な現象に、三人で首をかしげたのですが
本来の目標とする結果ではなかったのに
ご本人はとても良い方で
「痛みが消えたのだから、うれしいわ」
と、穏やかに納得してくださいました。
けれども、こちらは一応お金を頂いている身です。
プロとして、なんともモヤモヤしたものが残ります。
今まで軟骨のヒーリングでこんな現象は起きたことがありません。
自分の意図したものとまるで違った結果に、申し訳ないやら、情けない
やら。 かと言って、原因もわかりません。
もちろん自分などが、いつも完ぺきな仕事をできるなどとは
微塵も思ってはいないのですが(その逆はありますが)
それでもどうしてこうなってしまったのだろうと
忸怩たる思いが少々ありました。
しかし、これも自分の未熟さだと反省し、
まだまだ努力が足りないな~などと思った出来事でした。
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さて、それから、5~6年経ったころでしょうか?
それ以来、時々通ってくださって(なんて、優しい方でしょう!!)いた
その方が、転んで大怪我をしたとのこと。 緊急で連絡が入りました。
聞くと、その時にあちこちの骨折はじめ身体の怪我だけではなく、
倒れて頭をかなり強くコンクリートに打ちつけてしまった。
けれども、なにも脳に異常がなかったと
とても良かったと、病院中で褒められたとのこと。
もちろん、怪我はケガとして年齢的なものもあり大変だったのですが
それよりも、そのときの頭を打った状況では
全身麻痺、あるいは脳そのものに異常が出る確率がとても高く
もっとずっと深刻な状態になっていても、少しもおかしくなかった。
でもなにごともなく、貴女はとてもラッキーでしたよ、と。
結局、「あなたのこの立派な首周りの筋肉が、命を助けましたね」
と、言われたそうです。
ただ当日は、そう言った詳しい状況の説明もなく
痛い怪我をした部分より、関係のなさそうな脳波ばかりを
優先的に検査されるので
ご本人は不満だったようです(笑)
怪我をされた直後は、わたしくもとにかく治療に夢中でしたし
ご本人もショックでそれどころではなかったのですが
後日
「昔に、首の軟骨ではなく筋肉が大きくなって不思議だったけれど
今となってはそれがかえって良かった」
と、すっかり回復されてから話してくださいました。
これは、単なる偶然なのでしょうか?
もちろん、そうとも言えると思います。
ただ、その方の瞳を見つめながらそのお話を伺っていた時に
『偶然などではない、これは神様の采配ですよね』
そういう空気が、あるいはそういう音、共鳴とでも言うものが
ふっと2人の間に流れ込んできました。
そう感じたのは、単なる思い込みだったのでしょうか?
どちらでも良いのだと思います。
そんなのは、単なる偶然に対するこじつけだよ、と思うことも
きっと、誰か(なにか)が見守ってくれてくれていて
最初からそういうめぐり合わせだったと考えることも
あるいは、この方の日ごろの行いが素晴らしいので、
その因果応報で助かったのだ、とも
わたしの中にもこの三つの気持ち全部が存在しますし
どれかが一つがそうだと決めつけることはできません。
人間には、まだまだ知らないこと、わからないことが
たくさんあるのだと思います。
ただ、そういう未知のものに対する畏敬・感謝の気持ちが
まるで空から降る雨のように
ごく自然に二人のこころに生まれてきた瞬間のことは
ずっと忘れないでいようと思いました。
* これは、ヒーリングの結果をお約束する話ではありません
*病院勤務のため便宜上「患者」「治療」という言葉を使っていますが、ヒーリングの世界ではこういう言葉を使わない傾向があります。


だというわけではなく