体操の内村選手は残念でしたが、柔道では阿部選手のきょうだい金メダルなど日本は快調なスタート、Head&Tail係長も週末は少し気を良くしておりました。

 

まだオリンピックは続くので、今回も説明は若干に簡略にします。ただ、学習は続けることが大事なのでどうかお付き合いくださいね。

 

”アッ、残念、体操日本代表、アイアイ選手、まさかの転倒です!”(痛みを我慢して立ち上がろうとするアイアイ/栃木県出身)

 

ということで、養子と養親の関係は今回で最後。締めくくりは特別養子縁組(とくべつようしえんぐみ)です。この制度は、ずばりその名の通り、これまで学んできた養子縁組とは違い特別な養子縁組制度です。

 

覚えることがいくつかありますが、制度の趣旨(ポリシー)を出発点に考えれば難しくありません。制度の趣旨は、「子どもたちを困窮や虐待(最悪の場合が死)から守ること(=子供の人間としての安全保障)」につきます。

※繰り返しですが、もし試験で解答ぶりに迷った時は、制度の趣旨(ポリシー)に立ち返って考えてみてくださいね。

 

もう少し補足すると、せっかく生まれた子供さんが、健全な成長に適した環境で育つよう、1987年の民法改正で、より子供の保護を重視した特別な養子制度を設けたのです。

この制度、基本目的は子供の保護ですが、生んだ親が未成年や若年者の場合などは、その保護にもつながります(将来に絶望した若いお母さんが、止むにやまれぬ環境から子を捨てたり、精神的に追い詰められて虐待、最悪は殺害したりする悲劇は残念ながら後を絶ちません)。

 

話は少し逸れますが、世の中に子供への虐待ほど酷いことはありません。子供にはまったく罪がなく、また、虐待されても逃げ場がありません。これがどういうことか。読者の皆様も、どうかほんのわずかな時間で結構です、子供達の怯えた目を想像してください。Head&Tailには耐えられません。

 

子供の虐待(児童虐待)には、1)身体的虐待、2)性的虐待、3)ネグレクト(保護や養育の放棄)、そして、4)心理的虐待があるとされます。

 

虐待の原因は、社会・経済環境、親御さんの経済的な困窮やストレスも絡み複雑です。その根絶は、決して簡単ではないですが、特別養子縁組制度が、虐待被害の抑止のための一つの解決策であることは間違いありません。

 

ところで、私が恐いと思うのは、子供の頃に虐待を受けた方が親御さんになった時に、今度は虐待をする側に回るケースがある点、そしてまた、DV(家庭内暴力、すなわち、配偶者からの暴力)を受けたお母さんが、子供をネグレクトする側に回るケースもあるという点です(もちろんそうならない方の方が多いと思いますが)。

 

被害者も生み出さず、決して加害者にもならない、それが一番大切だと思います。DVや児童虐待に関係する相談窓口は政府によるものの他、各自治体にもあります。また、認定NPO法人さんも数多く存在しています。どうか絶対に一人で悩まないでくださいね。また、ご自身の周辺に被害者がおられたら是非、声を掛け、相談に乗ってあげてくださいね。H&T係長からもよろしくお願いします。

 

政府広報のHP(DVと児童虐待相談窓口)

 

さて、特別養子縁組の特徴です。普通の養子縁組との違い、もうお分かりですよね。以下に挙げておきましょう。☞は普通の養子縁組との比較です。

 

●養親の少なくとも一方は25歳以上(その場合、相方は20歳以上でもOK)親御さんには子供を養える経済力が求められます。

☞普通の養子縁組では20歳(成人=18歳ではなく20歳です)以上。

 

●養子は家裁への縁組請求時に15歳未満でなければならない(18未満の子供が15歳に達する前からずっと養親となる人に監護されている場合は、この限りでない/2019年民法改正)もともと小さい子供さんの虐待事例をなくすが目的なので年齢制限があります。

☞普通の養子縁組では年齢制限はない(ただし親より年上はNG)。

 

●実親(実の父母)の同意は必要だが、不要な場合がある(これは、実親が意思を表示できないとか、虐待、悪意の遺棄その他養子となる子の利益を著しく害するなど、特別養子縁組では、実の親そのものに問題がある場合も多いためです)。

☞普通の養子縁組では法定代理人が承諾(代諾養子)するものの、父母がいれば父母の同意も必要。

 

●縁組は、届出でなく家裁への請求にもとづく家裁の審判で成立

☞普通の養子縁組では届出で成立(※ただし、要件を満たしていないと届出が受理されない)。

 

●家裁が実際の監護状況(同居)を6か月モニタリングの上、縁組を決定。子の親として相応しいかいわば家裁による「お試し期間」を設けたのです。

☞普通の養子縁組ではこのような制度はない。

 

●縁組成立で実親との関係は切れる(当然、相続権もなくなる)

☞普通の養子縁組では実親との親族関係も維持(相続関係も二重)。

 

●原則、離縁は原則「ない」

ただし、1)新しい養親が虐待や遺棄をし始め、かつ、2)実父母による監護ができる状態にあるならば、あくまでも子ども利益のために離縁させることができる。この離縁は養子、実親、そして検察官が請求できる。

☞普通の養子縁組では離縁は原則「ある」。

 

特別養子縁組制度については厚生労働省のHPからのリンクがあるので適宜参照くださいね。

 

なお、養子という法律上の親子関係の形成まではいきませんが、子供のために家庭に受け入れる制度(=里親(さとおや)制度)もあります。色々な事情で家族と別れて暮らさざるを得ない子どもを家庭に招き、愛情と正しい理解で育てようという趣旨の制度です。

ご関心の際は以下を参照くださいね。

 

厚生労働省の里親制度等についてのHP

 

“10.0、10.0、10.0、10.0、10.0!日本のアイアイ選手、奇跡の逆転優勝です!”(最後まであきらめなかったアイアイ/栃木県出身)

 

●次回は、「離婚しても親権は渡さないわ」などという時の「親権(しんけん)」を見ておきましょうね。

 

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