カウンセラーヤマナカに、ヒカルの幸せ度を測定して下さいとお願いしてからすでに2週間経過していた。カミヤマさんに確認するものの、俺もわからないとの返事だった。

離院騒動のあと、ヒカルは感情の起伏は激しいものの特別にトラブルを起こすようなことはなかった。相変わらず自分は妊娠したかも知れないだの、両親が夜中に病院の玄関で待ってるから退院しなくてはならないなどと妄想に取り憑かれてはいたが、うまく共存できていた。こちらがゆっくりと事実を教えてあげると「そうなんですか?」と受け入れることも出来るようになっていた。

当初は双極性障害のマナカを第一候補として考えていたのだが、躁状態が極まり、攻撃を伴うようになってきたため候補からは除外させてもらった。

病棟で研究に取り組む以上、危険因子は避けねばならないため、穏やかなヒカルに協力を依頼する事になった。

こちらはいつでもヒカルと研究をスタートできる準備は整っていたが、ヤマナカさんがもしかしたら忘れてしまったのではないだろうかと不安になっていた矢先、「来週の土曜日に面談をして幸せ尺度を測定しようと思います」との返事を頂いた。


遂に9/22我々の研究がスタートする。