ビンラディンが殺された。
一瞬、マジか、やった!って思った。
けれど、なんかひっかかったんだよね。
確かに、ビンラディンは「悪」人だと思う。
けど、じゃあ、
彼を殺したアメリカは、オバマは、軍隊は、「善」人なのか?
対比のために"善"っていう
言葉を使ったけど、
言いたいのは「正義」のコト。
ビンラディンが10年前に起こした、
9.11っていう事件は、許されることじゃない。
何万人もの人が死んだ。
何十万人もの人が大切な人を無くした。
何億人もの人が恐怖を感じた。
多くの人がそれを実行した組織を、そしてそのリーダーであるビンラディンを憎んだ。殺したいと願った。
けれど、実際にビンラディンを殺したら、
今度は彼を崇拝する人達が
彼を殺した人達を憎んだ。
ビンラディンを殺したコトで報復が行われ、
恐らく、死者が出ると思う。
これじゃエンドレスループだ。
どっちが良かったのか、
わからなくなってしまう。
ビンラディンは「悪」人で
殺したかったはずなのに
それのせいで死者がでてしまう…
死んだ人を弔うのは、
とても悲しい。
その失う悲しみが、
怒りを生み出して。
怒りが憎しみへと変わっていく。
人の心は憎しみに耐えられないから。
その人を狂わせて、
憎しみは育ち、おぞましい花を咲かせる。
そして花が散れば、憎しみの種をばらまく。。。
アメリカは、オバマは、軍隊は、何故、
"殺害"という方法しか
思いつかなかったのだろう。
そこには、俺の到底理解できない、
深い理由があったのかも知れない。
殺すしかない状態や事情があったのかも知れない。
けれど、彼にも、
テロを巻き起こすまでの経緯があったはず。
俺達が生きているこの世界の、
ある時、ある場所で蒔かれた種の
被害者かも知れない。
そして彼にだって、大切な人や仲間がいた。
彼のやったことは許されない。
けれどアメリカのとった選択も間違いだったと思うんだ。
オバマさんは演説の中で
「正義は達成された。」と言ったらしい。原文を見てないから
どうゆうニュアンスで言ったかは
わからないけど、それは
「正義」じゃないと思う。
「正義」は、見方一つ、
立場一つで変わる脆いものだと思うから。
ビンラディンだって、
彼自身の「正義の達成」のためにツインタワーを破壊した。
アメリカ国民は、
彼ら自身の「正義の達成」のためにビンラディンを殺した。
そして次は?
ビンラディンの仲間が、
彼ら自身の「正義の達成」のためにアメリカを攻撃すると思う。
「正義」は悪魔にも天使にもなりえる。
だから、俺は思う。
「正義」と「悪」は、イコールで
結ばれると思う。
そしてそいつらは、「憎しみ」という花の種を蒔く。
人間はその苗床にされているんだ、と。
そして、祈る。
一人でも多くの人が、
その憎しみの種から、何か他の花を咲かせて欲しい、と。
そして、書く。
今の俺には、書くコトでしか発信出来ないから。
だから書く。
そして思う。
ずっと祈る。
いつか、いつかいつかいつか、
美しい花が咲き乱れて、
世界中の人が幸せに暮らしてる、
そんな世界を
夢見て。
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