『中国造船業界が不調、10年ぶりに日韓に後れを取る=「中国にとっては深刻な問題だ」「造船は日中韓が世界を席巻してる」―韓国ネット』

Record China 2015年10月24日

2015年10月19日、韓国・ニュース1は、中国造船業界の受注が不調で10年ぶりに日韓に後れを取ったことを伝えた。

英国の造船・海運市況分析機関クラークソン・リサーチによると、中国の造船業界が今年9月までに受注したのは270件だ。
これは昨年、中国の造船業界が受注した930件の3分の1に過ぎない。
さらに船の付加価値を勘案した財貨重量トン数(DWT)に換算すると、
韓国の造船業界は今年9月までに2810万トンを受注しており、
日本は1900万トン、
中国は1680万トン。

中国が日中韓3カ国の中で最下位ということになる。

受注件数では、韓国と日本はそれぞれ212件を結んでいる。日韓は中国に比べて件数は少ないが、DWT基準受注は大きい。それだけ付加価値の高い大型船舶を受注したということになる。中国が最下位となったのは10年ぶりのことになるという。

この報道に、韓国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられている。

「造船業では日中韓が世界を席巻しているということだな」
「物量で勝たねばならない中国が、物量で負けたということは深刻な問題だ」

「10年ぶりの快挙を誇りに思う」
「造船で中国に勝ったとは、すごいことだ」
「韓国も政治だけちゃんとすれば、そう大変でもなさそうだな」

「造船関係の報道は一体どうなっているのだ。つい先日は韓国の造船業界が沈むような内容だったのに」
「トン数ベースで韓国が1位か。世界の貿易量が減少すれば、造船業界が最初に打撃を受ける。今は苦しい時期だが、以前、サムスンの半導体がチキンレースをして競争相手を倒産させたように、困難な時期に耐えて生き残り、競争相手を負かすことができればいい」
http://qq1q.biz/oL8q






赤の太字は他記事へのリンクです。






中国で「日韓に後れを取った」と言う記事が。

韓国では「日中に後れを取った」と言う記事が頻繁に出る。
『韓国造船業、最悪の7-9月期…受注実績まで日本・中国に抜かれる
2015年10月06日11時18分
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版] 』

中で順調なのは日本だけと言う事かな?

財貨重量トン数(DWT)とは載貨重量トン数のことだろう。
「貨物を満載した排水トン数-空船状態の排水トン数」
速い話が貨物積載トン数です。
客船では客室や遊興施設を含めたトン数の事でしょう。

だからこの記事にあるように「付加価値」と言えば言えなくもないが、一般的にビジネス用語として使用される付加価値とは少し趣が違う。
ビジネス用語では他社と差別化できる価値を「付加価値」と言う表現で使用する場合が多い。

受注件数では日韓が同件数だが、DWTは韓国が圧倒的に大きい。
つまり韓国は大型タンカーや貨物船などの技術的には簡単な船ばかり受注しているんだろう。
それを表す表示で「標準貨物船換算トン数(CGT)」がある。
『「船種や仕様が異なれば、たとえ同じ総トン数でも造船所の建造工事量は異なる」
「 船種が異なれば、設計条件や内部構造も異なり、要求される技術のレベルも異なる」
「タンカーやばら積み船と比べ、客船は手間や資材も多く掛る」』

上記中央日報の記事によれば7-9月期のCGTは日本が韓国を上回っている。
つまり日本は付加価値の高い船舶を多く造っているという事になる。
だからこの記事の日韓の受注財貨重量トン数(DWT)はあまり重要ではない。

韓国など世界一の受注を誇ってさえ造船業界は大赤字だ。
無理な受注競争をした結果だろう。
『韓国造船業が“沈没”の危機、「手術しなければ韓国経済のがんに」・・韓国ネット「もう終わり」「リストラだけでは勝てない」
FOCUS-ASIA.COM 2015年5月29日』


さらに技術もないのに技術的困難を伴う海洋プラントを受注し赤字を膨らませる。
『韓国造船業界、「花形」海洋プラントが一転「厄介者」に・・・
海洋プラントは韓国企業に独自の設計能力がない
資材の50%以上を海外からの輸入に依存
2015/07/21 朝鮮日報』


中国は対前年度で3分の1にまで受注件数が減った。
韓国が減らせて中国も減らせている。
その中で不利なはずの先進国日本の健闘が目立つ。
『復活する日本の造船業、約7年ぶりに受注量が世界1位
レコードチャイナ 2015年2月7日』

しかし日本の造船業界は中韓のように、むやみには受注していない。
それでも月別では何度か「世界一」となり韓国を出し抜いている。

先進国日本が健闘する中、中韓が受注を減らせている。
減った分は何処の国が受注したのか?
『フィリピンが韓中日を抑えて船舶受注1位になった理由
2015年05月07日11時09分
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版] 』

これはフィリピンに造船所を持つ「韓進重工業」の受注が大きいと言う事らしい。

しかしASEAN諸国も地味に造船業を育てている。
何度も言うが造船業など発展途上国の独壇場だ。
先進国の日本が世界一になったりすることが異常なのだ。
いわゆる付加価値の高い特殊船舶や海洋プラントなどを受注しているのだろう。
とりたてた技術もない中韓がASEAN諸国に追いつかれるのも時間の問題だろう。

しかし中国は得意の造船業界まで沈没しそうだ。
建設業界も過剰供給で倒産廃業が目に見えている。
今年のGDPは7%の成長らしいが、誰もそんな事は信用しない。
鉄道貨物輸送量は11%もマイナスだと言う。
『中国の統計はウソだらけ?鉄道貨物輸送量とGDP成長率のありえない関係=三橋貴明
2015年9月28日マネーヴォイス』

2015 鉄道輸送量推移 中国
おそらく実態はマイナス成長だろう。

『再び異例のダブル緩和、金利引き下げ、預金準備率引き下げ=中国経済、出口見えず
2015/10/24時事ドットコム』

同時引き下げは極めて異例の政策だそうだが、今年は8月に続き2度目だ。
金利下げと預金準備率引き下げで金融機関の融資余力を高めるそうだが?
8月にやっても効果が無かったという事だろう。
その時点では外国の投資家の金が99兆円も流失していたようだ。
中国は米国債まで売って人民元と株式を買い支えしているようだ(笑)
『中国は、やっぱり米国債を売っていた!
2015年8月31日ZAIONLINE』


中国経済は出口が見えないな。

経済で国民の不満を抱え・・・。
南シナ海では米国の本気にビビり「池乃めだか」を演じている。
『中国、米艦に対抗措置=「追尾・警告」を実施―南シナ海の人工島沖進入
時事通信 2015年10月27日』

日本に対しては制裁しているつもりだが、もう打つ手もない。
江沢民派、胡錦濤派、軍部、国内の習政権への反発は想像以上かも。

矛先を日本に向けるのはやめろよな(笑)