今日の日経電子版に遺伝子改変T細胞療法がとりあげられていた。 

「1本5000万円? がん特効薬、上陸の衝撃」 
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23355060Q7A111C1000000/ 

がん抗原ペプチドを特異的に認識するT細胞受容体を導入するのがTCR-T、がん細胞表面に発現している標的抗原に対するキメラ抗原受容体を遺伝子導入するのがCAR-Tと呼ばれる。 
T細胞を取り出して遺伝的に加工して、がんに対する攻撃力を高めた上で患者の体に戻すという方法で、投与は1回のみ。 
CAR-Tはすでにアメリカで「キムリア」という薬が発売され、急性リンパ性白血病患者の8割で効果を示しているが、治療費に5300万円かかるということだ。 
順当にいけば、今後1~2年で日本でも承認されておかしくないと記述されている。 

日本では、タカラバイオが同じく難治性急性リンパ性白血病患者に対して、今年、治験を実施している。 
ただ、固形がんを対象とした臨床試験では、まだ画期的な成果は報告されていないのが現状のようだ。 
副作用では、想定を越えた標的抗原または類似抗原の正常組織での発現に対する反応による死亡例が報告されており、まだリスクが高い。 

「遺伝的に加工して」の遺伝子導入の部分が奏功を決めるものだと思う。 
固定がんでは罹患者によって様々であることが難しいところなのだろう。 
これは、光免疫療法での「特定のがん細胞に結びつく性質があるたんぱく質(抗体)」でも同じことなのだろうか。