日産のバスと云えば"日産ディーゼル"か、マイクロバスの"シビリアン"を思い浮かべてしまうと思います。しかし高度成長期前夜の日産自動車は大型トラック・バスまで取り扱う総合自動車メーカーでした。



浜松市交通部207
靜2-1532
日産自動車480型(1954年)
市民とともに半世紀ー浜松市バスの想い出ーより

戦前に流線型のボンネットを用い、トヨタと共に戦前の商用車メーカーだった日産自動車は、戦時設計車てある日産180型(バス用シャーシは日産190型)が発売)が登場しました。戦中・戦後混乱期はこの車輌が活躍しましたが、大型化の波に乗り遅れてはと日産自動車は新型商用車開発を進めた結果、1950年に低床フレーム付きバスシャーシ(WB=4,300㎜)を開発し日産290型となりました。引き続きガソリンエンジンを搭載していましたが三菱と民生からディーゼルエンジンの供給を受けて三菱エンジン搭載車はM290(新三菱重工製KE-5:85ps)・民生エンジン搭載車はJ290(民生デイゼル製KD2:60ps)と名乗りました。1952年には改良型の日産390型(ディーゼルエンジン搭載車は三菱エンジン搭載車はM390(新三菱重工製KE-5:85ps)、民生エンジン搭載車はJ390(民生デイゼル製KD2:60ps))となりました。

トラックの日産380型では全長6,858㎜でしたがエンジンの搭載位置を前方へ移動し、フレーム延長を行ない、幅員・車高とも大きいためひと回り大きく見えます。

🔵日産390型  諸元一覧🔵


型式                       日産390型

製造初年                1953年

寸法(長×幅×高)      8,058 × 2,400 × 2,880

ホイルベース          4,300㎜

車輌総重量             10,445kg

定員                       前向きシート 49名

                              三方シート    52名

エンジン                 NA(85ps/3600rpm)

最小回転半径7800㎜
燃費5km/h
最高速度75km/h

搭載するNA型ガソリンエンジンは水冷直列6気筒で総排気量3670cc・最高出力85ps/3600rpm)、吸排方式はサイドバルブ式4サイクル、最大トルク24kgm/1600rpm・変速機4速MT・電装系は6Vを使用しています。

1953年5月からはフロントグリルを変更した日産490型となります。エンジンは同じNA型ながらを出力を85psから95psにアップしました。ディーゼルエンジンは引き続き三菱エンジン搭載車はM490(新三菱重工製KE-5:85ps)、民生エンジン搭載車はJ490(民生デイゼル製KD2:60ps))です。

1955年1月には、搭載エンジンを日産NC型ガソリンエンジン(105ps/3600rpm)搭載のニッサン482型となりました。ディーゼルエンジン搭載車は三菱エンジン搭載車はM482(新三菱重工製KE-21:95ps)と称しました。外観ではボンネット先端のオーナメント("NISSAN"の文字)が大きくなり、その上のオーナメントのデザインも変更されました。

1955年のニッサン大型車は
リムジン前トラック
WB=3200㎜    S482型
WB=4000㎜      482型
バスバス
WB=4300㎜      492型
WB=4700㎜    A492型

4種類のシャシーが用意されました。
また、日産490系バスシャーシは、バス以外にも検診車や消防車などの特装車にも架装されています。