突如現れた、沖田さん!

さぁどうする?!ということで第拾話です

ネタばれ満載につき、嫌な方はUターンをお願いします








人垣の間から新撰組の沖田さんが登場


「見事な演奏でした。まさか、こんなところで、あなた達が太鼓を叩いているなんて」

「ただ聞きするなよ」

「あなたは、長州の高杉さんですよね。で、そっちが桂さん」

「まさか、主人公さんが、長州にも縁がある人だとは思いもしませんでした」

「私の名前覚えていたんですか?」

「ええ、僕は綺麗な女の人の名前を忘れることはありませんよ」

「おい!どこに綺麗な女がいるんだ!」

すみませんね!綺麗じゃなくて!

「いいか、こいつは可愛いんだ。綺麗には、これから俺がする!」

(このセリフ楽しみにしてたんだよなwww 是非、よろしくお願いします、晋作さんww)

「はは。余裕ですね」

「そうそう、綺麗な人は、主人公さん一人とは限りませんよ」

「さっきから、発しているその剣気・・・。以前、茶店でお会いしましたよね?桂さん」

沖田さんは、女装した桂さんに気付いていたようだった

「さあ、なんのことかな?」

桂さんは、ニコリと笑う。

「なるほど、こちらも余裕と言うわけですか。さすがですね」

「しかし・・・禁門の変以来ネズミのように潜んでいた長州のお二人が出てこられるとは」

沖田さんは、大久保さんが、長州藩邸の付近を歩いていたのを見かけた隊士がいる

ということも話し出した

「薩摩に京を追いだされ、追いうちまでかけられた長州」

普通だと考えにくい組み合わせだと沖田さんは言う

「それは、気の回し過ぎだね。その年であんまり深く考えすぎるのは、よくないな」

(ですよね?桂さんから見ても嫌ですよね?こんな深読みする年下の人間ってw)

「なるほど!小五郎が言うと、ある意味説得力がある」

高杉さんに同意していると、桂さんが、不思議そうにしていた

「本当に、余裕なんですね。でも、どうやら噂は本当のようだ」

「幕府としては、いや、僕個人としてかもかな。薩摩と長州に手を結ばれては困るんですよ」

「すみませんが、お二人には表舞台から降りて頂きます」

沖田さんは、刀を抜いた

それを見て、立ちすくむ主人公の前に、桂さんと高杉さんの背中が見えた

沖田さんと主人公を隔てるように立っていた

「おっと、ふたり同時ですか?それはそれで面白そうなんですが・・・」

「どけい!我らは新撰組だ!」

どうやら、人垣の向こうを新撰組の隊士たちが取り囲んでいるようだ

「おい、逃げの小五郎、ちゃんと逃げ道は確保してんだろうな?」

「一応、当てはつけてあるけど、囲まれてしまうとまずいかな」

新撰組の隊士たちが近づこうとするが、人が避けなくて傍に近づけない

どうやら、町人は主人公達をかばってくれているようだ

「やれやれ仕方ないな。少しだけ痛い思いをしてもらうしか無いようですね」

「いいか、皆、邪魔するものは・・・コホッ・・・コホッ・・・コホッ」

号令を出そうとして激しく咳き込む沖田さん

「確か、池田屋でも同じような咳をしていたな」

咳き込みながら、やはり、あの時いたんですねと沖田さんは桂さんに言った

高杉さんは、なぜか悲しそうな目で沖田さんを見ていた

(晋作さん・・・・(ノДT))

激しく咳き込んだ沖田さんは、地面に膝をついてしまった

新撰組の人たちが沖田さんに駆け寄ろうとすると、一人の町人の一言で

主人公達のまわりには、自然と人だかりができた


「よし!今だ。小五郎!主人公を頼んだぞ!」

「ばかな!晋作、お前はどうするつもりだ!」

「追っ手を分散させれば、それだけ逃げ切れる確率は高くなる。それが道理じゃないかな?」

そう言って、高杉さんは、桂さんのように、ニコリと笑った

「誰の真似だ?それは・・・」

(桂さんだよwww どこまで鈍いんだ!桂さんはwww )

「だが、確かにその通りだ。よし、主人公さんのことは引き受けた」

そう言って、桂さんは主人公の手を強く握り締めた

主人公達は、人ごみにまぎれて、真っ暗な雑木林の中に飛び込んだ



月が雲に隠れて、ほとんど真っ暗な小道を走る

新撰組と沖田さんのことを考えると不安になり、繋いでいる桂さんの手を強く握った


「怖いかい?」

「いえ・・・」

「おや、主人公さんの良いところは、自分に正直なところだと思っていたんだけどな・・・」

「心配ないよ。さっき晋作から聞いただろう、私の異名を・・・」

「いつも最善の方法を探していると、必然的に戦いを避けるのが一番だと分かってね」

「戦いは、どちらに転ぼうと、結局は何かしらの傷を残してしまうんだ」

「だったら、私は徹底的に戦いを避けて通りたい」

「だから、その準備は万端だ」

桂さんは、主人公と高杉さんが来る前に、あたりを調べておいたと説明する

この先に、小さな社があるから、ひとまず、そこに隠れるとしようと言った


月を覆っていた雲が晴れ、あたりが次第に明るくなっていく

「あ、ここは・・・」

「どうかしたのかい?」

「ここ、前に一度来たことがあります・・・」

「と言っても、この時代のじゃないと思うんですけど・・・」

「まさか主人公さんが、ここへ来るきっかけになった神社というのは・・・」

「多分、ここだと思います」

「じゃあ、ここに主人公さんが、未来に帰る手掛かりがあるかもしれないってことかい?」

「それは、分かりませんが・・・」

「詳しい事は、後から聞くとして、ひとまず社の中に隠れよう」

主人公は、ここじゃ分かりやす過ぎないかと言ったが

「そうだね。多分誰もがそう思う。だが、それこそが盲点になるんだよ・・・」

と言って、桂さんと社の中に入った。

中は真っ暗だった。

桂さんは、変装用の衣装をとりだすと、それを扉から見えるか見えないかぐらいの位置に

広げた。

「こうしておけば、ここで着替えて逃げたと思わせることができるだろ」

さらに、桂さんは、天井の板を一枚外した。

「少し狭いんだけど、ここに隠れよう」

桂さんと屋根裏に登った。

屋根裏は狭くて、お互いの体温を感じるほどくっつくしかなかった。

その距離のおかげで、主人公は安心できると同時に、ドキドキしていた

「怖い?」

小さい声で喋るせいか、桂さんの声がいつにもまして、優しく聞こえる

緊張のあまり、首を振って答える


ポンッ


主人公の頭の上に手をのせると、桂さんが優しく髪を撫で始めた

嬉しいけど、くすぐったい


「今日は、ほんとにびっくりしました。色々と・・・」

「あんなに雰囲気が変わっちゃうなんて思いませんでした」

「ああ、あれ。私に見えなかったんなら、成功だね」

「でも、茶店の時は、てっきりすぐ気づくと思ってたよ」

気づかなかったことを謝る主人公に

「いや、謝るのは私の方だよ。あの時も結局、君を危険にさらしてしまった・・・」

「そんなことありません!」

「あの時私、桂さんに助けて欲しいって思ったんです」

「そしたら本当にそばに居てくれてたんですね」

「結果的にはそうなるのかな」

「だから、最初に桂さんが頭に浮かんだのって・・・」

「え?それはもしかして・・・」

「はい。カンみたいなものです・・・」

「そうか・・・。私では、本能というものに勝つことはできないんだろうね」

「そんなことないですよ」 ← 選択

「だって、それは、桂さんにもあるんだから」

「難しい事は分からないけど、要するに気持ちや心ってことですよね?」

「だったら、桂さんにもあるじゃないですか!」

「この前の猫を亡くした男の子の時だって、くじけた藩士の人の時だって」

「何より高杉さんをいつも気遣ってます」

(うちの晋作さんが、本人√では特にお世話になっていますね、すみませんw)

「あと・・・私にも優しくしてくれて、助けてくれてます」

「私は君を助けられてるかい?」

「はい!たくさん助けてくれてます」

「それに、さっきだって・・・」



【桂さんの視点】



主人公さんの言葉は不思議と私の中でストンと落ちついた。

頭で理解したわけではなく、心が共感したような。

私にも無意識の心の声を聞くことができるのだろうか?

いや、もうできているな。

だって、私はいつの間にか主人公さんの事になると、勝手に体が動くのだから。

「なるほど、確かに私は鈍感だな・・・」

「え?」

「いや・・・。そうだね。さっきのあれは、とても楽しかった」

「はい!二人ともとっても素敵でした・・・」

「はは、ありがとう。でも少しだけ晋作が妬ましかったよ」

「あいつは、いつもあんな気持ちで生きていたのかってね」

「何も考えずに、思いに身を任せるって言うのも悪くないね」

(晋作さんの場合は、思いに身を任せて、後から理由をつけてる気がするな)

「きっと、これからだってできますよ」

そう。きっとできる。

主人公さんがいてくれれば、私の理性という雲は、

あっという間に吹き飛んでしまうから・・・。

「でも、なんかちょっと不思議だな・・・」

「何がだい?」

「私達、今新撰組から、逃げてるんですよね?」

「なのに、こんなにいっぱい桂さんとお話できて、怖いどころか、嬉しいんです」

「それは、私だって同じだよ」

「主人公さんのおかげで、今まで気付けなかったことを色々知ることができた」

「だから、安心してほしい。私は主人公さんを守ってみせる」

「それに、私は気がつけた新しい自分のことをもっと知りたいしね」

そうだ。こんなところで志半ばで終わるわけにはいかない。

「わかりました。それに私、初めから桂さんを信じてますから・・・だって」

「逃げの小五郎だからね」

逃げの小五郎か・・・。

そう言えば、すっかり逃げることが得意になってしまって・・・

色んなものから逃げてしまう癖がついていたかもしれないな・・・。

情けないものだ。

でも。

少なくとも、この気持ちから逃げるのはやめだ!



【主人公の視点】



「よし!」

桂さんが突然大きな声を出した。

「主人公さん、ひとつお願いがあるんだけど、聞いてもらえるかな?」

桂さんからのお願い・・・一体なんだろう?

「二人で無事帰ることが出来たら・・・」

「これからは、私のことを名前で呼んでもらえるかな?」

「うまく逃げることが出来た時の私へのご褒美だよ」

(桂さんが自分でご褒美とか言うなんてwww  一気に変わったなw)

「それは、ご褒美になるんでしょうか?」

「ああ、とびっきりのご褒美かな」

「あの・・・その時は私のことも・・・」

(何気に主人公、図々しくないか?ww)

全部を言いきらないうちに、いきなり桂さんの人差し指が、私の唇に当てられた。

「来たよ」




「おい、見ろ!社があるぞ!」

「ひょっとしたら、中に隠れているかもしれん」

「そんなバカな」

「苦肉の策ということもある、一応中を確認するぞ」


パンッ


社の扉が勢いよく開けられた

「ん?あれを見ろ!」

新撰組の一人が、桂さんの罠にひっかかったみたいだった。

隊士の一人が社の中に入ってくる

私達の事は、ばれてないようだ


「おい!この着物はまだ温かいぞ!近くにいるはずだ!」

「よし!追うぞ!」

「応!」

隊士たちの足音が遠ざかっていく


「はぁ良かった」

安堵の息と一緒に、心からの一言を吐き出した

「よし、じゃあ降りようか」

「はい・・・」

「それと良ければ・・・この手を離してもらえるかな」

主人公は気づかないうちに、唇に当てられた桂さんの手を強く握り締め

胸に当てていた

「あ、ごめんなさい・・・」

「いや、できれば私もずっとこうしていたいんだけどね・・・」

(桂さんww 随分言うようになりましたねww やれば、できるじゃないか!!!ww)

桂さんは天井裏から飛び降りた。

そして、主人公を降ろしてくれた。


「あまり時間はないが、せっかくだ。少し調べてみよう」

「ここに主人公さんが、未来に帰るための手掛かりがあるかもしれないんだろう?」

未来に帰れるかもしれないけど・・・

でも、未来には、桂さんが・・・

「主人公さん、良かったら、こっちの世界に来た時のことを少し聞かせてもらえるかな?」

主人公は、探し物をしていたことを話す

それは、猫の根付けみたいな飾りだと

その時、これと同じ形の神社を見つけたと

「で、そこで主人公さんは、何かしなかったのかい?」

「ええと・・・確か・・・縄を触りました!」

「ぼろぼろで少し傾いてたんで、横の紐を結び直しました」

「なるほど、しめ縄か」

「え?それが関係あるんですか?」

調べてみないと分からないが、関係があるかもしれないなと言い

桂さんは、しめ縄に近づいた。

「特に変わった様子はなさそうだ。しかし・・・」

言いながら、桂さんがしめ縄を揺する

「え?!」

何これ・・・

目の前が暗くなる――。

「主人公さん!!」

桂さんが駆け寄ってきてくれた。


ガシッ


「おい!大丈夫か!」

「しっかりするんだ・・・!主人公!」

桂さんが、私のことを名前だけで呼んでくれたwwww

さっき、言えなかったけど、お願い、叶ったな・・・

意識が遠のいていく中で、桂さんの呼んでくれた名前だけは、はっきりと聞こえていた







はぁw

ようやく、ちょっと甘くなってきましたねw

桂さんは、このくらいで十分かなと思いますw

あまりキャラ崩壊してほしくないですしwww

(どこぞの誰かのようにwww)


ってか、桂さんの今までの恋愛経験が

非常に気になって仕方ないんですけどww

ここまで恋におぼれたことが無かっただけなんですかね?


しめ縄の話は晋作さんの時は・・・

出たパターンと出ないパターンがありまして

それも、最後の最後まで出てこないんですよね


そう言う意味じゃ、桂さん√は

ここで、ちょっと免疫がついて安心かな


と思いました