桂さんにも、ようやく陽があたってきたところで

第六話スタートいたします

ネタばれ満載につき 嫌な方はUターンお願いします






主人公は奇兵隊の訓練に参加させてもらっていた

「よし!素振りはそこまで!ひとまず休憩だ!」

訓練で竹刀を振り気持ちがすっきりするはずが、昨日の桂さんのクシャクシャを

思い出すと稽古に集中できない

「あれは、一体なんだったのかな・・・」

(私も聞きたいw)

変な誤解をしたりして、怒らせたとか?

「でもあの時は、そんな感じはしなかった・・・どっちかっていうと・・・」

「どうした?元気が無いぞ!」

高杉さんに問われて、曖昧に誤魔化すと、そんなことじゃ、今からの訓練にはついてこれないと

言われてしまう

「今日は、これから、小五郎が隊士にある技を教えるんだ」

これからの戦に必要になるものだから、今のうちに訓練をしておこうと思ってな と高杉さんは言う

戦争が始まるんですか?と尋ねると

「そうならんように坂本は尽力しているが・・・大なり小なり、争いは起こるだろうな」

「それって、どんな技なんですか?私にもできますか?」

「できなくはないと思うが、ちょっとばかり危ないかもな・・・」

「晋作!馬鹿を言うな!主人公さんにあの訓練をさせられるわけがないだろう!」

離れた場所から、桂さんがやってきた

何故か、桂さんの顔が恥ずかしくて見れなかった

が、それより、今の発言が気になって詰め寄ったが

言葉の通りだと言われる

しかし、自分だって小さいころから、剣は鍛えてきたんだし、ちょっとや、そっとじゃへこたれない

と言い切った!

「そ、そうかい?主人公さんが、そこまで言うのなら私は無理に止めたりしないが・・・」

「はい、お願いします!」

「よし!良く言った!それでこそ俺の嫁だ!」

完全にお約束になってしまった、この言葉を私は敢えて無視した

(ちょっと!!wwwお約束だけど、敢えて無視ってwww 桂さん√だし仕方ないか・・・)

でも、一体どんな訓練なんだろう?

冷静になり、勢いで言った自分の言葉を振り返り、少し不安になった



バシッ

ぐっ

「大丈夫かい?もう少しの辛抱だ、頑張るんだ」

「何やってんだ!さっさと立て!」

主人公の不安は的中したようだった

庭に移動して、始まった訓練は、剣の稽古とはいえないような内容だった

それは、弓を使ってかわす稽古だったからだ

「これって、剣術の稽古じゃ無いんじゃ・・・」

「そうだね、直接剣術には関係ないね」

「だけど、これからは侍も銃を相手にする機会が圧倒的に多くなる」

どうやら、これは銃の弾をよける訓練らしかった

「銃の弾ってよけれるものなんですか?」

「弾を見てよけることはできないね」

だけど、銃を撃つ瞬間の気配を感じることが出来れば、軌道から体をずらすことは可能だと

桂さんは言う

「だから、こうやって訓練しているんだよ」

そういって、桂さんはニコリと笑った

「どうだ、主人公もやってみるか?」

「えっと・・・しばらく見学させてください」

「そうだね、それがいい」

桂さんは、ニコリとまた笑った


訓練を見ていて気づいたことがある

高杉さんと桂さんの教え方の違いだ

高杉さんは、みんなを叱咤激励というか、大声で怒鳴りながら、時には拳骨まで交えている

桂さんは、決して声を荒げずに、根気よく、その都度アドバイスをしながら見守っている

うまく役割分担ができてるんだなと思った

しかし、それは自分の思い違いだと分かることが起きた

見学している所の近くで、ペアの片方が膝をついて立ち上がれなくなってしまった

どうしても矢をよけきることができないらしい

「何やってんだ!もうお終いか!そんなんじゃ、戦の時にただの的になっちまうぞ!」

「いいか、矢に対する恐怖を克服しろ。恐怖に打ち克つことができれば、

必ず矢をよけることが出来る」

藩士は、謝りながら、どうしてもできないと言った

「馬鹿野郎!泣きごとをほざくな!立て!」

高杉さんは、膝をついていた藩士の胸倉を掴んで立ち上がらせる

その高杉さんの肩越しに桂さんが、尋ねる

「本当に無理なのかい?これ以上君には、もうどうすることもできないんだね?」

藩士は頷いた

「わかった・・・。晋作、もう離してやれ・・・」

桂さんは、高杉さんの肩に手を置いた

「ま、待て!もう一回だ!次はきっとできる。だから、もう一回!」

その発言は、藩士ではなく、桂さんに向けられている気がした

「よし!それじゃあ、訓練を続けようか」

できないと言っていた人が弓を討つ側に替わろうとした時

「何をしているのかな?君はもうここにいる必要はない」

「訓練を続けられないなら、ここにいてもらう理由がない。荷物をまとめて国に帰っていいよ」

藩士は、侍になるために畑を捨てて、ここに来たのに帰るところなんて・・・と言った

「なら、好きなところに行けばいいじゃないか。時間の無駄だから、お喋りはここまででいいかな?」

桂さんはニコリと笑った

高杉さんは、何も言えずにいた

しばらく、呆然としていた藩士が突然大声を出した

「あんたの血は凍ってんのか!いつも澄まして笑ってるけど、本当はオレ達のことを

馬鹿にしてるんだろう!」

「俺達の、立場や気持なんかちっとも考えてくれてない!」

「高杉さんは、俺らの気持ちをわかってくれている!だから、どんなに無茶されても

ついていこうって気になる」

「だが、あんたは違うぞ!俺らは、あんたが偉いから、しょうがなくついてってんだ!」

桂さんは無言で睨みかえしていた

「どんなに偉かろうが、あんたは人間としちゃ最低だよ!」

「この馬鹿野郎!」

高杉さんが言いながら、拳を振り上げる

しかし、それより前に、主人公が、その藩士の頬を叩いていた

「!!」 ← 桂さん

「主人公・・・お前・・・」

「何も、桂さんのこと分かってないのは、あなたじゃないですか!」

「この訓練は戦に大切なものだと聞きました、これができないってことは、

戦で命が危ないってことでしょ」

「あなた死んじゃうかもしれないんですよ?」

「死んじゃう可能性が高い人を戦場に出せるわけないじゃないですか!」

「それに、桂さんは一度も強要はしてません」

「何度もできるからって、励まして、あなたに本当に無理なのかって聞いたじゃないですか!」

「主人公さん・・・」

「できないもんは、できないんだよ!何も分かって無い娘が勝手な事言うな!」

(往生際の悪い人だな・・・ 苦笑)

「あんな簡単なことをすぐに諦める人に言われたくないです!」

「簡単?本当にそう思うならやって見せてもらおうじゃないか!」

「ば、お前、何を言い出すんだ!」

「わかりました!やってみせます。でも、もし成功したら、桂さんが最低だって

言葉を取り消してください!」

「よせ!君がそんなことする必要はない。私はなんて言われようが構わない。

むしろ彼の言うとおりだ」

「違います!桂さんはそんな人じゃありません!」

「そんな、無茶苦茶な・・・私が認めているんだ。なぜ君が意地を張る必要がある」

「だって!桂さんは最低じゃない!」

「主人公さん!」

「よせ、小五郎!ここは、主人公に任せて見よう」

「晋作!お前まで何を言い出すんだ」

「俺達が気に入った女を信じろよ!」

俺達?俺じゃ無くて、俺達?

高杉さんと、もう一人は誰?

(桂さんに話振ってるんだから、桂さんでしょうがwww)

話が済んだのなら、やってもらいましょうかと藩士

「だったら、弓は私が引こう」

「それは、できないです、何か合図を送られるかもしれませんからね」

(いやーこの藩士、とことん嫌な奴だなwww あんたには、侍の志ってものから

叩きこまないとダメだと思うwww)

「見くびるな!」

弓は自分が引くと藩士は、そう言った桂さんに言い張る

主人公も私は構わないと言ってみたものの・・・

口から飛び出そうなくらい心臓がドキドキしていた

でも誰にも悟られないよう必死だった


訓練開始

藩士が、主人公の正面に弓と矢を持って立つ

見てから、反応したんじゃ間に合わないと思うほどの距離だった

竹刀を体の正面中段に構えた

弓を引く隊士

剣道の試合と同じと思うが、「来た」ではなく「来る」のタイミングで動かないとと思う

桂さんから教えてもらったあれ・・・

「そう、重心だ!」 ← 選択肢

一歩踏み出すギリギリまで重心を移動させておけばいいんだ

そんなアドバイスをくれた桂さんのことを思い出すと不思議と緊張感が解けた

矢はぴたりと主人公の胸を狙っている

矢の軌道が分かっているなら、ほんの少し体を動かせばいいだけ

桂さんが言われた最低っていう言葉を取り消して見せる!

頭の中では、ここ数日間の桂さんとのやり取りが思い出されていた

ふと、藩士の人を見ると額にいっぱい汗をかいているのが、良くわかった

そして、矢が飛んできた

重心をうまくずらすと・・・・

矢は主人公に当たらず、後ろの白壁に当たった

「できた・・・」

「おぉーっ」

見ていた他の藩士達から歓声とどよめきがあがる

「そ・・・そんな・・・」

「主人公さん・・・」

「よし!」

そう言うが早いか、高杉さんは弓を落とし呆然としている藩士に歩み寄り


ガンッ!


思いっきり藩士の頬を殴った

殴られた藩士は、地面に叩きつけられた

「どうだ?主人公にできたことが、できずに悔しくないか?」

「ま、今のは出来過ぎだがな。あそこまで見事にかわしたのは、主人公が単純に

凄い奴だからだ」

「あそこまでやれとは言わん!だが、頭抱えてしゃがみこんででもかわすことはできないか?」

「そんな、無様はさらせません!」

藩士は、高杉さんに怒られる覚悟なのか歯をくいしばって立ち上がりながら言った

でも、高杉さんは殴らずに、藩士の肩に両手を置く

「勘違いすんな・・・生きるのに、格好いいも、無様もない。ただ必死になれるかだ!」

そう言うと、高杉さんは振り返って叫ぶ

「いいか!良く聞け!こいつだけじゃない!全員だ!」

「オレも、小五郎も思いは同じだ!お前らに死んで欲しくないから、こんな訓練をやってんだ!」

「だが、一つだけ俺と小五郎で考えの違うところがある。それは恐怖に対する心構えだ」

「俺はな、恐怖は克服する必要はなねぇって思ってる!」

「死にびびっちまうのは仕方が無い!だがな、それ以上に生きたいと思え!」

「お前達は、全員が身分はバラバラで、侍のほうが少ないくらいだ。だから、

死を美徳とする必要なんてない!」

「泥臭くていい!みっともなくていい、何があっても、岩にかじり付いてでも生きたいと

思い続けろ!」

「俺は、つまらないこの時代を変える!だが、変わった時代で暮らし、時代を作るのはお前らだ」

「だから死ぬな!何があってもひたすら生きたいと思え!」

高杉さんの言葉にみんなが一斉に返事する

高杉さんって、すごい・・・本当にリーダーなんだ・・・

「よし!訓練を続けるぞ!」

みんなが返事をした時、さっきの藩士も涙を流しながら一緒になっていた


ふと緊迫していた雰囲気から一転して、熱が帯び始めたその場から、一人消えて行く

後ろ姿に気がついた


桂さん・・・

私は思わずその後を追っていた・・・

桂さんの背中に声をかける

「桂さん、どこに行くんですか?」

桂さんは振り返る

「熱い太陽が昇ったからね。冷たい月はそっと退散するのさ・・・」

ニコリと笑ったけど、笑顔が寂しそうだった

桂さんは、さっきは、見事な体捌きで驚いたと褒めてくれた

桂さんの助言を思い出したからだと答えると

「うん、それは私も気がついたよ。あの場で役に立って良かった」

無我夢中だったと答えると

「また、無我夢中・・・やはり無意識なんだね・・・」

「私は窮地において頼るべきは、自制の心と冷静な判断だと思っていた」

「彼らにもそれを身につけてもらうことができれば、命を落とす可能性は減ると・・・」

「だが、どうも上手く私は彼らにそれを伝えることができないみたいだ」

「何より、晋作の言うとおりだ」

「窮地では生きたいという人間の・・・いや生き物の本能が命を守るんだね」

「それは違います!」

「違う?何が違うんだ!たった今君がそれを証明したばかりじゃないか!」

珍しく桂さんが声を荒げた

「・・・いや、すまない」

「あの時、私は・・・桂さんのことを考えました・・・」

「あの人が、桂さんのことを誤解して、それがなんだか悔しくて・・・」

「だから、ずっと桂さんのことを・・・」

桂さんと目が合わせられなくなり、顔を伏せた

「主人公さん・・・」


ポンッ


伏せた頭の上に手が載せられる

「私の為にあんな危険なことをしたっていうのか・・・」


クシャッ


載せられた手に力がこもったのが分かった

その手が今度は主人公を引き寄せた


「え?」

主人公は桂さんに抱きしめられていた


「すまない、主人公さん」

そう言って、腕に力が込められたかと思った瞬間、桂さんは身を翻して廊下を歩いて行ってしまった

私は突然の出来事に驚いて、ただ、その後ろ姿を見送るしかできなかった








もう、これ誰の√ですか?ww

晋作さん目立ち過ぎですからwww

カッコいいことばかり言っちゃってるし・・・

でもあの言葉は、奇兵隊総督としての言葉なんですよね

本人は、やっぱり侍魂を捨て切れずに最後の方までいるんですよね・・・

そして、桂さんの言われようwww

酷くないですか?ww

あそこまで言わなくてもいいんじゃないかとwww

終盤まで一切甘さ無しでしたが

最後でちょっと甘くなってましたね

クシャッ は、嬉しい時の桂さんの愛情表現なのだろうか?

と思ったりw


そして、抱きしめるのかーっ!!wwww

とwww

晋作さんより手が早いよww

晋作さんは、口では、色々言ってるけど実は、あんまり手が早く無いんですよねw


もうちょっと、甘さが欲しい話でしたw