パープルフォレストを後にした
ピザ屋のコヨーテの話をしよう

ピザ屋のコヨーテ
元はこの国の王御用達のシェフ
クール・コヨーテ
その人である
王はとても美食家であり
食への探求凄まじく
御用達のシェフには
国を動かせる程の権力を与えた

胃袋を制するもの
国を制す
とまで言われていた

御用達となると
そんなに数は居なかった

その1人が
クール・コヨーテだった

若くして王の胃袋を掴んだのだ

その証に王は

御用達のシェフには
不気味に開いた口が刻印された
懐中時計を渡した
不気味とは言ったが
この刻印にも
意味がある

口は食らい
口は語る

食わなければ生きられない
語らなくても生きにくい

口は災いも
もたらすが
幸福にする事も
癒すことも
勇気づける事も出来る

不気味なこの口を
幸福な口に替えよ
そんな意味も込められていた

不気味な懐中時計は
正確に時を刻み
朝の7時
昼の12時、15時
夕方の18時
夜の21時に

音を出した

キンキン キンキン キンキン

御用達のシェフ達は
音が鳴ったらすぐに食事を
運ばねばならなかった

全ては王の為に

キンキンキンキンキンキン

毎日毎日毎日

鳴り続ける

口が呪いを発するように