ほどなくして
女性の店員が
「はいお待たせ!熱いので気をつけてね!」
目の前に
あの熱々のピザが置かれた
「私が切ってあげる」
そう言うと
丸い器具で
食べれるほどの
大きさに切ってくれた
クール・コヨーテは
彼女に
軽く会釈して
すぐさまピザとやらを見た
何とも美味しそうな匂いがする
ゴクリ
唾を飲み込み
手を伸ばす
火傷せんばかりの熱さ
しかしそんな事は
気にしない
ピザの端を持って
円から三角に切られた部分を
引き離す
すると
黄色いチーズと言われるものが
その円から離れまいと
腕を伸ばす様に
ビヨーンと伸びた
それをさらに引き離すと
腕は細くなりやがて切れた
垂れたチーズを下から口を開けて
招き入れる
フワァっと黄色いチーズの
匂いが口の中に広がり
後から様々な具材 土台の生地の味が
広がってきた
「うまい!!」
思わず大きな声が出た
一瞬皆クール・コヨーテの方をみたが
皆うなずき
笑顔を向けてきた
ハッとしたが
愛想笑いをして
またほうばった
自然とシュワシュワな飲み物が飲みたくなったので
恐る恐る一口飲んでみたすると
パチパチするのどだが
何も食べてなかった時より平気だった
いや
むしろ美味しかった
クール・コヨーテは
ピンときた
この食べ物には
この飲み物が合う
それをわかって
出しているとだと
クール・コヨーテは
夢中で黄色いピザをあっという間に
食べてしまった
シュワシュワの飲み物もすっかり空になりかけた時
ふと周りをみると
そこには沢山の笑顔があった
テーブルを囲み子供達が
黄色いピザに驚き
シュワシュワの飲み物に驚き
そして美味しさに驚き
それが笑顔に変わっていた
他のテーブルでは
老夫婦が
正装をして座っている
この夫婦も最初は驚いていたが
おじいさんの口から
垂れた黄色いチーズを
おばあさんが
「あらやだおじいさんたら そんなにおいしかったのね うふふ」と
おじいさんのをナプキンで拭いていた
おじいさんは照れ臭そうに頭をかいていた
隣のテーブルでは
多分何度かこの店に来ているのだろう
家族が
最初に出されたシュワシュワ飲み物も
驚かず
飲んでいた
しかしその目は
輝いていた
これから運ばれてくる物の
正体を知っている目
あの味を知っている目だ
そこに
食の原点を見たような気がした
クール・コヨーテは
満員のこの店で時間を忘れるほど
人々を観察していた
幸せの観察を
