キンキンキンキンキンキン
呪いの口は毎日毎日鳴りつづける
その時計をクール・コヨーテは
ポケットから出し
眺めていた
「さあ行こう」
そう言ってクール・コヨーテは
王達が待つ広場へ向かった
そこには
審査をする貴族達が居た
「おお!待っておったぞクール・コヨーテよ!」
クール・コヨーテは
王の前に立ち深々とお辞儀をした
「我が王よチャンスを頂き光栄にございます」
周りの貴族も
「クール・コヨーテよ
そちの料理、我が子も楽しみにしておるぞよ 」
頭を撫でられ
行儀良く座った子供がいた
歳は5、6歳か
「ありがたきお言葉」
彼の評判は高かった
何でもそつなくこなす
どんな要望にも答える
それが彼の持ち味
言い方を変えれば
言いなり
面白みはなかった
この時のクール・コヨーテは
違っていた
頭を下げてはいたが
顔は不適に笑っていた
「それではお召し上がり頂く前に飲み物をご用意させて頂きます」
パンパン
クール・コヨーテが手で合図を出す
するとテーブルに
あのシュワシュワの飲み物が
並べられた
しかも色が鮮明な緑色の
中には四角く透明な氷が入っている
ザワザワザワ
「何だ!この液体は!」
「飲み物から泡が立っている!」
「なによ!音までしてる!気持ちが悪い」
「クール・コヨーテよ!気でも狂ったか!」
しかし子供達だけが
目をキラキラ輝かせながら
その飲み物を見ていた
頭を下げながら微笑んでいた
クール・コヨーテが
ゆっくり顔を上げ
「さぁさぁ、お飲みくだされ!」
貴族達が声を荒げ立ち上がる
「我々に毒を飲ませる気か!」
貴族に落ち着き語りかける
「それは毒などではございません
庶民の皆が飲んでいる物にございます
炭酸水という液体にメロン果実を混ぜ
色付けした物
メロンソーダと命名しました」
貴族達が驚く
「貴様は庶民の物を王に出すと申すのか!ええいこやつ切り捨ててくれる!」
貴族が腰の剣に手をかけた
「待て!!」
黙っていた王様が口を開いた
飛びかかろうとしていた
貴族はピタッと止まった
「のうクール・コヨーテよ
これはどうやって飲んだら良いのじゃ?」
そう言うとグラスを手に取った
「お待ち下さい!それは毒見をせねば!そうだ!クール・コヨーテよ主が毒見してみよ!」
それを聞いたクール・コヨーテは
待ってましたとばかりに
貴族の子供の前に置いてある
グラスを取った
興奮ぎみにメロンソーダを見つめていた
子供が目の前から消えたメロンソーダを
追いかけていた
その子供にウインクをして
「待ってな新しい物を用意する
そしてこれはこうやって飲むのさ」
グイグイ飲むクール・コヨーテを
心配そうな目で貴族の子供は見ていた
すると
グェェェ
ゴゴゴッ
ゴブッ
「プハーうめー!」
満面の笑みで
大きなゲップをクール・コヨーテは
して見せた
「な、な、なんたる事!!王の前で下品極まりないこやつの首を落とせ!!」
プッハハハハ
キャッキャッキャッ
子供達がこらえきれず笑いだした
子供達の欲望は押さえきれなくなっていた
メロンソーダを飲みたいが
周りの大人達がそれを許してはくらなかった
笑いをこらえようとしたその時
ガッハハハハハハ
「よいよい わしも飲む
飲みたい者はわしに続け」
王様がメロンソーダをグイグイ飲んだ
そして
グェェェ
ゴォゴォー
ゲフ
王様まで
ゲップをしたのだ
もう子供達を押さえるすべなどない
グェェェ
ゴブッ
ゲェェ
キャッキャッキャッ
下品で汚いゲップがそこらじゅうから
聞こえる
笑い声と共に

