ラスと、クリスマス。 | 叙情夜話ブログ

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コバルト文庫・破妖の剣について語っています。ネタやレビューや考察など色々。
ネタバレがあるので未読の方はお気を付け下さい。
二次創作はこちら→http://nanos.jp/hayou/

さて、いよいよ最終レビューなわけですが……その前に言いたいことがある。

期待させるだけさせて、絶望の底に突き落とすのだけはやめてください。

前回、「マイスラオルの戦闘シーンきた!」とわくわくしながら続刊を待ち、蓋を開けたらこの有り様。


ケーキを三等分するって言うから楽しみにしていたのに、いきなり壁に叩きつけられていたでござる。

厳密には三等分なんて無理だから、伏線が張られていた分、マイダードの(戦闘の)配分が多くなるのは仕方ないよねフヒヒと涎を垂らして頁をめくり、三人まとめて潰されていた時のがっかり感。

今の私は、ぐしゃぐしゃになったケーキから辛うじてマイスラのかけらを拾い集めて、泣きながら口に運んでいる状態です。


切り分ける気がないなら、最初からそう言えばいいじゃないですか。今からケーキ切るよーなんて思わせぶりな前振りしなければいいじゃないですか。(以下『じゃないですか』禁止)


だいたい、みんなが待ってるお正月をないがしろにしてクリスマス先にやろうって言い出したのは、前珠先生もしくは担当さんだろ。

なのにそのクリスマスすらちゃんと書いてくれないんじゃ、お正月を延期した意味がない。

メインのローストチキンだけじゃ心許ないから、客寄せにデコレーションケーキで釣ったんだろうが!そのケーキが三等分どころかぐしゃぐしゃで原型とどめてないってどういうことだよ!!




ちくしょう……(´・ω・`)ちくしょう……




ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおケーキ回復うううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう



■□■□■□■□■□ 第二十九章 ヒトガタの城 ■□■□■□■□■□ 





>アーゼンターラたちが広間に着いた時、扉は開け放たれていた。

換気のためですか


>よく来た

「よく来たね」じゃないのか


>広間の最奥──玉座にある紫紺の髪と瞳を持つ青年から放たれた声は、扉のところで立ち止まってしまった一行全員の耳に届いた。

オルグァン「年長者のおれが先に行こう」

スラヴィ「あら、ここはリーダーのわたしが」

マイダード「感覚が鋭いおれだろ?」

ターラ「私が先に入るわ!」

マイスラオル「どうぞどうぞ」


>頭がじんと痺れて、何も考えられなくなるような美声だ。

紫紺パパの声優さんは誰がいいかな


>だが、アーゼンターラたちは広間の壁面を飾る人形の姿に、声以上に心を奪われていた。

どんなポーズしてるの?直立不動なのかな


>いったい、何体あるのだろう。

>百や二百ではない。いや、千でも二千でも──否、一万をも軽く超えるその人形たちは、一体一体がそれぞれ違う姿を保っている。

私はマイダロイド一択でお願いします。


>老若男女を問わず、精緻に作り上げられたそれらは今にも瞼を開きそうなものだ。

開いて襲いかかってくるかと


人形に興味のない四人すらも見とれてしまう出来栄えの作品たち。


>カーヴィアの……

>その声を洩らしたのが、仲間の誰なのか、あるいは自分なのかさえ、彼らはわからなかった。

四者四様の反応が見たいんだってば!


>これは、カーヴィアの住人たちを模し、いまその命を啜り尽くそうとしている、紫紺の妖主の手による人形群なのだ!

これ全部壊したら駄目なんでしょ?無理ゲーすぎる

緋陵姫さん、ラスの戦いが大変だったって言ってたけど、これでもまだ言える?どのへんが?


>待っていたよ、浮城の人間たち。まずはわたしからの歓迎の祝砲だ。喜んでもらえることを願っているよ

妖貴を護り手に持たないひとたちに不意打ちはやめてー



>広間中に、一瞬にして紫紺の糸が張り巡らされた──そこにある、生身の人間の肉体など無視して!

リーヴィは紫紺パパに気に入られてるんだから、彼らを殺さないように説得とか何とかならなかったのか。

ラスを悪く言う(言ってないけど)人たちは死んでもいいって事なのかも知れないけど、街の人たちを助けるための仕事なんだからそういう私情は抜きにして、浮城の人間として、紫紺パパの情報を提供してあげるくらいすればいいのに。

そもそも、リーヴィが紫紺パパに会ってるってことすら前珠先生は忘れ……。


……「親父に会ったこともないのに」ってのは、やっぱり邪羅くんの記憶操作のたまものなのかな?

ウルガさんを殉職扱いにした時、カーガスさんやシャーティンの死因も、邪羅くんが操作した疑いがあるんだよな。

その影響で、紫紺パパと会った記憶も消されているとか。その時にラス応援団の脳味噌もいじっていたとしたら、邪羅くんが悪人決定ってことで、サティン達だけを責めるわけにはいかないけど。

同僚が死んでるのにラスに戻ってきて欲しいって思うのはいくら何でも薄情すぎるというか無理があると思うけど、同僚の記憶すら消されているならサティン達のせいではない。

でも、それなら冤罪騒ぎ自体帳消しにすることもできるのに、邪羅くんはそれはしない(できない?)という……。


>きゃあぁぁっ!

これはわかる


>いっっ!

これもわかる


>うおう!

これはひどい。

前珠先生、オルグァン嫌いなの?

悲鳴ひとつにしても、もっとかっこいいやつ希望。

うおうが許されるのは岡田あーみん先生だけです。


>三つの悲鳴が広間に響いた。

>スラヴィエーラ、マイダード、オルグァンのそれだ。

貴重なクリスマスケーキが……


>張り巡らされた糸に貫かれ、縫い止められた三人を襲った苦痛の証だ。

マイダードは痛みには強そうだな


>アーゼンターラの悲鳴がそこに加わらずにすんだのは、すべての糸を蜜里が自らの体で代わりに受けたから──に過ぎない。

妖貴を護り手に持たない人と持つ人の違いが


>スラヴィ!マイダードもオルグァンも……ああぁ、蜜里!

大変だ、マイダードが動かないぞ!早く尿d……間違えた気道の確保を!!


>なるほど。幼くとも妖貴に我が身に代えても守らせようとするだけの資質があるわけか

だから少しは外見についても触れろよ

「可愛い破妖剣士さん」と言っていた畢羅くんがまともすぎて泣ける


>幼くとも

ラスもあなたと戦った当時はこのくらいの年齢だったんですが

……そんなに老けて見えるのかラスは。それとも蜜里のことを言ってる?


>それが何か、見極めさせてもらおう

潰れたケーキにはもう関心を示さないでくれると嬉しいけど、そうもいかないんだろうな。

でも、翡翠の妖主はラス応援団の命までは取らなかった。よってまだ望みはある。


>その瞬間、紫紺の妖主の標的に、自分が選ばれてしまったことをアーゼンターラは悟った。

紫紺の君がローストチキンに興味を持たれたようです


そんな状況でも変わらず旺盛な食欲を示す紅蓮姫に、なぜか勇気づけられるターラ。


>そうだ。恐怖に縛られ竦んでいる場合ではないのだ。

>スラヴィエーラもマイダードもオルグァンも蜜里も──誰も動けない状況で、自分まで動かなくてどうするのだ。

一撃で殺さない紫紺パパの真意は……


>自分が彼の気を引きつけている間は、彼らの身は安全なのだ。

いじらしいな十八歳

「誰かを庇いながら戦う」「仲間と一緒に連携して戦う」ラスが想像つかない。

チームを組まず、闇主さんと二人三脚ばかり……だからいつまで経っても破妖のRPGが出ないんだよ!!←しつこい


紅蓮姫の名を読んで鞘から引き抜くターラに、不快な顔をする紫紺パパ。


>……相変わらず、ひとを食餌扱いするか

嫌がりはしても、恐がらないのがさすがだ


>過去に、使い手は違えども、彼は紅蓮姫に命の一部を奪われたことがあるのだ。決して無敵というわけではない。

雛ピーって、妖主の力を取り込むんだよな?紅蓮姫もボリボリ食って力にしそう。


>紅蓮姫、行くわよ!

ラキスの精神がどうたらはどうなったんですか


>蜜里の援護が期待できない今、紅蓮姫には視えているという心臓の位置を知ることはできない。だが、そこは食欲魔神の破妖刀のことだ。

>勝手に狙ってくれるのは目に見えている。

夢晶結と氷結漸ってそんなにおとなしいのかな


紅蓮姫の狙う先を追って、鳩尾のあたりに心臓があると気づくターラ。


>そうそう馳走してはやらんよ

困った……どっちを応援していいかわからない……。


>紅蓮姫!あたしが動けなくなったら、ご馳走にはありつけないわよ!

命のないものに破妖刀は反応しないって亜珠が言ってた


>告げながら、襲いかかってくる糸を払う。だが、全ての糸を断ち切ることはできない。

切ってくれるのかよ


>痛みには怯まぬ、か。では、物理的に動きを止めさせてもらおう

破妖キャラが物理を語るか


ラスにそうしたように、ターラの筋肉をねじり、手足を好き放題にねじ曲げる紫紺パパ。


>その場に倒れても、足の捻れは止まらない。

内臓が詰まっている胴体は捩らない紳士なパパ


>ターラ!

>蜜里の叫びが聞こえたが、答えることはできなかった。

マイスラオルは声も出せないのか


>蜜里が命をもって庇ってくれたのだ。たくさんの命がかかっているこの場面で、諦めることだけは決してしない!

ナイスファイト


>脚を折られても諦めぬか。ならば、その右手を貰おう

だから胴体を……


>言葉と同時に、紫紺の糸がアーゼンターラの右上腕に巻きついた!

オーブンに入れて焼くんですね


>ターラ!だめ、そんなことだめぇぇっ!

「そんなこと」が「腕を切る」ことだとしたら、主語はターラじゃなくて紫紺パパ


>蜜里の悲鳴が広間に響き渡り──そして。

どうせまた謎の光だろ?


>その声に応えるかのように、優しい黄金の光が空間を満たした──。

ツッコミがログアウトしました





「優しい」とわざわざ書いてあるからには、光の正体は金パパではなくラスの力のかけらと見た。

ラス、ターラちゃんを助けるよりも先にやることあるだろ……。


>光が消えた時、蜜里は寸前まで自分を支配していた痛みが綺麗に消えていることを知った。

いきなり蜜里視点になりました。


>それだけではない。

>倒れていたスラヴィエーラたちが、不思議そうな顔をして立ち上がろうとしている。

まるで納得がいかない。

あの光の正体がラスの一部だとしたら、ますます納得がいかない。

「確かに私は浮城の人を傷つけたけど、同時に命を救いもした。だから罪もろもろは帳消しってことでいいでしょ」って展開にするつもりなら、チェリクの時と同じ不快感を味わうだけです。

そういう理屈でしか行動できないから、いくら人に表面上は親切にしても、自分の罪を誤魔化すための工作に思われるんだよ。


>あの光が、紫紺の妖主から受けた傷を癒してくれたのだとしか思えない。

ラス応援団もそうです。ラスが出奔した途端に、今までの浮城のやり方が間違っていた、体質改善とか言い出しちゃう。ラスがあんなになる前から個人的にボランティア活動していたならともかく、今までは全くそんな素振りは見せなかったというのに。

メインキャラなんだから、そういう卑怯な後出しジャンケンはしないで欲しかった。受け切れなかった依頼を密かに片付けていたことと、ラスの罪を免除することとは全くの別問題です。

今後、ラスの復活がアーヴィにばれて、ラス応援団が糾弾されそうになった時。

事務の人たちが颯爽と立ちはだかり、「待って下さい、彼らは街の人たちを助けるために密かに動いていたんですよ」と庇い。

それに味を占めた彼女らが、「そうよ!そもそもラスを追いだしたのは浮城の体質がうんたら~」と言い出し。

そこですかさず「いえ、それとこれとは別よ。ラエスリールの帰還は認めるけど、それは罪人としてちゃんと処分を受けてもらうためだから」と毅然と告げて、ラス応援団に(; ゚д゚)って顔をさせてくれたら、私は浮城総務部ファンクラブを立ち上げてもいい。(誰得)


>ターラ!?ターラ、大丈夫!?

これ以上ラスを貶められたくないから、魔具の正体は金パパだと思いたかったのに……。

そこで、光が迸るたびにラスの寿命が縮むという設定はどうだろう。

アンパ○マンの顔みたいに、代わりがいくらでもある状態で人を助けるのは、勝者の余裕であって自己犠牲ではない。自分の命を削ってでも浮城の人たちを助ける気があるのなら、それでようやくトントンだと思う。


>一番大切な存在の姿を求めた彼女は、銀髪の少女が信じられないと言いたげに自分の脚に触れているのを見て安堵した。

ターラちゃんって無駄に綺麗な脚してそう


>捻られ折られた脚が完治している。

>腕に巻きついていた紫紺の糸も消えている。

紫紺の糸って言いたいだけだろ


>全てはあの魔具の力に違いない。

ターラちゃんの成長譚で、何でそれを強調する?

ラスの成長は全部ラスのおかげ。ターラちゃんの成長は魔具や紅蓮姫や蜜里のおかげ、か……。

ラスが、紅蓮姫や闇主に「いつも助けてくれてありがとう」なんて言う日は来るのか?


>何という力だろう──蜜里はアーヴィヌスから与えられた魔具の力の強大さに驚きを感じていた。

アーヴィ、ラスの体から抜き取りでもしたのか。落ちたのを拾ったのか


>与えられた当初は、自分の力を増幅する程度の役にしか立たなかったはずなのに、いつの間にかその力が増している。

ただでもらっておいて程度とか言うな


>それとも、最初自分が充分に魔具の力を引き出せなかっただけなのだろうか?

暗証番号が違ったんだよ


>だとしたら、自分は力を磨かなければならない。

どうやって


>妖主の力を打ち消すほどのこの力を自在に扱えるようになれば、この先アーゼンターラの負担を大幅に軽減することができるのだから。

この先があるのかなあ……ラスが目覚めたらターラちゃんお役御免っぽいぞ

片方が復活すると片方が休むとかじゃなくて、協力して一緒に戦わせるっていう選択肢は前珠先生の中には無いのか。


>おかしな物を懐に隠し持っているな

蜜里「これはホッカイロです」


>渡しななさい、幼い同胞。

どもってる


>それは王蜜の妖主が手がけた品、

なぜ知っている


>人間の世にあっていいものではないよ

ラスの力を金パパが具現化した?


>思いがけない言葉に、蜜里は大きく目を瞠った。

読者もびっくり


>さあ

>紫紺の双眸が、真っ直ぐに蜜里の瞳を見つめていた。

護り手に対して裏切り者と言い出さないのはなんでだ。亜珠の時はあんなに……


>渡すんじゃないよ、蜜里!

スラ子きたーーーーーーーーーーーー


>それを取られたら、わたしたちの勝機は完全になくなっちまう!

お嬢さん言葉遣いが


>スラヴィエーラが叫びながら、夢晶結を手に妖主に斬りかかる!

さっき一撃食らったくせにまだ向かって行けるとか凄い度胸だな


>悪いが堪えてくれ

>詫びの言葉を告げながら、オルグァンが氷結漸を振りかざす。

オルかっけえええええええバグも直ったようでなによりです。


>スラヴィ!

(・∀・)!!


>多分心臓は鳩尾だ!

多分て


>さっきから紅蓮姫が狙ってたから間違いないはずだ!

夫婦連携プレーきたああああああああああああああああしかし紫紺パパに丸聞こえです。


>マイダードが指示する内容に、スラヴィエーラが小さく頷くのが見えた。

もうマイダードがスラヴィの護り手でよくね?

さっきから未羽ちゃんと左谷芭の声が全く聞こえないんですが、ちゃんと息してる?


>スラヴィエーラが小さく頷く

マイダードの言うことだと素直に聞けないとか言ってたくせに……非常時だと従順になるスラ子いいな。


>だが──。

>彼らの攻撃が紫紺の魔王に届くことはなかった。

届いたら届いたで「脇役風情が何でしゃばってんの?」って叩かれるんだから、これでいい。


>うるさい

>妖主の短い一言で、ふたりの体は宙に舞った。

失礼ながら笑ってしまった

ラス応援団が翡翠の妖主の一撃で動けなくなったシーンも、なぜか笑いを誘った。


>スラヴィ!オルグァン!

口だけ出して難を逃れたマイダードマジ策士


>アーゼンターラの叫びが聞こえたが、妖主の陰になっていて、蜜里からは見えない。

今気付いたんですが、オルスラが生きているかどうかは不明のままなんだよな

次の巻でいきなり死んでたらどうしよう。


>少し黙っていなさい、お前たち。わたしは今、この幼い娘と話しているのだ

永遠に黙らせようとはしない紳士パパ


>場違いな台詞を堂々と言い切り、妖主がさらに力を振るった。

>ずん、と空間そのものが重みを増した。

盤古幡きたーーーー!!


>蜜里さえ、膝をつきそうになったその力は純粋な妖気だった。支配の意志が込められた妖気が、跪け、頭を下げろと強制しているのだ!

重力100倍!


>妖主に魔具を渡すわけにはいかない。スラヴィエーラの言ったとおり、これがなければとっくに自分たちは終わっていた。

クリスマス終了のお知らせ

厳粛なイメージのあるお正月と違って、明るく華やかなイベントだから、人によっては不謹慎で浮かれているように見えるかも知れない。

でも、いくらお正月が本来の日本の風習だって言われても、お正月以外いらないなんて私は思わない、両方好きな人だっている。

既に暦の上では、クリスマスが終わらないと年は明けないことになってるんです。このイベントが定着してもう何年も経ってるんだし、受け入れられない人はとっくに離れてる。

そして現に経済効果は出ています。鬱金が打ち切りにならずに売れ続けていることが、クリスマスが支持されていることの何よりの証明なんです。

皆さんは「楽しいクリスマス」が過ごせないことに苛立ってるんであって、クリスマス自体が嫌になったわけではないと私は信じています。(誰喋)


>さあ、良い子だ。その懐の物を渡しなさい。

妖主がかつあげすんな


>最古の者に連なる力など、漆黒を纏う身には過ぎたものだ。早晩お前を滅ぼすだろう

過ぎた力を得るのが悪いことなら、ラス応援団は真っ先にその報いを


>だから、自分に渡すのだ──。

金パパに返却するつもりだったのかな


>その時、蜜里の脳裏に閃いたことは、これまで考えたことさえないものだった。だが、それ以外に方法はない──奪われた後で思いついても遅いのだ。

何をする気だ


>蜜里は右手に力をこめた。

>動く──自ら魔具を差し出させるために、妖主は自由を奪わなかったのだ。

紫紺パパ 何をするにも 片手落ち


>どうした。それとも、無理矢理奪われるほうがいいのか?

マーセルヴィンスにそうしたように


>もう引き延ばせない──そう思った時だ。

アス比の限界か


>渡してしまいなさい、蜜里!

ターラちゃん……このチキンめ


>漆黒の石床に縫い止められ、恐らく息をするのも大変な力を受けているはずの少女の叫びは、何よりも強く蜜里に響いた。

瑠璃色の床じゃないんだ


>いくら貴重でも強くてもっ!蜜里には代えられない!渡してしまうのよ!

マイスラオルって一体……


>この魔具の力で助けられたことを忘れたはずもないでしょうに。スラヴィエーラたちが言ったとおり、これなしに勝利は望めないとあなたもわかっているはずなのに。

ターラちゃんがどんなに頑張っても、結局ラスの力ってことになっちゃうの?新ヒロインの意味って何。

努力よりチートが勝つって言うなら、この世界の誰も努力なんてしなくなるぞ。それでいて、努力しない人を非難するのは努力した人ではなく、上から目線のチート能力者ばかり。


>なのに渡せと、あなたは言うのね。

いいシーンのはずなのにそれがひっかかってどうしようもない


>くすり、と笑みがこぼれた。充分だと思った。

不充分です


>アーゼンターラのその言葉だけで、この先何があっても後悔はしない。

するに決まってる


>蜜里はゆっくりと懐から真球の黄玉を取り出すと、口の中に放り込んだ。

だから、変なことなんて想像してませんってば


>そして、渾身の力で彼女は魔具を噛み砕いたのだ!

金パパ「アウチ!!」


>瞬間──圧倒的な力の渦が口内を満たしたが、それは蜜里を破壊することも支配することもなかった。行き先があるかのように、するりとそれは彼女の中から消えてしまった。

カンニングが教師にばれてしまった時の学生の対応


>ああ、これはこの場にいる全員の怒りを買ったわね。

みっちゃんはマイスラオルが怒っても平然としてそうだけどな


>特に妖主のそれは一際大きく激しいに違いない。

取り上げてどうする気だったのか


>そう思い、見上げた先で──蜜里は信じられないものを見た。

>紫紺の妖主は、笑っていたのだ。

計算通り?


>冷笑ではない。

>それなら蜜里は恐怖に縛られていたはずだ。そうではない。妖主は何事かを成し遂げて満足したような笑みを浮かべていたのである

どういうことなの……


>だが、それは一瞬のこと──次に彼の顔に浮かんだのは驚愕と衝撃だった。

ああ……


>なにが起こったのか。

>蜜里はすぐに、その理由を知った。

惜しい紫紺を亡くした


>魔性の命を糧とする真紅の破妖刀──その切っ先が、彼の鳩尾から姿を現したのである!

不意打ちでやられる妖主って




>浮城の一室で、魅縛師の少女が護り手の女性が淹れてくれたお茶を楽しんでいた時のこと──それは、起こった。

公女もとい私女きたー


>アーゼンターラたちはもうカーヴィアに着いてる頃よね。上手くやってるかしら……

そう思うなら呑気にお茶飲んでないで助けに行けよ


>何とか紫紺の妖主に繋がる手立てが引き出せるといいんだけど……

未来の義父が黒幕です


>金髪の巻き毛を掻き上げながら、リーヴシェランは心配そうに呟いた。

雑魚退治に割く時間はあっても、妖貴(妖主)退治の援護をする気は全くないラス応援団


>かつて、兄を紫紺の配下の妖貴によって人形に変えられかけた彼女にとって、アーゼンターラのことは他人事ではないのだ。

いちいち身内とだぶらせないと共感できないのは、ラスだけではないようです。

紫紺の時、弟と色彩が似てるからって理由でラスに懐かれたリーヴィですが、本人もこうなるとは……。


>何とか無事に取り戻してほしいと思っている。

それよりお兄さんのことはあのままでいいのか。カラヴィス相続問題どうするんだよ


>そうですね……カーヴィアほど大きな街を襲うとなれば、当然主の許しが必要ですから

>虹色の髪の護り手が、優雅にお茶をつぎ足しながら答える。

かつて人間だった彩糸も、もはや街の人の犠牲に心を痛めることはないのか


>最大の難事は、紅蓮姫の食欲に引きずられて、問題の妖貴の命を奪い尽くさないようにすること、でしょうか

本気でそんなこと思ってるのか?だから助けに行く必要はないって?

ターラちゃんの実力を随分と買ってるんだな……と思ったら、紅蓮姫の評価だけで使い手は無視でした。


>茶目っ気のあるその言葉に、リーヴシェランが「まったくね」と笑った時だった。

ラス応援団は、紅蓮姫のおかげでターラちゃんが戦えていると思っているようです。

かつてのラスがその手の中傷をされていたことを知ってるくせに(リーヴィ本人もしてたが)、ターラちゃんのことはごく自然に『紅蓮姫に選ばれただけのラッキーガール』と考えてるんだな。しかも、本人たちに全く悪気がないのが性質が悪い。


>突然、彩糸の指からティーポットが滑り落ちた。

予兆もないのか


>やだ、彩糸、どうしたの?これ、気に入ってるって言ってたのに……

割れる描写を省略するな


>あなたにしては珍しいじゃない──。

護り手は紅茶を入れるのが仕事ではありません


>そう続けようとしたリーヴシェランは、彩糸の尋常ならざる様子に目を瞠った。

どんな顔してたんだ


>彩糸?

>どうしたの──と尋ねる間に、護り手の体はその場に崩れ落ちた。

いつかはこうなることはわかっていたでしょう


>彩糸!

>慌てて立ち上がり、彼女は彩糸の傍らに膝をついた。

リーヴィはいつまでも彩糸と一緒に紅茶が飲めるとでも思ってたのか。


>どうしたの、ねえ、彩糸ったら!

>それに答えることなく、虹色の髪と漆黒の双眸を持つ美女は「わが……き……」と呟いたのを最後に動きを止めた。

ターラちゃんが紫紺パパの話をしに来た時、奥の部屋に姿を消したのが怪しくないか?

彩糸はしっかり者だし、延命のための措置を既に取っている気がする。


>漆黒の瞳は開いたままだ──だが、そこに彼女の意志の光はない。

>不吉な予感に、リーヴシェランはいやいやとばかりに頭を振った。

喚くだけなら子供でも出来ます


>彩糸、ふざけないで……ねえ、起きてよ、起きってったら……彩糸!

大切な人を奪われた痛みがようやくわかった?

お兄さんは助けられたし、お姉さんも姿を変えて戻ってきて、実質あまり被害を受けていないから、リーヴィは比較的魔性に寛容だと思ってたけど。

彩糸を失ったことでアンチ魔性に鞍替えして、紫紺パパを憎悪するようになり、邪羅とひと悶着あっても構わない。そうすれば、闇ラスと並行して鎖サやセスサティや邪リのストーリーを絡めていけるはずです。まさかとは思いますが、紫紺パパを殺したターラちゃんを憎むとか、斜め上の方向には行かないように願います。

上級魔性に守られて、安全なところから文句を垂れてる彼らじゃなく、自分のエゴと向き合って葛藤する彼らが見たいんです。


>いくら呼んでも、その体を揺さぶっても、何一つ反応がないことを思い知らされるまで、いくらもかかりはしなかった。

505円+税


>いやよ、彩糸!こんなのはいやあぁぁっっ!

護り手に依存しすぎだろ

護り手を殺した鎖縛を許したサティンもちょっと極端だけどな……


>その悲鳴が途絶えた時、リーヴシェランは意識を失っていた。

ターラちゃんの後だと精神的に弱く感じる。これが魅縛師のメンタルの限界か。


>その傍らに護り手の女性の姿はなく──代わりに、光る砂の山が残されていた……。

シュールな光景だ




>その、少し前のこと──。

場面転換多すぎ


>浮城の奥まった場所に、護り手たちによって厳重に護られている氷室がある。

夜明けか……


>そこに異変が生じていた。

ラスの復活はもう少し劇的なものになるのかと思った。


>何かあればすぐ報告するよう、城長に命じられているはずの護り手たちが、誰もそうはしなかった。

アーヴィ苛めは許さない


>先日訪れた懐かしい客人から、別のことを『お願い』されていたからだ。

毎回思うんだが、魅了眼で言いなりにさせて空しくないんだろうか。


>最強の魅了眼の持ち主に逆らえる護り手はいない。

初期赤男「魅了眼の力は家族の中でラスが一番強いんだし」

おい!!赤男出てこいや!!説明してもらおうじゃないか!!


>かくして、彼らは氷室のなかで起きようとしていることを、興味深く見守ることにしたのである。

姫の目覚めは王子のキスがお約束だったはずですが、母親に起こしてもらった上、周囲には小人しかいないという……


>氷室の中心に置かれた櫃の中で異変は起こった。

腐らないのか


>心臓の動きを止めた、死体としか呼びようのない黒髪の娘の睫毛が小さく震え、その瞼がゆっくりと持ち上げられたのだ。

>そうして露となったのは、右の琥珀と左の深紅。

せっかくの復活なのに1ページちょいって……旧ヒロインに飽きたのかこのやっつけぶりは。


>ここは──?

まだ寝ぼけてやがる


>唇から洩れた声は、女性としてはやや低いものだ。

あのドエスリール状態からどうやってこの状態に戻したんだ?

闇主のところに行く!と喚くラスをチェリクが無理矢理昏倒させたのか?


>恐ろしい護り手も破妖刀もその傍らに存在しない今、彼女の問いに答えることを拒む護り手はいなかった。

そしてチェリクはどこに行った


>この先この娘が目覚めたら、どうかこの娘がしたいようにさせてちょうだい

散々引っかきまわしておいて後は丸投げかよ!!

ラスの好き放題にさせていたら碌なことにならないのは、ドエスリールの時点で判り切ってるじゃないですか!!


>チェリクにそう頼まれたからだけではない。

子供を警察署の前まで連れて来ておいて、さっさと帰ってしまう親がどこにいる。

ちゃんと自首するまで見届けろよ。そんなもん、すぐ引き返してきちゃうor弁護士のところに駆け込むに決まってるだろ。


>深紅の魔王の不可視の刻印を受けて彼女が浮城を訪れて以来、近づくことはなくとも、皆でその成長を見守ってきたのだ。

愛されラスはもうわかったから、その歪んだ愛が招いた現在の惨状について


>その彼女の目覚めを、喜ばぬ者はここにはいなかったのである──。

「ここには」と書くのは前珠先生の良心の成せる業か



゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚



ラスを目覚めさせるのが闇主ではないという不満点はまあ我慢するとして……(ドエスリール覚醒が、ある意味闇主によって目覚めたことになるのか)。

浮城に戻ったからと言って、このまま平穏に済みそうにはありません。氷室にいた護り手たちはともかく、カーガスさんにもウルガさんにも護り手はいた、仲間だっていた。彼女たちの死を悲しんでいる人々のことを考えられないのがラス応援団の惨さで、そういう悲しみを背負った人たちが仇討ちのつもりでラスに襲いかかった時、彼らが彼らを不条理に責めたり傷つけたりするのを見るのが辛いです。

今後の展開は……。

まだ自分の罪について十分自覚していないラスが、寝ぼけたまま浮城の廊下をふらふら歩いて、そこを目撃した浮城の住人に「化け物」とごく正常な反応をされたら、たまたま通りがかったサティン達に保護され、住人は罵倒された挙句また記憶操作で眠らされるとか、こういう流れなんでしょうか。


あるいは、このままサティン達のところには寄らず、闇主や瀕死の紫紺パパのところにワープするんでしょうか。前者なら闇主の瞼に猛烈な勢いで手を伸ばすラス、後者なら全てが片付いた後で自分の手柄のように誇らしげに現れるラスが見られます。

そう言えばラス、闇主の目をえぐり出すって言ってたけど、あなたのその左目は誰に与えられたのか、一度よく考えてみた方がいいです。また「闇主が勝手にしたことだから私には関係ない」「幻覚が見えて迷惑してるんだ」とか言い出すんだろうか。


お願いですから、ヒロインに早く成長を。(胸の話ではなく)



゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚


8巻のレビューはこれで終わりです。お付き合いありがとうございました。

闇ラスのない破妖なんて、お年玉をもらえないお正月に等しいです。