抱き締めあって見つめあっていたとき
コンコン
『本部長、私です。いらっしゃいますか?』
私たちはパッと離れた
そしてその声の主の事が可笑しくて
見詰めあって笑った
『ああ』
キィー
顔を覗かせたのはイ課長だった
『本部長、失礼します。
あら? ○ ○ さんもいらしてたんですか?
倒れたと聞きましたが…体はもう大丈夫
なんですか?』
と言いながら
私と本部長を交互に見詰めてくる
『イ課長、何かあったのか?』
『あ、はい、この後の予定が急に
入りまして…』
と言いながら私の方をチラチラと見てくる
私はお辞儀して
『本部長、私は失礼します。』
そう言って出ていこうとしたときに
本部長に腕を掴まれて
『あ、イ課長…少し席を外してもらえないか?』
少し面食らった顔というか
微妙な顔をした後イ課長は我にかえり
『はい。失礼します。』
とお辞儀して出ていった
『あの…セジャ
あ、本部長…大丈夫なんですか?』
本部長は微笑みながら
『二人の時はギョンスと呼んでくれないか?』
突然の事にドキマギしていると
私はまた本部長に抱き締められていた
『○ ○ は…まだ慣れないかもしれないが
私は早くこうしたかったし、これからも
一緒に過ごしていきたい…』
困惑している私を見て
頬笑む本部長
『ゆっくり考えてくれないか…
セジャではなく今の私の事を…二人の事を』
『…はい…』
トントン
『本部長…もうよろしいですか?』
『ああ、入れ』
『失礼します。』
私は本部長を見て一礼して
部屋を出てきた
長い廊下を一人ぼおーと歩いていた…
すると何処からか足音が聞こえてきて
振り向くとベクが心配そうな顔で
走って近づいてきた
『ばっ、、、おま、、、
探したんだぞ。今も本部長のところに………
本部長と居たのか?』
『・・・ 』
私は黙ってうなずいた
『ふぅ~…
で、どうだった?本部長に何か聞いたか?』
『…うん…』
『で、○ ○ はどうしたいんだ?』
私はベクを見詰めて…
私はどうしたいんだろう…
『本部長と居ると…
本部長の顔や声を聞くとセジャ様だ…
私はセジャ様と居るんだなって思う…』
『うん…』
『でも…ベクもビョンとは違うように
本部長もセジャ様とは違うんだと思う…』
『…うん』
『………今は…まだそこまでしか…
感情がついていかなくて………
自分がどうしたいのか…わからなくて…』
『…うん、それで良いんだよ』
『ベク』
『いくら生まれ変わりで前世の記憶が
あったとしても、それは生まれ変わる前の
話だ。俺や本部長とお前は違う。
お前は実際に今のお前が見て体験して
そして生れた気持ちだ。
悩んで悩んでいっぱい悩んで決めろ。
自分の心のままに自分がどうしたいかを
ちゃんと見つけるんだ。』
ベクはそう言うと私の頭を優しく
撫でてくれた
『ベク…ありがとう』
『うん、送るよ。帰ろう。』
『うん。』
私はどうしたいのか…
セジャ様を好きになって…
別れが来て…
そしてまた巡りあった…
このまま素直に本部長を受け入れて
二人で進んでいけば良いのか…
それとも…
-続く-
ここまでお付き合いくださり
ありがとうございました(^^)v
画像はお借りしました
ありがとうございましたm(_ _)m
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