最近は、賃金制度改定ネタが続いております。

 

仕事としてそのご依頼が一番多いというのが影響しているのですが。

そこで、社長さんや社長さんの奥様から現状の賃金制度のヒアリングを行うのですが、正直言って私でも聞いていて理解できない賃金制度の会社が多いです。

どうしてそのような事が起こるのでしょうか??

また、一番大切な賃金が、どう決まっているか分からないまま働く社員のモチベーションは??

賃金制度は分かりやすく作るに越したことはありません。

賃金だけがモチベーションポイントではないですが、とても重要な要素であることは確かです。

どういう制度が自社にあっているのか??

 

とても大事な問題だと思います。

 

 

・理解できなければ、納得感は生み出せないですね…

 

・全員100パーセントはムリでも、聞かれたら理解できるように…

 

私でも正直分からないのですが…

 

● 一番大事な賃金の決定方法が理解されていますか?

 

最近は、就業規則の作成や、企業の賃金制度の改定を依頼されるケースが多いです。

 

就業規則を作る際は、賃金規程の作成もセットで付いてきますので、どうしても賃金の話は切り離せません。

 

その際に、現状の賃金制度の確認をさせて頂きますが、気になる点があります。

 

私のお客様は殆どが中小零細企業なのですが、かなり高い確率で賃金制度の確認で引っ掛かります。

 

どこで引っ掛かるかと言うと「現状の賃金制度」が複雑すぎる。

 

複雑すぎると言うよりは、社長さんしか理解できていない、あるいは社長さんの理解も曖昧だということです。

 

社長さん、あるいは経理等を担当している奥様などから一生懸命説明頂くのですが、正直私も分からないケースが多いです。

 

就業規則を作成する際に「賃金規程」の作成に一番時間がかかるケースも多いです。

 

その理由は簡単です。

 

現状の制度が難しすぎて、正直私が聞いても理解するのに時間がかかるからです。

 

私は一応就業規則や賃金制度のプロです。

 

そのプロの私が聞いても理解不能なケースが多いです。

 

自分が会社から貰うお給料がどうやって決まっているか??は社員にとってとても重要な事だと思います。

 

ですので、お互いにその部分の理解が進まないというのはもったいないですし、労働者の不満がたまるリスクも大きいですね。

 

理解が難しい時に、私が社長さんや奥様に聞く質問があります。

 

「一生懸命説明頂いている御社の賃金制度ですが、今の説明で御社の社員の方は理解されていますか??」

 

● 賃金制度が複雑になる原因とは??

 

そんなケースを沢山見てきた私が考える賃金制度が複雑になりすぎる原因をいくつか挙げてみます

 

1、     余計な手当てが多すぎる

これは、理解不能な賃金制度が存在する中小企業の殆どのケースに当てはまります。

 

その場その場で短絡的に導入した意味不明な手当てが残っているケースが殆どです。

 

要するに

「Aさんに払っている〇〇手当てが、どうしてBさんには支払われていないのですか??」

「この手当の根拠は何ですか??」

ということです。

 

2、     先代からの継続

二代目経営者の悩みで一番多いのがこのケースです。

 

先代が「適当に…」というと怒られますが、先代の頭の中でしか分からないルールをそのまま引き継いでしまったというケースです。

 

二代目としては賃金制度改正に着手したいのですが、一番デリケートな部分に手を付けるのが怖いという意識もあるのでしょう。

 

3、     特殊な賃金体系

業種によっては、とても特殊な賃金体系を導入している業種もあります。

 

最近よくご相談を頂くのが、歩合給を絡めた賃金制度改定です。

 

歩合給は、一定の業種では広く取り入れられておりますし、その特殊性から私も業種によっては積極的に取り入れるべき賃金制度だと考えております。

 

ただ、その決定方法が複雑になりすぎているケースが多いです。

 

そのために、社員にとっても、自分がどれだけ頑張れば、それがどれ位の賃金として跳ね返ってくるかが理解できないケースも多いようです。

 

● 賃金制度問題解決のヒント

 

ここでは解決手法を詳しく書き出すことが出来ませんが、簡単に解決のヒントを載せていきますね。

 

1、     手当の統合・廃止

まずは、余計な手当てに関しては思い切って統合・廃止を進めましょう。

 

先代から継続している説明不能な手当ても含めて。

 

「廃止などしたら、その手当を貰っている社員から不満が噴出するだろう」という声が聞こえそうですが、それは当然です。

 

廃止した手当てをそのまま無くすのではなくて、その部分の原資を他の説明可能な手当て等に振り分けて、社員の手取りを減らさないように工夫していきましょう。

 

2、     特殊給に関しては、現場の声を反映しつつ進める

特殊給、例えば歩合給などはその決定方法を単純にすることが第一です。

 

ただ、単純にするといっても、それによって社員のモチベーションを下げては意味がありません。

 

歩合給は、社員のモチベーションを上げる大きな手法です。

 

ですので、この部分がしっかりと社員に伝わっていないと会社側としても非常にもったいないです。

 

社員がしっかりと理解できて、更にモチベーションが上がるポイントを抑えた賃金の決定方法を、現場の声を反映して決定していきましょう。

 

賃金は、とても大きな労働条件です。

 

ただ、この部分が非常にあいまいで、必要以上に複雑になっているケースが多いです。

 

これは、非常にもったいないし、リスクが高いです。

 

とにかく、中小企業の賃金制度は、法律が許す範囲内で「分かりやすく」「モチベーションを上げる」体系を作り上げることを意識していきましょう。

 

今月の気付き

 

・複雑すぎる賃金制度はもったいないし、リスクが高い…

 

・現場の声を反映しつつ、誰でも分かる体制を整える

 

・中小企業は特に「分かりやすく」「モチベーションを上げる」の2つを意識!!