40歳にして男女の双子の父親になり、日々子育てに奮闘してブログの更新をしばらく放置してしまったが、少し時間が空いたので久々書きたい。


僕は昔から好きなキャラクターは専ら主役ではなく脇役だった。

ドラゴンボールならヤムチャが好きだったし、スラムダンクなら通称3年の池上なんかが好きだったように、あまり目立たないキャラに思い入れがあり、たまにそれらが日の目を見ると嬉しくなったりした。


プロレスでもそれは同じで、新日ではJ.J.JACKSや反選手会同盟が気になったし、全日では渕正信や小川良成のファンだった。

まあ渕はそれなりのポジションを確立していたし、あえて目立たないポジションに甘んじてたような感じだったが、小川は若手の頃はほんとに目立たなかった。必殺技のネックブリーカードロップやチンクラッシャーなんかを出しても客は無反応だしね。

後輩の菊地は鶴田の非情な攻撃へのやられっぷりで注目されてたし、小橋も明らかに出世コースを進み注目されていたが、小川は身体も細いし何かと地味だった。身体が大きいレスラーを評価する馬場さんからすれば、太れない小川に良いポジションを与えるのは難しかったんだろう。だがそのレスリングテクニックは馬場さんも一目置いており、そしてやっと日の目を見る。


3度目の正直でやっとダニー・クロファットから世界ジュニアを奪取。

ファンとして、めちゃくちゃ嬉しかったことを思い出す。目立たない者好きの醍醐味である。


だが、その後はまたパッとせず。さらに後輩の秋山や大森の引き立て役に甘んじてしまう。

なかなかうまく行かないもんだと思ったが、またチャンスは巡ってくる。


三沢のタッグパートナーになるとの噂が立ったのだ。これには興奮した。

そして98年のシングルの秋山戦後にこれは現実となる。

負けはしたが、僕はこの試合はシングルの小川のベストマッチだと思っている。

その後正式に三沢のパートナーとなってからは、三沢がリング禍で亡くなるまでタッグは続いた。かなりの出世である。

三沢とタッグを結成してからは全日でもNOAHでもたくさん良い試合があったが、僕は今でもたまに見たくなる大好きな試合がある。

テレビは有機ELでも、今だにビデオデッキを繋いでいるのはその年の世界タッグ選手権での   三沢・小川対小橋・秋山の試合を見るためだ。

僕が今まで観てきた全てのタッグマッチで1番好きな試合だ。

試合は先に述べたシングル同様、秋山のエクスプロイダーで小川が取られてしまったが、主役は三沢や小橋ではなく、小川だった。

昔は無反応だった小川のネックブリーカードロップも、この試合では拍手喝采であり、

会場のファンは皆小川の試合運びに魅了され、 超ベビーフェイスの小橋がヒールになったかのようにブーイングを浴びせていたのは印象的だったし、冴えない頃から小川のファンだった自分としては最高の試合だった。


ネットで探してもこの試合はなかなか出てこないだろう。でもプロレスに興味のない人には是非見てもらいたい試合である。

昔三沢のコメントで、プロレスを斜めから見ている人達に対して、実際に見てもらえば絶対に納得させる自信があるみたいなことを言っていた。

こーゆー試合のことを言ってるんだろうなと勝手に今だに思う。