正直言って、それほどリーガルの試合は見たことがない。特にアメリカでの試合はあまり記憶にない。それでも、たった数試合、下手すれば1試合しか見たことがなくても記憶に残るレスラーは存在する。

僕が初めてリーガルの試合を見たのは、ロード・スティーブン・リーガル時代の新日での橋本戦。

当時の橋本は新日の強さの象徴。その橋本に挑む僕にとっての見知らぬ外国人レスラーは、ただ橋本を強く見せるためだけのあまり意味のない消化試合のような感じになるんだろうと鷹を括っていた。
だが、ランカシャースタイルのねちっこいグラウンドレスリングと、橋本の重爆キックを受けても倒れない打たれ強さで対等に試合をしていた。
あれ?もしかしたら橋本やばいんじゃね?と思った記憶がある。
いつの間にかリーガルに魅了されていた僕は、こいつのフィニッシュホールドはなんだろう?と気になった。そしてその直後に出したロイヤルストレッチ。派手な投げ技などではなく、独特な体勢からのオリジナルなストレッチ技。このレスラーにぴったりの技だなと納得したし、その後に橋本の伝家の宝刀、垂直落下式DDTを返したのを見て、完全にファンになった。

たくさんのトップレスラーが返せなかった橋本の垂直落下式DDTを返すことが許されたのは、新日のマッチメイカーや橋本からそれだけのレスラーだと認められている証拠だし、時系列では橋本戦より前になるが、WCWでの猪木戦に抜擢されたのも、そのレスリングテクニックを高く評価されているからだと思う。

その猪木戦、TSUTAYAでビデオを借りて見た。
試合もアメリカンプロレスと言うよりストロングスタイルな感じで面白かったが、何よりリーガルの試合前のインタビューがかっこ良かった。
本当に英国紳士と言う感じ。
やっぱり華のあるレスラーは試合以外でもその色気を醸し出しているし、これは常日頃から意識していないと出せない。この辺の華の部分は格闘家には逆立ちしてもレスラーには勝てないだろう。

と言うかあの容姿で、ビル・ロビンソンばりのダブルアームスープレックスやヨーロピアンアッパーカットを出すんだからかっこ良くない訳がない。