桜庭一樹さんの推定少女、表紙の絵だけで決めて購入。作風が広い方なので、読むまでどんな内容かまったく想像できませんでした。
ーーあらすじーー
自分のことをボクと呼ぶ、中学生の巣篭カナ。突如彼女を襲った出来事をきっかけに家を飛び出し、逃亡中に謎の美少女「白雪」と出会います。行き場を失い二人は一路東京へ。そこで偶然知り合った千晴と共に、現実とも幻覚とも言い難い非日常のような世界で生きていくことになります。
ーー感想ーー
正直、序盤の裸の美少女出現で読んではいけない小説なのではと思ったのですが、話を進めていくうちに不思議な気持ちになっていきました。彼女らと同じ年代の頃に感じていた大人の嫌な姿、そして自分もこうなってしまうのだろうかという焦燥感が蘇り、いつしかカナたちと一緒にいたいという感情が生まれていました。
最初は薄っぺらい冒険に見えるけれど、それは実は自分のいる世界がそうだからなのかもしれません。読み進めて彼女たちのサイドに立った時、その世界は可能性に満ちていたから。
SFチックな作品にして柔らかく描いているけれど、アイツらはきっと子供から見た大人たちの姿なんじゃないかなと思います。
エンディングが3つもあるんだけど、どれを選ぶかはあなた次第。でも別に1個で良かったような気もするけど。
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