【6月25日 AFP】欧州委員会(European Commission)のジャンクロード・ユンケル(Jean-Claude Juncker)委員長は、英国の欧州連合(EU)離脱について、「円満な離婚ではない」が速やかに行ってほしいとの考えを示した。
http://www.afpbb.com/articles/-/3091773
AFPによると―
ユンケル委員長は24日、ドイツ公共放送ARDに対し、「英政府が(EU本部が置かれているベルギーの首都)ブリュッセル(Brussels)に離縁状を送るかどうかを決断するのになぜ10月まで必要なのか、私には理解できない」として、「私としては直ちに送ってほしい」とコメントした。
またユンケル委員長は、EUは英国の残留を望んでいたが、今となっては、離脱の手続きをできるだけ速やかに、なおかつ痛みを伴わない形で進めることが肝心だとし、さらに、「(EUと英国は)円満な離婚ではないが、親密な恋愛関係というわけでもなかった」「英国とEUにとって良き日ではないが、私たちは前に進まなければならない」と述べた。
― 冷戦が終わって、アメリカ主導の世界経済に対し、ヨーロッパ市場が“ひとつ”になることでアメリカに対抗する意味合いが強かったEUですが、イギリスは通貨面でもポンドに固執するなど、歩調を合わすことを嫌ってきました。
軍事面でも、例えばイラク戦争のようにアメリカ追随、というかアメリカと一体でした。
イギリスのEU離脱は、短期的には離脱派が“溜飲を下げる”だけで、中長期的にみると、“自縄自縛”の離脱になる可能性が大きいと思います。
もともとは敗戦国のドイツを封じ込めるために、イギリスが中心になって経済共同体を設立、チャーチルは「ヨーロッパ合衆国」を提起したこともありました。
しかしドイツの経済発展で、なかなか主導権を取れないイギリス(イングランド)は「大英帝国」の誇りを傷つけられ、ずっとEUに対する不満がくすぶっていたのでしょう。
日本も含めて、大戦を経験した20世紀、世界はズタズタになりました。
21世紀をどういう時代にするのか、国家が対立するのではなくて、協調する時代に変えなければなりません。
どこの国にも“過去の栄光”にすがる人々がいます。
政治がミスリードすると、とんでもないことになります。
アメリカの“トランプ現象”もそうです。