*古高俊太郎様*



「…かいらしい寝顔やな」


彼は、隣りに眠る彼女の柔らかい唇にそっと触れた。


「こない顔されたら、なんも出来ひん…」


十六夜の月が、彼の心を乱していく。


いつ尽きるとも知れない命…。



*艶が~る幕末志士伝* ~もう一つの艶物語~



「死ぬんは怖ないが…ただ、」


ただ、彼女を悲しませたくない。


真っ赤な月が、彼の想いを消し去っていった。





Special thanks.

てふてふあげは さん