*徳川慶喜様*



「何度見ても、安らぐな…」


隣りで眠る彼女の手を取ったまま、愛おしそうに囁いた。


「…今夜こそ、お前に想いを告げたかったんだが…」


顔を出す度に美しくなっていく彼女に、複雑な想いを抱きながらも、会いに来ずにはいられなかった。




*艶が~る幕末志士伝* ~もう一つの艶物語~



願いは、ただ一つ。


いつ、この想いを告げようか?



「いつか、全てが終わったら…」


優しい眼差しを向けたまま、時許すかぎりその安らかな寝顔を見つめていた。




Special thanks.

てふてふあげは さん