<艶が~る、妄想小説>
今回は、翔太きゅん再UPどす
龍馬さんのを書いていると、必ず翔太きゅんも出てくるから…書いた気になっていましたが…翔太きゅんのってあまり書いていなかったんですよね…
翔太きゅんとの艶話も書いて!とのご意見もいただいたので頑張ってみました(笑)そして、龍馬さんも必ず出るっちゅうね
相変わらずの駄文で、勝手な妄想小説ではありますが…良かったらちなみに、「新枕」とは…初めて男女が枕を並べて寝ることらしいです(ムフフ…)今回は、翔太きゅん目線で書いてみました
そして、無理を言って翔太きゅんと主人公ちゃんを描いていただきました!
イラストは、ellyはん
どす特に、沖田さんが好きだとのこと
可愛い二人をありがとうございました!
【新枕】(前編)*結城翔太*
季節は夏本番を迎えた頃、俺は龍馬さんと○○と一緒に薩摩の温泉宿へ来ていた。
龍馬さんの傷ついた手を治す為ではあったが、○○が同伴することになって一緒に居られることはとても安心だし、嬉しいことだった。
だけど……。
「翔太くん…」
「え?」
「どうしたの?こんなところでぼーっとして」
彼女は、縁側に腰掛けていた俺の隣りにちょこんと座り込むと、優しい微笑みを浮かべた。
「いや、別に……」
「そう?なら、いいんだけど…」
この笑顔を守りたくて、俺は龍馬さんや他の藩士の方々から剣術を学び、ある程度の知識も学んできた。
この時代で生きていくことの難しさを思い知らされたから…。
いつだったか、龍馬さんと一緒に○○に会いに行った帰り道、偶然、新撰組に出くわしたことがあった。
『龍馬さん!壬生浪が…』
『ん?どこじゃ?』
余裕の表情で答える龍馬さんに少し唖然としながらも、俺達は狭い路地に身を隠して奴らが立ち去るのをじっと待ち、去っていったのを確認すると、周りを気にしながらまたゆっくりと歩き出した。
『こがな夜中まで、ご苦労さんじゃのう』
『本当に……』
その後もしばらく用心しながら、とある路地を曲がった時のこと。今度は、前方からやってきた数名の壬生浪と居合わせた。
(……やばいっ……)
『おぬしら、そのようなところで何をしている…』
奴らは、俺達を見るなり駆け足でこちらへ近づくと、今度は龍馬さんを見ながら刀の鞘に手を置いて、「おぬしは…」と、呟いた。
すると、龍馬さんは、刀を抜こうとした俺の手を握ると、「逃げるがじゃ!」と言って、踵を返し一目散に走り出した。
(えっ……)
俺は、龍馬さんの後を追いかけつつも、血相を変えて追いかけて来る奴らの目を晦ますと、また路地裏に逃げ込んで、壁伝いにしゃがみ込みながら息を整えた。
『はぁ…はぁ…はぁ……』
(龍馬さん、無事に逃げられたかな…)
しばらくして、周りを窺いながら龍馬さんが走って行ったほうへ急ぐと、すぐ近くの路地裏で息を整えている龍馬さんを見つけて安堵の息を漏らす…。
『龍馬さん…良かった…』
『おう……翔太も無事じゃったか…良かったぜよ』
『龍馬さん……何で逃げたんですかぁ…』
『逃げるが勝ちやきな!』
『はぁ??』
首を傾げる俺に、龍馬さんはまた微笑むと、静かに口を開いた。
『……無益な殺生は好まんがじゃ』
『……………』
あの時の一言が、今でも俺の心の中に残っている。
剣術に長けている龍馬さんなら、きっと負けることは無かっただろう…でも、あえて戦いを避けることで、俺を守るだけではなく、相手の事も考慮しての行動だったのかもしれない…そう思うと、【命を守る為の剣】のもう一つ意味を、改めて教えられたような気がした。
やり方は、どうあれ…。
やっぱり、厚情に満ちた志の強い男だと、改めて思い知らされたのだった。
それに俺は、龍馬さんの生き方が大好きだ。
誰よりも周りの人たちのことを思いやり、日本の未来を考えて行動しているし、上手くいかないことがあっても、くよくよせずに邁進し続けるその姿は、本当に格好良いと思えるから。
だから、あいつが龍馬さんを好きになるのもよく分かるんだよな…。
それから間もなくして、俺達はそれぞれの分担された役割を果す為に時間を費やすことになった。
彼女は夕食の準備をする為に台所へと行き、俺は龍馬さんと共に雑用をこなし、そして、揃って夕食を済ませると、龍馬さんと一緒に温泉へ足を運んだ。
手拭いを頭に乗せて、気持ち良さそうに温泉につかっている龍馬さんの顔を見つめながら、さっきのことを思い出す。
(やっぱり…この人には敵わないかな……)
自由気ままでいながらも、やるべき事をやり遂げようとする実行力を持っているし、夢を実現させるための努力は人一倍だし、傍にこんな人がいたら……惚れないわけないよな。
「翔太、何を考えちゅうんだ?」
「えっ?な、何がですか?」
「最近、ぼーっと何かを考えちゅうことが多いきに」
「そ、そんなことは…無いですよ…」
躊躇いながらもそう答えると、龍馬さんはにこにこしながら言った。
「○○のことかや?」
「えっ!?」
「翔太は、○○のことを好いちょるんやろ?」
「い、いえ…あの……」
「照れること無いぜよ、みんなお見通しじゃ!」
龍馬さんは立ち上がり、背にしていた岩に腰掛けると、頭の上の手拭いを大きく広げて腰元に乗せた。その広い肩幅と、厚い胸板、日に焼けて引き締まった身体は鍛えられた証拠だ。
(やっぱ、この人と張り合おうなんて無理だよな…でも…)
「俺、この時代に来て…あ、いや、龍馬さんと知り合ってから、あいつを守ってあげたい…そう思うようになりました。今までは、ただの幼馴染だと思っていましたが、それだけじゃなかったことに気がついて…」
「……ほうか。○○も、翔太にほがなふうに言われたら、喜ぶじゃろうな」
(そんなことはない…あいつは、あなたの事が好きなんですよ…龍馬さん)
そう、心の中で思いながら、心にも無いことを口走ってしまう…。
「龍馬さんは…あいつのこと、どう思っているんですか?」
「ん、わしか?わしは、あの子のことが大好きじゃ!わしにとって、おまんらは家族も同然やき」
「……龍馬さん」
「翔太、自分の気持ちに素直になるちや…」
(素直に、か……)
半ばのぼせ上がった頭でその意味を考えた。
いつか、素直にあいつに告白出来る日が来るのか…と。
龍馬さんに初めて素直な気持ちを告げたその夜、俺が密かに思い描いていたことが現実のものとなるのだった。
「おかえりなさい」
「いいお湯だったぜよ!おまんもはよぅ、行ってこいや」
龍馬さんは、俺達を笑顔で迎え入れてくれた彼女に温泉へ行くように促すと、また俺に向き直り小声で言った。
「翔太、今夜こそ…○○に想いを告げるんじゃ。えいな?」
「えっ……いきなり何を言ってるんですか!」
「……どうしたの、翔太くん?」
「い、いや…なんでもない!お前は早く入って来いよ…」
彼女は、慌てふためく俺に首を傾げながら、「いってきます」とだけ声をかけて部屋を後にした。それとほぼ同時に、龍馬さんは俺の肩をグイッと抱き寄せ、「男じゃろう?」と、言って微笑んだ。
「そ、そんなこと言われても…」
俺は、ただ俯いたまま黙り込むことしか出来なかった…。
あいつの気持ちを無視して、自分の気持ちを伝えることは出来ないし、それに、龍馬さんのような強い男になるまでは……そんな思いが俺の中にあるから。
けれど、龍馬さんはさらに俺の肩を抱きしめると、ニカッと笑って言った。
「翔太、相手の気持ちばかりを考えちょったら、なんちゃーじゃ(何も)出来んぜよ」
「そ、それはそうですけど…あいつは、その……龍馬さんのことが好きなんですよ」
思いきってそう言うと、龍馬さんはほんの少しだけ驚いた顔をしたが、俺の肩をそっと離して穏やかに語りだした。
「なぜ、そう思うんじゃ?」
「それは…」
「いつじゃったか……わしが一人で島原へ行った時、あの子はおまんに会いたがっちょったが。それに、話題になるんは、おまんのことばかりじゃったがよ…」
「……………」
「あの子はきっと、おまんから想いを告げられるがを待っちゅう…」
その言葉を耳にして、心臓がドキドキと高鳴り始めた。
「……………」
「わしは、そう思っちゅう。さっきもゆうたが、自信を持つぜよ!翔太」
龍馬さんはそう言って、またニカッと笑いゆっくりと立ち上がると、開いたままの障子に手をかけながら、「翔太、男になるぜよ!」と、言い残して自分の部屋へ戻って行った。
「男になるぜよって……」
一人残された俺は、思わず龍馬さんの言葉を反復し、あいつのことを考えた。
そして、今夜こそ…抱き続けた想いを告げたい…そう、思った。
<後編へつづく>
~あとがき~
それぞれの旦那はんの艶シーンを書いてきて、一通り済んだぞぉぉなんて思っていたら…翔太きゅんがまだだったぁ~なんてことになり、思いっきり想像して書いてます(笑)
そういえば、翔太きゅんの艶話って、他の作者さまのも読んだ事無かった…。素敵な翔太きゅんが書けますように…。今、執筆中どす
そして、本編龍馬さん……また、花エンドに終わってしまいました
せっかく、ピストルがあるというのに…水エンドにならないと読めないなんて…ひどいよぉぉだからって訳ではありませんが…翔太きゅんルートの鏡エンドを目指そうと思いました
翔太きゅんは、一回目水だったのですが…翔太きゅんの鏡はどないなんだろうと思って
初の鏡エンド…読みたいような…読みたくないような…って感じです
今回もまた、遊びに来てくださってありがとうございました