チューリッヒで、成田行きの飛行機に乗り継いだ。
マドリッドからチューリッヒ行きの機内には、日本人は一人もいなかったが、ここは日本人であふれていた。
日本人同士の安心感からなのか、旅の締めくくりに興奮しているのか、おしゃべりに花を咲かせている。


安堵感はなかった。
むしろ、嫌悪感に近い違和感を感じた。
スペイン語の世界に耳が慣れていたせいか、日本語が騒音にすら聞こえたのかもしれない。


スペイン語の響きが好きだ。
まるで歌をうたっているかのように、リズミカルで、音程のついた話し方。
意味はまるでわからなくても、耳に入ってくるだけで心地いい。


「 ! Hola ! 」
の一言だって、「 o 」にアクセントをつけて、少し声を高めに発音すると、すっごくかわいい。
実際、何人ものスペイン人女性がこの言い方をしていて、年齢に関係なく、少女っぽく映って、とってもかわいかった。

「 ? Donde esta ? 」
こちらも抑揚をつけて話すと、魅力的に。

「 Buenos dias 」
午前の挨拶。はっきり発音せずに、ごにょごにょっとだるそうに、ホテルのスタッフが言っていたのが印象的だ。


Quiero hablar español!