「知識より知恵」の時代、親子の対話で子供の考える力を育てよう! | フランス流自分らしい子育てで、ママも子供も笑顔になろう!

フランス流自分らしい子育てで、ママも子供も笑顔になろう!

イヤイヤ期の息子に振り回されてばかりだった私に、あるフランス人のママが教えてくれました。「ママが夢を叶えて幸せに生きている姿を見せることで、子供は安心して成長していけるのだ」と。ママが幸せになるための秘密がつまった「フランス流」の魅力をお伝えしていきます。

「どちて坊や」ってご存知ですか?

 

昔のアニメ「一休さん」に出てくる

小さな男の子なのですが

 

「どちて頭に毛がないんでちゅか?」

「どちて指をくるくるするんでちゅか?」

 

とにかく「どちて?どちて?」の質問攻めで

一休さんをも困らせてしまう

なかなかのツワモノです。

 

我が家の3歳になった息子は

少し前から「どちて坊や」状態になり

 

毎日、「なんで?」「どうして?」を

とにかく連発しています。

 

絵本を1ページめくるごとに

5、6個は質問が飛んでくるし

 

こちらが答えれば答えるほど

深く核心に迫った質問が返ってくるので

返事に困ることもしょっちゅうです。

 

忙しい時や、疲れている時には

ちょっと面倒だなと思いつつ

 

子供の好奇心を育てるためにも

できるだけ答えるようにしているのですが

 

「どうして地球は回ってるの?」

「なんでボクたちは地球に住んでいるの?」

といったスケールの大きな疑問や

 

「どうして生き物は死んじゃうの?」

「赤ちゃんはどこから来るの?」

といった定番の疑問など

 

容易に答えられない質問の数々に

頭を悩ませてばかりです。

 

そんな「子供との対話」というテーマに関して

 

パリ在住のフリーライター林瑞絵さんの

「パリの子育て・親育て」という本の中で

 

とても興味深いコラムがありましたので

ご紹介したいと思います。

 

 

《哲学をする子供たち》

 

哲学といえば、なんとなく

哲学科の大学生や偉い学者さんが勉強する

というイメージがあるのではないでしょうか。

 

でも、フランスでは、哲学は必ずしも

大人だけのものではないようです。

 

 

パリから40キロほど離れた

ル・メ=シュル=セーヌという町の

とある小さな公立幼稚園で

 

世界初の試みとして

3歳から5歳の子供たちへ

2年間にわたり哲学の授業が行われました。

 

先生がロウソクに火を灯すと

子供たちの思考の旅が始まります。

 

自由とは?愛とは?

豊かさとは?リーダーとは?

死とは?幸せとは?

 

最初は全くの無反応。

沈黙ばかり続いて先生も不安になったけれど

 

回を重ねるごとにだんだんと

論理的な思考を身につけて

子供同士で意見を分かち合うようになりました。

 

「恋をするとどうなる?」と質問すれば

「お腹がくすぐったくなる感じ」

「心がお腹にあって赤くなる」

 

「自由とは?」と問われれば

「自由とは一人でいられること

呼吸して、人に優しくなれること」

 

時には、鋭く本質を突く言葉も飛び出したりして

周りの大人たちを驚かせるのだそうです。

 

ちなみに、この授業を追った2年間の記録は

「小さな哲学者たち」という

ドキュメンタリー映画にもなりました。

 

 

 

林瑞絵さんは、授業に参加する子供たちを

「太陽に向かってツルをいっぱいに伸ばす

朝顔のようだ」と表現しています。

 

 

先生は、子供たちが迷子にならないように

植木鉢に支柱を立てるけれど

 

どのようにツルを伸ばしていくかは

あくまで子供たち次第

 

決して大人の考え方を押し付けることなく

子供が本来持っている知恵や賢さを信頼し

 

問いかけによって

辛抱強く言葉を引き出していく

 

そのような対話の力こそが

子供の考える力を育てるのだという言葉に

ハッとさせられました。

 

フランスでは哲学を本格的に学ぶのは

高校生になってからであり

 

小さいうちから哲学を学ぶ意味について

懐疑的な意見もあるそうですが、

 

世の中には正解のない問題もある

ということを知ること

 

そしてそのような問題を自分なりに考え

自分の言葉で表現することは

 

好奇心にあふれ

柔軟に物事を考えることができる

 

小さな子供のうちから教えてあげることが

とても大切なのではないかと感じました。

 

 

《子供と対話をしよう》

 

私はこれまで、子供の「どうして?」に対し

できるだけ正しい答えを与えてあげることが

大切なことだと考えていました。

 

自分がよく知らないことはその場で調べ

子供がわかるように何度も教えました。

 

もちろん、それはそれで

大切なことだと思っていますが

 

それだけでは、対話というよりも

一方的な授業という感じですし

 

子供にとっても

人から正解をもらうことを待つばかりで

自分で考える力は伸びませんよね。

 

なので最近は、息子が質問してきたら

「はやくんはどうしてだと思う?」

と聞き返してみたり

 

息子が自分で答えを導き出せるように

ヒントとなるような言葉かけをするよう

心がけています。

 

先日、家族で食事をしている時、

息子はおしゃべりばかりで全然手が動かず

最後は決まって「ママ食べさせて〜」と言うものだから

 

「どうしてママははやくんに

ご飯を食べさせてあげないといけないの?」

と聞いてみたところ、

 

「甘えん坊だから!」

 

と息子は自信満々に答え

食卓が笑いであふれました。

 

そのあまりに的確な自己分析に

感心すらしてしまいました。

 

子供ですから、

こちらの質問に答えてくれなかったり

すぐに他のことに興味が移ってしまうことも

しょっちゅうありますが

 

そんな風に、対話を楽しみ

親子の絆を深めながら

 

子供の考える力を伸ばすことができたら

とても素敵ですよね。

 

 

 

最後までお読みいただき

ありがとうございました。

 

 

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