最近、算数力について研究しています。

実は私は5歳~12歳くらいまで、算数の公文をやっていたんですね。(当時は先行して学習できる教材がそのくらいしかなかったような気がします)
たまたま、母の従兄弟が公文の先生で、そこから教材をまとめていただいて、家で解いてまとめて採点してもらうというスタイル。ちょっと特殊な取り組み方でしたが、それによって、学校の算数に困ったことはなかったんです。ある時までは。

そう、中学3年生になって、急に数学でつまずくようになったのです。数学だけが、思うような得点取れない。
慌てて、数学だけの個人塾に入り、ひたすら1人篭ってブースで難問を解き続けるということを2~3ヶ月続けると、今度は数学が一番の得意科目になっていきました。
ところが今度は、高校に入って一転、サイン・コサイン・タンジェントとかの世界になると、もうスピードについていくのがやっと・・・。何?なに?なんのことなの~?

そんな自身の経験から、算数・数学に必要な力ってなんなんだろう、とずっと思っていました。
計算力?じっくり考える力?
一方、算数・数学から得る力ってなんなんだろう、社会でどう生かされているんだろう…。
今でも思います。

母勉を通して、いろいろな教材や本を手にしながら、だんだん答えが見つかってきたような気もします。が、まだ熟考中でもあります。

計算力×思考力(粘り力×推測力×◯◯力)×◯◯力=算数力?

そんなことを考えていたら、素晴らしい場所を発見しました。
ぜひ行ってみたいです。

◼︎東京理科大学神楽坂キャンパスの中にある「数学体験館」


その館長を務めるのは、数学者として時折メディアで見かける秋山仁教授(東京理科大学 理数教育研究センター長)。
その館長からのメッセージをご紹介します。

「名曲の楽譜を見せられても普通の人には喜びも感動もありません。御馳走のレシピを手にしても、それがどんな美味しい料理に変身するのか想像がつきません。それと同じで、数学の美しい理論も数式だけでは無味乾燥に感じる人が沢山います。数学の理論には寸分違わぬ真実の美があります。その美は多数決の原理によって覆されることもなく、時代を超えて変ることもありません。さらに、その美は巨億の富を以ってしても占有できません。しかし、望む者には誰にでも無償で手に入れることのできる人類の知の共有財産です。しかし、その美が無色透明なため、なかなか享受できないのが難点です。そこで、この難点を克服するために、あの手この手を用いてこの美を具象表現し、数学を五感で体感できるようにしてみました。みなさんはそれらを見て、また直に触れて、思考の空間を存分に旅してください。ひょっとすると、数学に対するあなたの見方が180°変わるかも知れません。」

行きたくなりますね(笑)。
そう、数学の理論は望めば誰でも無償で手に入れることができるのに、
それが”無色透明”だから、なかなかその良さを享受しがたいもので、遠い存在となってしまうのでしょう。
sin/cos/tanの時にまさに私が感じたことでした。
その一般人の感覚を問題視して数学を体感できる施設を作っちゃったって、まさに課題を見つけ解決する数学者らしい気がします。

秋山センター長は、別の教材のメッセージでこんなことも書いていました。
「ルールを正しく理解し、運用できる能力は算数においてとても重要で、学習習慣づくりの基盤にもなるものです。その意味で、ゲームは、ルールを学ぶのに最適な教材といえます。
ゲームでは、自分が不利になることもあるでしょう。そんな場面では、次の手を工夫しなければなりません。問題を解決する「より良い方法」を探す姿勢が身につきます。同時に自分が勝つための手を工夫するだけでなく、未知のカードはどのようなものか、相手や仲間がどんなふうに考えているか推測する場面もあり、コミュニケーション能力の発達にもつながります」

つまり、母勉でゲーム感覚で学習することそのものが、算数にとってとても重要ということですね。
ちなみに、ここでいうゲームは、テレビゲームではないですよ(笑)。
このメッセージが書いてあった「算数ゲームブック」ついては、また次回ご紹介しますね。

みなさんは、算数・数学に必要な力、算数・数学によって得られる力って、なんだと思いますか?