子供達が卒園、卒業した保育園、幼稚園や小学校から、時々ちょっとした依頼が入ります。

今現在に在園中、在学中のお子さんが「発達障害だ」と診断されたけれど、どうしたらいいか放心状態なので、何か助言または参考になるようなもの(本など)はないか、と度々聞かれるのです。



田舎なので診断はされるのですが、療育というものがとても参加できる機会が少なく、また場所も限られるため遠すぎると小さい子、しかも泣き叫びやパニックを起こしやすい子を連れていけないという保護者の方も多いです。


ですが直面したこの状態をどうしたらいいか、がわからない・・・とのことなので、先日は最近目にしたこの本をすすめてみました。なかなか好評で、落ち着くことができたとのこと。

「子どもが診断されたけど、どうしたらいいかわからない」という方に、入門編としておすすめです。





発達障害の子供を今後、どうサポートしていくか、親としてどんな風にこの発達障害というものと取り組めばいいか悩むときに知って置いてほしいことが書いてあります。


私的に良いと思う点は、

「幼稚園はできるなら選べた方がいい」

「通常級(普通級)にこだわらない」

という、子供に合わせた環境を選ぶ、という考え方です。


この環境を選ぶということに抵抗がないようにしていくことが、子どもの精神を健康に保つコツだと思っています。逆に言うと、「この公立の、この普通級でなにがなんでもやっていけるように、もしくはなんとか頑張ってほしい、なんとか普通級でやっていってほしい、そのために 工夫でなんとかしたい」というのは、先に決めた条件ありきでもがくということなので、無謀だとも考えています。場所ありき、でなんとかしよう、というのは選択肢や活動場所、条件があまりに狭く限られているので、発達障害の子供には一番過酷な「押し込め型」の生活をさせてしまうことになるだろう、と思っています。


あとは療育の考え方や、「こども」を観察して、子供を理解していくという姿勢に同感だと思える箇所が多々出てきます。


一つ一つの項目は簡潔にわかりやすく書いてあります。ですが、どれも重要です。


子供の、「今、目の前の状態をなんとかしたい」と焦って目先のことの対処に必死になってしまうことが多々あると思うのですが、でも大事なのは、この本に書いてあるような「根本的なこと」です。


どんなに工夫しても、その工夫の方向性が「定型と同じに合わせる、同じような行動ができるようにする」という目標をお母さんやお父さんが掲げてしまうと、それはもう子供の状態は悪くなる一方になるでしょう。発達障害の子とはそういうものです。


方向性を間違わなければ、子供はびっくりするほど安定し、びっくりするほど伸びるのですが、目先のことに囚われて、例えば「きちんと登校してほしい。不登校は癖になるから、皆がやることなのだから。」と登校することありき、で子供を線路にのせてしまうと、発達障害の子はペースも能力もその「皆」とは格段に違う、高いところも低いところも、極端に遅いところも早いところもあるので、合わないのですから、自分で故障して事故を起こし大破、ということもありえます。


それよりも、鈍行の各駅停車で、しかも時々整備に出したり、直線ではなく迂回した線路を走る事もありますが、その「発達障害という子の電車」にあわせた速度や整備、行き方を調整しながら進むと予後が良く、うまく自立して社会人になることができるというのが、私達の経験上言える事です。


そういう方向性を間違ってほしくないという思いがあるのですが、この本はなかなか良い点をリストアップしてくれている、と思います。はじめて子供さんが診断を受けてとまどっている保護者の方に一番最初に読んでほしい類の本かな、と思いましたので、ご紹介しておきます。






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