台北2日目 この日は臺北市立美術館へ行ってから、台南へ移動

 

今まで台湾に来ると雨ばっかりでしたが、今回の旅は晴天に恵まれております。その分、めちゃくちゃ暑いです…台湾の夏ってこんなに暑いんですね。まあ日本も暑いんですけどね。

 

まずは、朝ごはん。ちょっと歩いて、蛋餅(ダンピン)が有名なお店へ行ってみました。蛋餅とは薄い生地に卵などを巻いた、クレープみたいな食べ物です。巻き込む具材はいろいろ選べます。私は卵とハムを注文。みたらし団子のタレみたいな、甘じょっぱ系のソースがかかっていました。

 

お店の外観。日本語は通じませんが超フレンドリーなお店。困る隙もなく、注文できちゃいます。

 

卵とハムの蛋餅。もちもち食感。ドリンクは甘い豆乳。

 

 

朝ごはんの後は、バスに乗って臺北市立美術館へ。バスも悠々カードで乗れます。

 

臺北市立美術館の外観。かっこいい建築ですが、そこそこ年期が入ってます。

 

1983年に開館した臺北市立美術館は、台湾初の現代美術館として建てられました。美術館の建物は、伝統的な中国建築の「斗拱(とうきょう)」の十字形構造をモチーフにしており、それらを積み重ねた「井」字形(ハッシュマーク)構造によって、伝統的要素とモダンなスタイルを融合させています。1980~90年代から近年に至るまで、国内外の名作を継続的に収集しており、現在では5,025点を超える重要な作品を所蔵しています。これらの作品は日本統治時代から現代までの台湾美術の歴史を反映しており、公募展や企画展を通じて収集された現代美術作品も多く含まれています。

 

いくつかの展覧会が行われていました。

 

 

懷德樂美倪蔣懷紀念展

(徳と美:倪蔣懷へのオマージュ)

 

この展覧会は、台湾近代水彩画の先駆者・倪蔣懷(1894–1943)の回顧展です。

2023年に、倪蔣懷の子孫たちが彼の絵画、スケッチ、日記、愛蔵書などの貴重な資料を臺北市立美術館に寄贈しました。ほぼ500点にもおよぶ資料が一人の作家に関するものとしてまとまって寄贈されるのは、美術館の歴史でも初めてだったそうです。

この寄贈を受け、美術館はすぐに修復と調査を開始。その成果をまとめた展覧会が、懷德樂美—倪蔣懷紀念展(徳と美:倪蔣懷へのオマージュ)です。

展覧会タイトルの「徳と美」は、倪の言葉「君子は徳を重んじ、芸術は美を愛す」から取られています。彼にとって芸術とは、美しさを描くだけではなく、心の徳を磨き、社会に善をもたらすものでした。近代文明を理解し、台湾の美術を育てようとする強い使命感を持った人物として紹介されていました。

 

エントランス。倪さんの写真からスタート。

 

展示作品は、風景を描いた水彩画がメインです。台北や淡水など台湾の町を描いたものや、ヨーロッパの風景を描いたものもありました。

 

展示方法は日本と一緒。

 

倪蔣懷〈淡水〉

 

倪蔣懷〈臺北四合院民宅〉 

四合院民宅とは、四方向に棟を配し中庭を置く中国伝統の建築様式のこと。

 

 

倪蔣懷は絵を描くだけでなく、画会や美術学校を立ち上げ、最終的には私設美術館「寶峰美術館」の設立を目指していました。志半ばで亡くなりましたが、資料によって浮かび上がってきたイメージを元に造られた美術館の入り口が展示されていました。

 

急に門が出現。何事かと戸惑いましたが、展覧会の一部でした。

 

愛蔵書コーナーも。日本語で書かれた西洋絵画の画集や、絵画技法書などが展示されていました。

 

日本統治時代ゆえか、日本語の本ばかりでした。

 

倪蔣懷の師匠は、日本人の画家 石川欽一郎だったそうです。石川欽一郎の作品も展示されていました。

 

石川欽一郎〈箱根〉

 

 

続いて、現代作家の個展を鑑賞。

 

 

 

不發音字母—翻閱165頁厚度

Silent Letters—Feeling the Units

 

この展覧会は、徐瑞謙(1994-)の個展です。

徐は素材や物質、そしてその内部に潜む精神性の可能性を探求することをテーマに制作しています。物質に力を加えることで生まれる、作用や変化を観察し、現実世界との新たな関わり方、そして対象の本質により深く触れる手がかりを提示します。

 

徐瑞謙〈sponge notes-3〉

 

徐瑞謙〈Wrinkles、Cubes〉

 

 

 

未完成之作:彭弘智個展

サイキックシアター:彭弘智個展

 

こちらは、彭弘智(1969-)の個展。台北出身で国際的に活動している現代アーティストです。

彭弘智は、宗教・文化・権力・アイデンティティが交差する複雑な領域を探求するアーティスト。ユーモアと象徴性を巧みに用いることで、社会構造や信仰体系に対する既成の認識を問い直すのが彼の特徴です。

 

なんか音がするな、と思って覗いてみると巨大なビニール製の幕が飛んでいました。真ん中に穴の空いた幕が、部屋の中を自動的に行ったり来たりして、それに伴って天井の照明も点いたり消えたり。ダイナミックなインスタレーションでした。

 

彭弘智〈The Flying Wall〉

 

彭弘智〈The Flying Wall〉

 

こちらは、照明が揺れている作品。よく見ると、一つは西洋風なシャンデリア、もう一つは東洋風な照明でした。

 

彭弘智〈Consecrated Chandelier〉

 

そして、展覧会のタイトルにもなっている映像作品〈サイキックシアター〉。窓のような切り込みが入った木の板が設置されており、奥の壁に映像が投影されていました。90分の映像作品で全ては見られず。また、中国語音声で英語字幕。内容はよく分からずでしたが、どうやら台湾の演劇がテーマのようでした。

 

彭弘智〈Psychic Theater〉

 

彭弘智〈Psychic Theater〉

 

 

 

雙鉤廓填:柯良志個展

フレーミングと充填:柯良志個展

 

続いて、柯良志(1980-)の個展を鑑賞。柯良志は、国立台東大学芸術産業学科の准教授です。彼の活動は、書、絵画、インスタレーション、パフォーマンス、テキスト作品に及びます。社会的課題や日常経験と、書くという行為との関係性を継続的に問い直し、現代書の実験的可能性を拡張することに取り組んでいます。

 

かなり印象に残った作品がこちら。街頭の落書きなど「非標準な文字」を貴重なもの「玉」として捉え直し、写し取り再構成することで時代の痕跡の可視化を試みる作品。鑑賞者は作品に付けられたQRコードを読み取り、Googleマップ上でそれらの文字の元の場所を巡り、その土地の文脈や環境を体験することができます。

 

柯良志〈今不同璧〉(今や欠けた石ではなく、玉となる)

 

QRコード一覧

 

QRコードから繋がるGoogleマップのストリートビュー。

 

 

こちらの作品も、ストリートの文字文化にフォーカスしたもの。

台湾の工事現場に広く見られる、トタン板に作業員が塗料と筆を用い、プロジェクト名、施工業者、事務所情報などを書き込む一般的な光景を再構成した作品。複製と再解釈を通じて、台湾のストリート・ビジュアル・カルチャーの軌跡を振り返るだけでなく、現代社会における「手書き」の文化的位置づけと意味を探求しようとするものです。

 

柯良志〈鐵皮書寫計畫〉(トタン板書写プロジェクト)

 

 

臺北市立美術館は以上です。なかなか興味深い作品が見られました。

この後、台北を出て台南へ向かいました。

 

台南へは台北駅から、台湾版の新幹線「台灣高鐡」で。前日に席を予約し、乗る前に駅の窓口で発券してもらいました。公式サイトも分かりやすく、スムーズにチケットが買えます。座席の感じは、ほぼ日本の新幹線と一緒です。ちなみに私が一番好きな中国語は「月台」(プラットホーム)です。

 

台灣高鐵。キレイな車両でした。

 

電光掲示板の案内も分かりやすい。

 

台北から台南までは、約2時間ほどで到着。台南は新幹線が止まる高鐵台南駅と在来線の台南駅があり、だいぶ離れています。高鐵台南駅から隣接する台鐵沙崙駅へ移動し、在来線に乗って台南駅を目指します。

 

台灣高鐵の高鐡台南駅。

 

台鐵沙崙駅。名前が違ってややこしいですが、高鐵台南駅と同じ駅です。

 

台鐵沙崙駅へ続く通路。一度、見逃して迷子になりました。

 

夕方、無事に台南駅へ到着。

 

在来線の台南駅。

 

宿の近くにあったスムージー屋さんで、エンドウ豆のスムージー。まあまあ。

 

今回は以上です。

では、また次回。ザイ・ジエン!