絵本の森を散歩しましょう!



いちにちにへんとおるバス



中川 正文 作    梶山 俊夫 絵     ひかりのくに




バスは二へんしからとおらん


あさ、むらから まちへ


ゆうがた、まちから むらへ もどってくるだけや



いつも乗る人もきまっているのだ


町の銀行に勤める人

 

         郵便配達


                 市場へ魚を買いに行くおばはん




ある日


とうげにさしかかるところで


てをあげるこどもがいて


乗せてやることになる



にこにこしたこの子であったが、なんとお金を持っていない


みるにみかねたさかなやのおばはんが代わりにバス代を払うことに


礼も言わないけったいな子やった



まちにつくころには雪になっていた


ところが、あの子どもの姿が急にみえなくなっていた


みんなはきつねにつままれたようやった



帰りのバスにはあすむらで結婚式をあげる花嫁やら、付き添いやらで


バスも久々の満員に



だが、朝から降り始めた雪は積もり始めていた



とうげにさしかかるころには雪が深くなってきた




くだりざかではバスは危なくて走れない

やむを得ず、少し待つことに



夜も更けてきた

車掌さんが外に出てみると


なんとバスのとおるところだけゆきがきえている


不思議なできごとであったが、無事バスはむらへ到着した



あくるあさ

またいつものようにバスは走る


すると ゆうびんはいたつが おばはんにてがみがきてたと 手渡す


なかには





きのうはありがとう


おかげでまちのおてらのともだちのびょうきみまいができました


ゆきかきしたのは そのおれいです


でも ゆきかきに とうげのなかまたちを おおぜいたのんだので、わるいけど


ぼうだらを一ぽん しっけして、みんなにわけてやりました



まさかとうげのたぬきからとどいた手紙とはだれも気が付かなかったであろう






梶山さんの素朴な風景画に字も手書きで、文章は中川さん独特の関西弁でかかれていて

なんともあったかくて、良い感じの絵本です


心があったまるお話です


おおらかで人にも動物にもやさしいそんな時代にまたしていきたいですね




絵本の森を散歩しましょう!

いちにちにへんとおるバス (ひかりのくに傑作絵本集 (1))/中川 正文
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絵本の森を散歩しましょう!


ももたろう



松居 直  文      赤羽 末吉 画     福音館書店





昔からあるももたろうのおはなし。


みなさん、こどもたちにちゃんと語ることができますか?


昔むかし あるところに おじいさんとおばあさんがすんでいました


おじいさんは山へしばかりに


おばあさんは川へせんたくに ゆきました


おばあさんが川でせんたくをしていると 川上から ももがつんぶくかんぶく流れてきました


(私がこどもの頃聞かされたおはなしでは、ももがどんぶらこ どんぶらこと流れてきました。)


そして、大きなももが流れてきて、おじいさんに食べさせようと持ってかえるのですね


そして、ここがポイント!


ももをわろうとしたとたん、ももがじゃくっとわれて、なかから 可愛い男の子がほおげあ、ほおげあと

生まれてくるのです


自らわれるというところがポイントなんですね


ももは昔から生命力の源であり、鬼を退治するほどの邪気を追い払い不老長寿の力があります

古事記の中ではイザナギが追いかけてくる醜女(シコメ)を桃を投げ、退散させます


そして、桃太郎と名づけられ、ごはんを一杯食べれば、いっぱいだけ

                       二杯食べれば、にはいだけ

                       三杯食べれば、さんばいだけ

                       大きくなりました



あるとき、カラスがやってきて、鬼がわるさをしていることを教えます

それをきいた桃太郎はおじいさん、おばあさんに頼み、きびだんごを作ってもらい

新しいはかま、はちまき、かたなを携え、鬼退治にでかけます


さて、ここから、誰に出会うかは もちろんみなさんご存知ですね


さる

きじ


それぞれきびだんごをやると一緒についてきます


海をこえ、ゆくが ゆくが ゆくと


この絵本でのこの波をご覧ください  灰色で とても荒れた海です

これから待ち受ける鬼との戦いを予感させます



鬼が島につき、鬼のすみかへ


きびだんごを食べた4人はきびだんごをたっぷり食べているので百人力

 

鬼はとうとう降参し、宝を差し出しますが、それよりもとらえられたおひめさまを返してもらいます


また海を越え、戻ってきますが、絵本の海の絵を御覧下さい


どうですか? 行く時の海とはうってかわり、青くて、とても穏やかな海です


無事、おじいさん、おばあさんのところに帰ってきたももたろうはひめをよめにもらい

末長く幸せにくらしました


めでたし めでたし


ももたろう (日本傑作絵本シリーズ)/まつい ただし

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絵本の森を散歩しましょう!



絵本の森を散歩しましょう!


だいじょうぶだよ、ゾウさん


ローレンス・ブルギニョン 作  ヴァレリー・ダール 絵  柳田邦男 訳  文渓社



年老いたゾウと幼いネズミは仲良しでした


ネズミは年老いたゾウがメガネをなくさないようにひもをかけてあげたりしました


また、ゾウはまだ幼いネズミを守ってあげました

そして、小さな足では行けない山や大きなみずうみへも連れて行ってあげました


ゾウはネズミといっしょだと、こころがあかるくはずみました

仲間のゾウや家族はとっくになくなって、ゾウの国と言われるところへいってしまっていました


あるとき、ネズミを連れて、ゾウはゾウの国が見えるところにやってきました


ゾウの国は深い谷を越えた向こうの大きな森でした


深い谷には吊り橋がかかっていましたが、途中がこわれていました


ゾウは近いうちにあの橋をわたり、ゾウの国に行かなくてはいけないのだと、ネズミに話しました


ネズミは橋を直すことを約束しました


ゾウは日に日に、弱っていきました


好きだったバナナさえも食べなくなり、何もないのにせき込むようになりました


ネズミはゾウがゾウの国に行ってしまうことをとても不安に思っていましたが、

弱っていくゾウを見守るうちに決心がつきました


そして、そのときがやってきました


吊り橋を渡り始めたゾウに、ネズミは「こわがらないで、もう、がんじょうになっているから!」と

声をかけると


ゾウも「こわくなんかないよ。だいじょうぶ、安心してわたれるさ。」と、こたえるのでした。


「そう、きっとすべてうまくいくよ・・・・・」


ネズミはそうつぶやいてえ、やさしいえみをうかべました




仲の良い仲間が死を迎えるにあたり、本人も、そして、友人もそのことをうまく受け入れるという

おはなしでした


いつか、迎える死・・・穏やかに迎えたいものです



絵本の森を散歩しましょう!

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